第40話 ボルドー
ストックが・・・
実地研修が終わって屋敷に戻ると、ボルドー一家が泊まりに来ていた。
長兄と婿は領地で仕事をしているので、今は居ない。
「お帰りなさいませ、旦那様」
「ただいまアーシャ、ボルドー家が来ているのかい?泊まりかな?効率がいいね」
「はい。それに領地の発表が有りましたから、お祝いに」
「そうか。各貴族からも祝いの品と親書が届いているからね。有り難い事だ」
屋敷に入り談話室に向かう。
ジェシカ、カトリーヌ、クリスティは別室にと思ったが、アーシャが許可した。
なので全員、さっと着替える事にした。
流石に義両親の前で汚れた服は不味いしな。
「やあ、メル。お邪魔してるよ?英雄は遣る事が一々デカいな?」
「お久しぶりです義父上、自宅と思って下さい。大変ですが、家を発展させて行かないと、娶った妻達にも申し訳が立ちませんからね」
「随分殊勝だが、親の1人としては喜ばしいな。明日から宜しく頼むが、何処迄考えているかな?」
「集積地候補とラガーの増産体制。シードルの生産状況と新蒸留酒”ボルニャック”の品質。王都~ボルドー間とボルドー~アルテンメルン間の運輸ルート。取り敢えずはこんな感じですが、ボルドー~アルテンメルンの新街道から王都への分岐も考えています。これは直通に依る時間短縮と領軍を巡回させて治安の向上、王都への防衛線の構築、我等2領以外の商隊は通行料を払って貰い安全をと時間を買うと言う事。遊ばせても軍は金を喰いますから、規律と練度と貢献度の向上の為にも巡回はさせようかと。それに伴う宿場町と馬車駅です。定期運航の馬車を走らせ交通の便を良くし、人の動きを活発にする。空荷の問題も有りますから丁度良いかと」
「うむ。流石だな。良く考えてあるよ。では、各種、酒と果実の状況を見てナッシュ辺りを候補地として下見。ゆっくりして帰り道に街道の下見かな?」
「はい。それで構いません。ん?そろそろ夕食です、行きましょう」
食後は珍しく男3人で風呂に入った。俺、義父、セバスで。
この場では純粋に父として、義兄としてセバスを心配したり期待したりと言った
そんな話で盛り上がった。
セバスはバスメイド相手に恥ずかしそうにしていたが。
寝室に入ると、ベッドの上にソニアとソフィアが居たので
ソファーに呼んでワインを飲んで少し話をしてからベッドに入った。
普段控え目なソニアとソフィアが、少し大胆だった気がする。何か有ったかな?
まあ、今日も極上の一時だった。
翌朝も普段通りに起きて衣装室で着替える。
ジェシカに整えて貰い、口付けを交わしてから屋敷の巡回をする。
敷地内を回って中庭に戻って来ると、カトリーヌがバハムートとユニコ達と戯れていた。
相変わらず”ゆによん”はカトリーヌのスカートを咥えているが。
2刀での訓練を行ってから、魔法の練習だな。
日々上達している。流石に成長速度は落ちて来たが、普通に考えたら早過ぎる。
背も160センチ位になっている。何処迄伸びるんだ?胸もか?
まあ、悪い事では無いしな。いいか。
ジェシカが待っていて、3人で浴場に行く。
身体を流していると、ソニアとソフィアが入って来たので一緒に流す。
4人に囲まれ幸せな時間を満喫して居間に行くとアーシャとターニャが居たので治癒をお腹に掛けておく。
ボルドー家も起きて来て一緒に朝食を済ませている間に、ケイティ親子が来たようだ。
「おはようございます御当主様、ボルドー様」
「おはようございます」
「おはよう、2人共。では、皆テントに」
「”む~と”ちゃ~ん!」
「きゅぴ~」
「済まないな、バハムート。そうだな……体長3メートル程度かな?」
「きゅ!――――ぎゅるぐる」
「わぁ!大きくなってもカワイイですねぇ~」
「「「「「「お願い致します、雷帝竜様」」」」」」
「ん~!着いたぁ~”む~と”ちゃん!おつかれさま!きゃっ。うふ~なでなで」
「ぎゅるる~」
「バハムート、有難う。2時間か、早くて助かるな。此処は良い場所だな」
「はい旦那様。私も好きですわ。雷帝竜様、有難う御座います」
「「「「「「有難う御座います!!」」」」」」
「ぐるるる~」
「いや、これは驚いたな!我がボルドーがこんなに早いとはな。先ずは入ろう」
このボルドー領の領都、ボルドーの街の中に川が流れ、丘と崖の下に外城壁。中に内城壁でその中にサン・シュール城が有る。此処がボルドー家の実家だ。
ボルドーの街はその下を囲む城下町。と、言った風情で、街は大きく活気も有り栄えている。
この外城壁の中に加工倉庫が有るので、ここで場内の設備や品質等を見学する。
「此方はラガービールの生産ラインで、向こうがシードルだな。隅で行っているのが新しく開発提案を受けた蒸留酒の”ボルニャック”だ。皆、試飲してくれ」
「さ、特に商会とマクスウェル殿はシードルとボルニャックを吟味してくれ」
「義兄上!やっぱりシードルは美味しいです!絶対に売れ筋です!」
「「「「美味しいです!!これが新商品!」」」」
「なんと!林檎の発泡とは。飲み易く手軽な感じが良いですな!」
「父様、これらを運ぶのですね?」
「旦那様。女性や若年層にも飲み易くて美味しいですわ!」
「これがボルニャックだ。度数が高いから酔うなよ?」
「これが!蒸留酒!キツさも感じ無いし飲み易く、上品。でも濃厚な味わい!此れも林檎!凄いです!」「「「「これが林檎の蒸留酒!!」」」」
「隣の倉庫に搬入された麦と林檎が有る。見にいこう。さ、こっちだ」
「流石はボルドーです。良い、品質だ」
「うん!品質も極上を保っています。農家の彼等に感謝です!」
「そうねセバス。お兄様方の治世が順調な証ね。領民と創世神様に感謝を」
この後は城に入り、アーシャの長兄であるペリゴールと義兄のビットリッヒに挨拶して、全員で昼食会になった。
このサン・シュール城で獲れる果実と野菜、魚が絶品で、料理が最高に美味い。ジビエもいい。
非常に楽しめる昼食を済ませて、談話室でお茶を飲みながら感想と雑談に興じる。
初めて来る者、特に女性陣はボルドーの空気や景観、この城にも感動しているようだ。
「アーシャ、ここは何時来ても良い所だな」
「はい。私の憩い場所ですわ」
「そうですねアーシャ様。初めて連れて来て頂いた時はソニアさんと感動しましたもの」
「私は初めてですが、素晴らしい場所ですわ!ねぇ、バルデロ?」
「はい、姉様!物語の1ページの様です!」
「じゃあ、僕が案内するよバルデロ!行こう!」
「やったぁ!お願いしますセバス様!」
「まあ、セバスったら。やっぱり男の子は探検とか好きなのね?
私の能力を上げる為に、旦那様のお供をさせて頂きましたが、
確かに見た事も無い未開地や遺跡を見た時は感動致しましたわ。素晴らしい景色ですもの」
「私も先日、研修に同行させて頂きましたが、平原や川の美しさに見蕩れました」
「そうだな。家の騎士団は山脈を越えてドラゴン討伐試験を遣るのだが、
山脈から見下ろす景色は正に、絶景だよ。バハムートの背から見る地上も凄い。
地平線や水平線が丸いのが分かる。普通の人では耐えられないがね」
「明日迄はゆっくりして明後日、ナッシュと街道予定地を見ながら戻る予定でどうだい?」
「賛成ですわ旦那様。嬉しいです!」
「「「有難う御座います」」」コクン
夕食迄はボルドー家の面々と親睦を深めたり、女性陣だけの密談が有ったり、男性陣はお互い領地と商会の仕事の話で盛り上がったりしていたのだが。
最近、ピレネー森林でも魔物が増えている。と、ペリゴールから聞き。
「ああ。先日、準備学校の研修でもゴブリンとオークが沸いて出てな。
後輩冒険者の話でも、最近各地で多く出るらしい。しかも突如と言う感じで。
ピレネー森林も調査・探索隊を出した方が良いかも知れんな」
「そうですね………冒険者ギルドに調査依頼を出してみましょう。
巣が有ればギルドと領軍で討伐隊を組んで、早めに潰さないと被害が出てからでは遅い。
ビットリッヒ、手配を頼めるかい?」
「はい、義兄上。今からでも手配を回します」
その後は何事も無く夜になり就寝。共に寝るのはアーシャだけだ。
”女性の日”の間は一緒に寝るのを嫌がるのだが、実家で正妻以外は許されないのだろう。
クリスティとも話は着けたらしく、円満合意なので女の規則に従って下さいと言われた。
規則って?”指示を出します”らしい。了解です、奥さん。こわい
なので抱き寄せて眠る事にした。アーシャは凄くいい笑顔で眠りに就いた。
余談だが、ジェシカに聞いた処、パスカルはダイアナに”待ってて欲しい”と伝え、”待ってます”と答えたらしい。
………マリアンヌの朝のご褒美とやらは、何とかならないのだろうか………
5時に目覚めたのだが、アーシャが幸せそうに抱き着いているので、30分延長して起きた。
此処では俺達は勿論、皆持て成しを受ける側なのでジェシカとマリアンヌにも世話は断っている。
なので部屋でそのまま着替え、顔を洗ってからソファーに座り霊波探知で城を調べる。
異常は無いので外周も探知で確認してからカトリーヌに繋ぐ。
{あ、御当主さまぁ。今起きました、おはようごじゃいます。どうしたんですかぁ?}
{うむ、不慣れなお前が外に出るなら困らん様に声を掛けた。今からそっちに行く}
{ふぁい。おまちしてましゅ}
そのままカトリーヌの部屋に行き、中に入ると寝ぼけ眼のカトリーヌがソファーに座っていた。
「珍しいな、眠いのか?」
「はい……すこしです。ちょっとだけ、ナデナデ欲しいです」
そう言って俺にもたれて来たので頭を撫でながら抱き寄せてやる。
「んぅ………もうへいきです。着替えますね」
俺に背を向けてガウンを脱ぎ、ワンピースに着替えて顔を洗っている。
自分の時空術からポットを取り出し、お茶を二つ煎れて一つ差し出す。
「どうぞ」
「うむ、すまんな。用意が良いな」
「はい、一応アーシャ様に奥さんの1人に認めて貰ってますから。
それに農村では旦那様を大切にするのは当たり前の事です。罰が当たります。
御当主さまは、わたしで大丈夫ですか?お役に立てる様、一杯御奉仕しますから………」
「カトリーヌの事は好きだが、先のつもりだった。お前を含め妻達がそう決めたのなら異論は無い。妻の1人として大切にする。心配するな、何でも言うのだぞ?」
有難う御座います。そう言って、彼女は下着を脱いで俺の上に跨ってきて、口付けを求めてくる。
俺の手を取り、自分の胸に押し当てて服を脱ぎ始めた………
「遅くなりましたね。その、疼いてしまって………はしたない事をしてしまいました」
カトリーヌは服と髪の毛を整えながらそう言ってきた。
鏡を出して、乱れが無いか見て、紅を塗っている。
「いや、構わない。問題無い時ならお前達の気持ちを優先して遣りたい。
カトリーヌも妻だと言うなら遠慮はするな。大切にすると言ったぞ」
「ふぁい……あ、お茶、煎れ直しました。頑張って、御当主さまが恥を搔かない女になります。えっと、訓練も頑張ります。お化粧とかもちゃんとします。ほ、他の男性に肌は見せませんし、触れさせません。家庭料理なら得意です、えっと……」
「その気持ちで十分だ。髪を整え紅を塗るだけでも随分女らしいぞ?最近は背も伸びて身体も女らしくなっている。自信を持て。十分に可愛いぞ」
「ぇ………あっ、その、あり、有難う御座いますぅ……」
「お茶を飲んだら外に出てみよう」
カトリーヌと城の庭を回る。胸にはバハムートだ。
こうして並ぶと背が高くなったな。髪の毛もウェーブからストレートに変わっている?
種族は変わってない。年齢も16,5のまま……身長は161?伸びたな!体重は41キロ。瘦せているな………B83W53H78。ふむ、随分と成長速度が速いな。状態も正常か。
「えっと、う、嬉しいですけどぉ、み、見て欲しいですけど……あまり見つめられると……はずかしい。ですぅ。あっ!自分でもステータス見て確認してます!」
「ん?そうか。可愛いのでな、確認していた」
「か、かわぃぃ………って。う、うれしですぅ………」
「この辺りにするか」
「はい。いきます!やっ、はっ、はっ…………」
「うむ、随分慣れてきたようだな。動きがスムーズだ。2刀で来い」
「はい!たっ、はっはっはっ、やっ」
シュンシュンシュシュシュシュシュシュシュシュン!
凄いな。光鎧を着けずにレイピアだけでも十分な剣技だ。実践さえ積めば既に銀クラス2位程度だな。魔法も同じ様に銀クラス並みだ。恐るべき成長だな。
女としてもだが。急に大人っぽくなり色香が出てきた。良い事だが………
「いいぞ、カトリーヌ。上出来だ、このまま鍛錬を続けていれば問題無い。既に上級冒険者並みだ」
「はい、ハァハァ、ありが、とう、ございまハァハァ、す。常に、霊魔力循環、させて、いると身体の”切れ”が良くて、ハァハァ」
「そうだ。魔人は霊力操作が得意だが、それが根源だ。様々な力の源になる」
そのまま錬金の練習と霊魔力循環をしてから鍛錬を終え、2人で風呂に入り流し合ってから出た。
カトリーヌは自分のドレスと俺のスーツを時空術から出して身嗜みを整えてくれる。
ドレスを着て、自分で髪を乾かしながら編み込んで整えている。
最後に鏡を出して薄化粧を施して終わりのようだな。
2人で妻達が居るであろう居間に向かう。
もう起きているだろう。今日は城下に出る様だしな。
豪雨地域の方は十分に警戒して下さいね?
災害は怖いですから。
さら




