第38話 日常から布告へ
屋敷に戻り、アーシャ達の研究室に行って見学だな。
アーシャ達の化粧品とカトリーヌの繊維だ。
皆、真剣な顔で実験している。
と、マリアンヌが入って来て手紙を渡して来た。
ん?これは?ケイティの父親だ!
ぬおおお!良い返事か?なになに?
是非お話を伺いたい!つきましては夕刻以降は何時でも………
ヨシ!先触れを出して、今晩食事に招待しよう!
凄く欲しかった人材なのだ!中々に重要なのに、人材は少ない。
早速、ペルルを呼んで説明して頼んでおいた。ふぅ~良かった。
早い内にボルドーも行きたいんだよな。何時がいいか…………
アーシャや妻達も行くと言うだろうし、商会の面子は連れて行かないと。
結局大人数なら、テントをバハムートに運んで貰うかな?それなら可能だ。
ケイティの父親も見せた方がいいし。
あ、クリスティ。顔合わせって必要だよな。必要か?
来週はまた、日帰りの植物採集も有る。
領地も行かないとならないだろうし、忙しいな………
来週の学校休みの間か?近々ならそこだよな。
「アーシャ、来週なんだがボルドーに行く?」
隣の休憩室でお茶を飲みながら切り出した。
「まあ!素敵なご提案。ですが大丈夫なのですか?お仕事諸々」
「それを言うと何時までも行けないから、商会も閉めてセバスと事務員達は見せておきたいし
ケイティの父親が此方に入ってくれるなら、やはり見せた方が良いんだよな。
不要か分からないけど、クリスティとも一度は顔合わせもした方が良いかもと思ったし
早く行かないと、後手後手になりそうでさ。
領地はその次の週に行くって感じにして。
テントは大人数でも問題無いだろ?バハムートに持って飛んで貰えば2時間かな?」
「そうですわよね。でしたら行きましょう。家の家族と侍女、メイド、マリアンヌ、
ボルドー家もですわね?それと移籍が決まればケイティさんのお父上、クリスティさん
商会の事務員さん達。これ位でしょうか………では2泊3日で考えておきますね?
クリスティさんとはお話も有りましたから、丁度良いかと。
その翌週は領地ですわね。お忙しくなりますが大丈夫ですか?心配です………
あ、雷帝竜様にもお願いをしておきませんとね。お肉を奮発して貰いましょう」
「だね。テントなら余裕の人数だね。義父上達にはスフィアで伝えてね。
日程はそれでいいかな。バハムートはカトリーヌの胸が好きらしいよ?」
「それは………ではカトリーヌに雷帝竜様を任せましょう。うふふ。
このお土産のケーキは美味しいですわ」
「ええ、凄く美味しいです」
「はい、わたしでも大丈夫って」
「ボルドーは楽しみです」
《この甘さ好き!私もボルドー楽しみ》
カトリーヌは4時で切り上げ、俺と中庭に出て鍛錬をする事に。
するとバハムートが飛んで来て、カトリーヌのワンピースに入り胸の間から顔を覗かせる。
「きゃっ!~バハムートちゃん!こんにちわ~ここが好きなんだね?」
「きゅいきゅい」{かとりーぬは好きだぞ!}
「わたしも好きだよぉ~うふふ。あ、今度テントを持って皆をボルドーに連れて行ってね?」
「きゅいー!」{いいぞー}
「ありがとうね?ムートちゃん!うふっ。かわいい~あ!ユニコも来た!」
「カトリーヌは好かれているな。良い事だ」
「こにちわ~”ゆにに”~よしよし。あっ!おしりダメだよぉ~”ゆによん”のえっち~御当主さまは見ないでください!あっ、舐めちゃダメってばぁ~もう!”ゆにち”と”ゆにさ”もいい子だね!えへへ」
「かわいい臀部だからな」
「見ちゃダメです」
「そうですよ?御当主様。私のも見られます?」
「見たいが今は辞めておこう」
「「後で見ますか?」」
「そうだな、そうしよう。カトリーヌはレイピアを振ってごらん。見ているから」
「はい。えい!えい!やっ!えい!――――」
「うむ、今度は刺突だ」
「~すぅ、たあぁぁ~」ヴォンヴォンヴォンヴォンヴォン!
「いい感じだな。腕だけで無く、乗せて行く。こうやって、体幹を使って。そうだ」
「後10分で休憩な」
ヒュン!ヒュン!ヒュン!ヒュン!ヴォンヴォヴォヴォヴォン!
「突きは様になってるな、振りはイマイチだが最初よりいいぞ」
「よいしょ、えいえいえい」
ヒュヒュヒュヒュン!
「む、いい感じだ。忘れるなよ?」
「はい!やったぁ」
「ふう~慣れないと疲れます~」
「最初は仕方無いな」
「カトリーヌさん、お茶飲んで」
「あ、ジェシカさん!すみません。んくっ、美味しい~」
「これ、触っても大丈夫かしら……」
「平気です~」
「あら、結構。いえ、かなり重いのね?腕は大丈夫なの?」
「自分の一部みたいな感じなんです」
「不思議なのねぇ。鎧もなの?」
「はい、よいしょ。あれ?変わってる~?でも、こっちがかわいいなぁ~」
「どう言う事だろうな」
「前のだと、おっぱいの上半分から露出で恥ずかしいからファーとか付けて可愛くしたいなって思ってたんです。首や胸元、切れ目なんかも有ったらって。そしたら変わってました。マント付いてる~」
「カトリーヌさんは、癒し系ですね」
「ああ、見てると和むな」
「地面は足から魔力を流して操作するんだ。そうだ、流れてるぞ」
「~【土壁】!うふぁわわ」
「成功だな。次は穴だ、5メートル向こうに1メートルの穴だ。密度操作だぞ?」
「むむむ~えい!!うひゃ」
「よし、出来たな。後は霊魔力を練るんだ」
「ふぁい」
居間で雑談をしていると、来客の知らせが来た。ケイティだな。
応接室に呼んで貰い、自分達も移動する。
「ニルヴァーナ様、本日はお招き有難う御座います。ケイティの父親の
オリバー・フォン・マクスウェルです」
「有難う御座います、メル様」
「ようこそ、マクスウェル殿。メルツェリン・フォン・ニルヴァーナだ」
「娘のケイティから、良い転職先が有ると聞いたのですが………」
「うむ。今の職場の経験を生かして貰いたい仕事が有ってな――――――――」
「その様な仕事を任せて頂けるのですか!これは遣り甲斐が出ますぞ!」
「乗って頂けるなら、此方としても有り難い」
「息子も王宮で御者ですが、引っ張りましょうか」
「ああ、助かる。ではマクスウェル殿は準男爵で年金300、嫡男には100でどうだ?この近所に屋敷も付ける。支度金は100出す。足りないかね?」
「「…………へ?…………」」
「おい、確りしろ?」
「ぬぐあ!あ、ひゃ、あの、破格過ぎて、腰が抜け……」
「はっ!メル様!そんなに!大丈夫なのですか?」
「問題無い。困っていた部門だ。大いにやって欲しい。食事でもしながら歓談しよう」
俺と妻達、ケイティの親子で食事をしながら雑談をした。
最初は屋敷に慄いて、料理に恐縮していたが、随分打ち解けた。
引き継ぎに2週間と言っていたが、休みは取れるのでボルドー行きは問題無いらしい。
ケイティが此方を見ていたが、何か用が有ったか?
引き抜きは成功に終わって助かった。
ケイティが気になるが、また会うのだし話して来るだろう。
アーシャとターニャは女性の日らしく、他の妻達と風呂に入る。
後で治癒を掛けておこう。明日は出掛けるから、朝もだな。
寝室にはジェシカとカトリーヌが来た。
3人でワインを飲みながら雑談してベッドに入る。
「ここなら、おしり。沢山見てください」
「私のもです。見るだけではイヤですわ」
「ああ。可愛い臀部だ、有り難く頂戴しよう」
「む、朝か………可愛い臀部だった」
「ふぁ、はずかしい、ですよぅ」
「うん?起きたのか。寝てていいぞ?まだ居る」
「じゃあ、くっついちゃいます。ぴと…………す~す~」
2人の寝顔を見ていたが、飽きないので頭を撫でながら満足していたら6時になった。
流石にそろそろ起きるかな。
と、思ったら、がっちりホールドされた。
「行かないでください。ジェシカ、さみしい」
「ぐむ、後10分な」
「はぁい!んふふ~」
結局30分許してしまったが、まあ良いか。
早番は既に働き始めているので、別館を回って中庭に行く。
ジェシカは準備に行って、カトリーヌは一緒に来た。
2人で剣を振る。カトリーヌは昨日の夕方より様になっているな。上達が早い。
バハムートも飛んで来てカトリーヌの光鎧の胸に納まっている。ユニコ達も近くで見ている。
「カトリーヌ。打ち込んで来い。好きにやっていい」
「ふぁい!や~はっ!とう!むぅ~」
「ほう!続くな。いいぞ!その調子だ」
「えい!!えいえいえい、や~」
「おはようございます!御当主様!精が出ますね」
「おお!我が戦乙女、カトリーヌ嬢!」
「素晴らしい剣の冴え!」
「ニルヴァーナ家の戦姫!」
「素晴らしいおっぱい!」
「いやぁ……見ないでくださぃ」
2人で身体を洗い、居間でお茶を飲んでいる。と、
「やっぱりここに。カトリーヌ様、奥様がお待ちですよ?さあ、参りましょう」
拉致された。
しかも朝食も1人だった。
妻達は部屋で準備しながらでも口に出来る物が用意されたらしい。
「ペルル、一緒にどうだい?」
「では、お言葉に甘えまして」
する事も無く、自室の居間でお茶を飲みながらボンヤリと妻達を待つ。
保護した女性達は明日の定期便に乗せる予定だし、運輸部の目途は立ったも同じ。
シードルも出来たし、ラベルも完成、新しい蒸留酒のボルニャックももう少し。
次の採集はバルガー湖畔、商会の拡張工事を進めないとな。
考え事をしていたら、妻達が集まっていたので出発。
今日は全員、裕福な町娘?と、言った感じに纏めている?が何だ?
馬車から降りて、キンブリーは戻した。
場所は中央通りで、色んなお店を回るのが目的のようだな。
当然の様にクワトロ達も付いている。ハッキリ言って浮いてるぞ?
昼迄に色んな雑貨屋を見て回った。
お洒落な流行り物から生活雑貨まで、使えそうな物や発想の切っ掛けにしたかったのかな?
可愛らしい小物なんかも買ってたから、一概には言えないけど。
多分だけど流行りの分析や無い物を見つけたい?感じだと思う。
だが、安物でも可愛いアクセサリーは食いつくんだよな。
特にカトリーヌとジェシカは知らずに育ったから凄い笑顔だな。
アーシャとソフィアは伯爵令嬢で行く機会が無かったとは思うけど。
昼は広場に面した、中級レストランでに入った。
クワトロ達は平服に帯剣なので、事情を話して入れたようだな。
料理が出て来て食べ始めた頃、外の広場が騒がしい。喧嘩か?祭りか?
聖騎士団が集まって、何やら始めた。俺はかなり悪い予感がしている。
どうする?逃げるか?予感が当たれば騒ぎになるかも知れない。
「料理は美味いのだが、ここを出ないか?」
「え?旦那様。まだお食事の途中ですわよ?どうなさいました?」
「あ、不味い。始まった」
「「「何がですか?」」」
〖本日、王宮より国内全土に布告する。
アルテンメルン領を納めていたヴァラント伯爵が急死、嫡子不在。
此れに併せ王家直轄であったナーフェルベント領とアルテンメルン領、周辺未開地を
ニルヴァーナ伯爵家の領地とするものである!
これは、当初より貴族爵位だけでは英雄様に対して褒章が低いとの声を受け
王族、公爵家、貴族院、が決定を下した事案の為、意義申し立ては受付け無い
本日の発表は以上である!〗
「「「「「「うおおおおおお!すげえええええええ!!!」」」」」」
「「「「「英雄様ばんざ~~~~~い!!!!」」」」」
「「「「「「「「士官するぞおおおおお」」」」」」」
「嫁にもらってええええ!!!」
「けっこんしてええええおねがいいいいいいい」
「「「「「英雄に着いて行くぞおおおおおおおおおお」」」」」
「な?こんな気がしたんだよな…………」
「「「「「「…………はい」」」」」」
「どうするかな?外は大騒ぎだし、屋敷の前も大変だろうな」
「どうしましょう…………」
「これ、帰れませんよ」
「…………試してみるか」
俺は先に支払いを済ませ、妻達と全員で手を繋ぐ。
「クワトロ、先に戻る。任せたぞ」
「え?御当主様?」
「皆、俺の霊波動が行き渡ったな?目を瞑って動くなよ?」
1人で移動した時と同じ要領で全員を移動させる――――
「ぐはっ、はぁはぁ上手く、はぁはぁはぁ行った」
「旦那様!しっかり?大丈夫なのですか?」
「ああ、旦那様!」
「いや、無理。寝る」
「ちょ、旦那様!」
「屋敷なのは良いけど旦那様が!ちょっと、誰か!」
「誰か来て頂戴!デッカーは居ないの?」
「あら、奥様方。お出掛けされたので………御当主様!誰か!来てぇ~」
「何事で有りますかな?」
「ペルル!デッカーを呼んで頂戴!旦那様が」
「あら?アーシャ様、奥様方、お出掛け………御当主様!!はぁぁ~~ドサッ」
「ちょっと、マリアンヌまで!」
「お~く~さ~ま~」
「「「「「どうされましたか~」」」」」
「あ!デッカー!旦那様がお倒れに!運んで頂戴な!」
「「「「きゃあ~御当主様!」」」」
「承知しましたぞ!ええい、騒ぐな!」
はぁ~。旦那様が倒れるなんて初めてです。
しかも外は大騒ぎになってますし。
戻って来たクワトロとデッカーが明日の面接に来いと追い返してるけど。
貴族街の警備隊も捌いてくれているのね。なら大丈夫だわ。
「むぐ………ん?アーシャ」
「旦那様!心配しました。初めてなので………」
「ああ、済まない。力を使い過ぎただけだ」
「もう、宜しいのですか?」
「うん。問題無いよ」
「ほっ、安堵致しました」
「これから大変だな」
「デッカーが明日面談を行うと言って帰してます」
「じゃ、午前は商会で午後は屋敷だな」
明日から面談の嵐か………仕方無いか。




