第93話 カトリーヌの里帰りと別荘
何とか本日中に投稿できました。
カトリーヌの家族を、昨日のコルトラス川の畔の別荘予定地に連れて行ってみた。
「え?こんな広いの?」
「何だかスゴイ!」
「お姉ちゃん?ここにお家出来るの?」
「英雄様、こんなに広いモノなのですか……はぁ~」
「別荘何だから、広くゆったり出来ないと。使用人や警備の者達も居るのだから、普通じゃないかな?王都のお屋敷はこれより広いわよ?」
「うむ、城の形にして眺めも楽しみたいしな」
また直ぐに村の実家に戻り、ゆったりする。畑も昼に見に行く以外は手空きらしいので、話が聞きたいようだな。カトリーヌが繊維と布の話をし始めたので、補足だけしてやる。
母と妹は興味深々で聞いているのだが、弟達がソワソワして、俺から冒険の話を聞きたいようなのだ。なので、俺達は別で俺の幼少期の旅の話をしてやる事にした。
孤児院では無く、勿論冒険の話だ。俺にとっての”初めてのおつかい”的な感じだな。近くの森にオークの巣が出来たから、潰して来いとか、ゴブリンの群れに入って、一人で何匹倒せるか?とか、あの洞窟でお宝一つ見つける迄帰って来るなとか、森で遭遇したエルフの娘を口説いて来いとか、とか。下らん事もやっているんだよな。カトリーヌが見ている?不味いぞ……皆に情報が回ってしまう。
「いや、カトリーヌ。あれだぞ?師匠の命令で仕方なくだな……」
「ふ~ん。そうなんですか?でも、焦ってますよね?私達が居ない時はそんな事を。」
「いや、だから師匠がだな、無理やりにアレをこうして」
「何処にどれだけ女が居るのか実態調査が必要ですね?まさか今も……」
「いや、無い!無いぞ?お前達で満足なのだ!カトリーヌが可愛いからな!な!」
「う~~ん……まぁ、信じてあげましょう。でも後で可愛がって下さい!じゃないと許しません!他の女に等、アーシャ様やエリダ様のお耳に入ったら、どうなる事やらです!」
「カトリーヌ?あんまり嫉妬が過ぎると、嫌われちゃうわよ?程々にしなよ。」
「うん。でも嫌だもの。妻連合ならいいけど、他の女はやだもん。旦那様は、私の事嫌いなのですかぁ?」
「いや、そんな事は無い!大好きだ!安心しろ!子も待ち遠しいしな」
「なら、いいのです。私達で満足して下さい。いいですね?」
「あ、ああ。そうだな、そうしよう」
何だかカトリーヌに気圧されてしまったが、どうにか事無きを得た。
まあ、あれだ。色々と動いて誤魔化そう。それがいい筈だ、たぶん。
なので、カトリーヌを連れて、ニルヴァーナ領の半島南端から西に海を渡った無人島にも飛んで見たのだが、やはり南側が良いと言う事になったから、島の南端から場所を探す事にしてみた。
「だって南側の方が、海も景色も開けてますから。」
そうなんだよな。だから、カトリーヌの気に入った浜辺から近い場所を探す事に。
「旦那様?この浜がいいです。白くて砂粒も良いし、右側に行くと磯が有りますから。一番は後ろの岩場に噴き出す水場です。身体も洗えますけど、飲料水になりますから。場所もそうですけど、広目に敷地を仕切ったらどうですか?」
「そうだな。そうするか?よし!」
錬金でかなり広く柵を構築して、適当な場所に屋敷の地下と基礎を作り、一気に三階建てを三棟と使用人と警備の”屋敷”を建てた。カトリーヌは細々した設備を錬金しているので任せ、俺はガラスや木など、内装の方にも手を付ける。とりあえず、仮で一室に絨毯と鏡台、ベッドを出しておいた。
「旦那様~どこですかぁ?あ、発見です!うわわ~眺めがいいですぅ~!潮騒と森の葉擦れの音が耳に優しいですね?」
カトリーヌはうっとりしながら、俺にしな垂れ掛かってきた。
優しく抱き締めると、ゆっくり此方を見上げてくるので、笑顔で見つめ返す。
瞳が閉じられたので、柔らかく小さい唇を塞いで……
「ベッドから海が見えるのって、いいですね。」
「そうだな。お腹は大丈夫か?カトリーヌ」
「はい、お母様の守護が有りますから。今晩はここでもいいかもです。」
「実家に戻らないのか?」
「悩んじゃいます。寝るのだけでも?数日は旦那様と2人っきりだから、楽しみたいって思いますし、母さん達も一度は王都に来るので。どうですかぁ?」
「そうするか?では、向こうの予定地に行って、作業してからにしよう」
「はい。」
コルトラス川の畔に飛んで、予定地の周辺と街道から繋がる道を石畳みで新設する。交通の便が悪いと使用人や物流、職人が困るからな。そのまま外郭の城だけでも形にしておいた。ジェームズとソフィアの母弟の為の屋敷の新築が終わったので、そのままここの工事に入って貰う様に、スフィアでジェームズに頼んでおいた。明日の朝には監督が職人と来るらしい。
作業を終えて、カトリーヌの実家近くに飛び、2人で手を繋いで歩いて向かう。やはり自然の豊かな良い土地だな。今から、少しづつ栄えて行くだろうが、自然は壊して欲しくないものだ。
カトリーヌの実家に帰って共に夕食と風呂を済ませてから、霊波移動で島の別荘に飛ぶ。
一室程、内装を整え寝室に使える様にしてあるので、その部屋に行く。
魔道具の照明で薄暗くして、夜の景色を眺めながらベッドに横になる。
遠くに街の灯りが見えるが、ニルヴァーナ領の街の灯りだな。半島の先、ポンツァの街かな?
「旦那様とこうして居られるなんて幸せです。夢に見た日々が現実になるなんて………あ、浮気は嫌ですよ?」
「む、そんな事はしない。お前達だけだ。安心しろ」
「む~!離しませんから!絶対ですよ?」
「ああ。さ、もう寝よう。お腹に響くぞ?」
「………はい。おやすみなさい、旦那様。」
朝の定期通信で補完して現状を把握する。特に変わりは無い様だな。
王太后様とボルドー家の女性陣はそのまま滞在しているし、
王都と雷帝宮で分かれた妻達は問題無い。
ジェシカとケイティは、購入した屋敷を見に行き、そのまま内装や調度品、
家具類の購入と使用人の手配を行ったみたいで、早々に実家として固めるようだな。
ターニャと俺は予定通りに【聖域】に居るし、3~4日の予定だ。
どうせなら、今度の週末に間に合う様にここの別荘を仕上げたいものだ。
ここは島なので、職人の手配が難しいから、俺とカトリーヌだけで、短期決戦だな。
ん?海だし浜で遊んだりもできるしな。
カトリーヌが水着を新しく考案しているから、その辺も期待だな。浜に日除けも要るかな?
使用人はどうするかな?交代で詰めさせるのも良いかも知れんな。
「んぅ………だんなさま。おはようございます………朝焼けも綺麗ですね。」
「ん?おはようカトリーヌ。そうだな、景色が最高だ。」
「お茶してから実家に戻ります?」
「そうだな、そうしよう。向こうの別荘に監督と職人が来るしな」
「はい。じゃあ、こっちは頑張らないとですね?」
「そうだ。まぁ、細かい所だがな。週末迄に仕上げて皆を呼んであげたいし。暑いからな」
「そうですね。水着が間に合うかな?頑張らなきゃ!」
そんな訳で、お茶をお飲んだ後はカトリーヌの実家に戻り、
彼女の作った朝食を皆で食べてから、実家近くの別荘に向かった。
うん。やはりここも良い環境だな。コルトラス川の支流が敷地に有り
静かにせせらぎが聞こえ、近くの草原の葉擦れの音や、
林の静かで冷たく冷えた空気。
中々の住環境だな。よし、一気に外側を建てよう!
「カトリーヌ、外側を作ってしまうがいいか?」
「え?はい。どんな感じにするのです?」
「少し城っぽくなるな。折角の景色だから高所から眺めたいだろ?」
「いいですね!夕焼けとか星空を旦那様に抱かれて眺めたいですっ!」
「そうだな、じゃあ建てるぞ?」
一気に錬金で仕上げる!二階迄はそのままの大きさで、三階からはテラスも有るので絞っていく。
本体は”コンクリート”と言う素材で外部は石積み風にしてある。そして三階から上は塔を三つ立てて
八階建てにした。階段は勿論だが、それだと大変なので上下する箱を作った。
鉄の重しと歯車で動き、操作は箱の中のレバーで。
各階にはベランダ。屋上も作り、外気が楽しめるように。
塔は直径が三十メートル有り、俺達用が二つ・父さん母さんと親用だな。
使用人棟も三階建てで横に作り、警備隊の詰め所兼宿舎は
外周の塀を厚くして、建物と一体にしてみた。
それらを地下通路で繋ぎ、本館の中に通常の来客室も作る。
風呂と食堂は各塔にも有るが、本館にも大きな物を用意する。人数が多いからさ。
使用人や警備隊の建物にも風呂は大き目にして、楽しめるようにした。
粗方こんな感じかな?後は追々だな。
「こんな感じでどうだ?」
「いいと思わ!素敵かも!旦那様?2人で上がりましょ?ダメ?」
「いいぞ、上がってみよう」
「はい!」
「うわ~~!高くて景色が凄いですっ!遠く迄見渡せます!……何で三本なんです?」
「俺と妻達に二本と親用だな。あ、二本は渡り廊下で繋がなきゃな。そろそろ来るかな?」
「はい。降りましょうか。」
程なくしてジェームズと監督官、職人達が領軍に囲まれてやって来た。
「おはようございます、御当主様、奥様。お待たせ致しました」
「いや、朝から済まないな。別荘はエリダや王太后様、母さんも楽しみみたいでな」
「なんと!これは気合が入りますな!」
「ここなのだが、領としてはジェームズの直轄領になるだろ?どうする?
アルテンメルン領としてか、アルゼンヒュット家か、ニルヴァーナ家としてか維持管理を決めるか?」
「私は英雄である御当主様に惚れ込んでお仕えしているのです。
当然私がお世話をさせて頂きますので、人の手配もしておきます」
「む、そうか。済まない。それから、ソニアとカトリーヌが懐妊した。
母さんの手助けも有るから、次はターニャとアーシャだろう」
「それは!おめでとうございますっ!カトリーヌ様!よくぞっ!
最強の御子をお願いしますぞっっ!これで一先ずは安心ですな。
アーシャ奥様がご懐妊されれば言う事無しでございます」
「ええ、ジェームズもありがとう。”あの男”を引き取ってくれて。
男でも女でも最強の子を産むから安心して。」
「いえ、奥様のお心を痛める訳には参りませぬ。はい、期待しておきます。
では早速方向性を決めて頂いて、手配に掛かりましょう。細部や色調等は妻にも見させます」
「ああ、頼む。カトリーヌ?お前の好みで決めて構わない」
「はい、旦那様。じゃあ、監督さんと職人さん、コレを見て聞いて欲しいの…………」
カトリーヌは時空術からなにやら取り出して説明している。
外壁を指差しているが………そのまま中に入って行きながら中の説明をしている。
俺達も後を着いて行きながらジェームズと領地の打ち合わせだな。
だが、ずっとな訳にも行かないので本館に一室程簡単に仕上げて、
ソファーセットを置いて、ここで打ち合わせをする事にした。
職人達も最初はカトリーヌの美しさに見蕩れていたが、
カトリーヌの話す内容に段々と聞き入って、のめり込んで真剣な顔になっていく。
やはりカトリーヌの発想はとんでもないようだな。終いには紙とペンを取り出し
外装と内装、仕上げ、様々なスケッチを描き始めた。
皆が放心して見入っていたが、これが有れば分かり易いし、間違いも少ないだろう。
しかも実に巧い!何でこんなに多才なのだ?我が妻ではあるが感心してしまうぞ!
「これは…………凄い発想ですな。誰も考え付きません」
「長い事大工やってますがね………たまげましたわい。」
「流石はカトリーヌ様、驚きました………では、皆の衆、このプランで頼むぞ?期限は来週中に」
「母さん達も楽しみにしてるから頼むな」
「「「「「「「「「「了解です!」」」」」」」」」」
この場は任せてカトリーヌと二人でジャクオ島の別荘に飛ぶ!
「カトリーヌは凄いな!あんな事、思い付かないしどうやったらいいかすら分からんぞ?流石は俺の奥さんだ」
「うふっ。だって、お母様やアーシャ様に喜んで欲しくて。今から産まれる子供達にも。」
「そうか、それは喜びそうだな。今から楽しみだ」
「さあ、旦那様?此方を仕上げてしまいましょう!」
「ああ、頑張るかな」
最近、完全に週一になって情けないです…
忙しいのと併せて執筆時間が限られてまして。
頑張って進めて参りますので、応援宜しくお願いします。
段々と寒くなって来ましたので体調管理に気を付けて。
さら




