第35話 討伐体験2
皆が休息に入った後、1人で番をしながら自然を満喫していたら、ジェシカが出てきた。
彼女が隣に座り暫く抱き締めていたら
ジェシカが膝に乗るので暫く口付けを交わしていたが
眠ってしまったので、テントの寝室に運んでから服を脱がせてから寝かせた。
少し気になったのだ。巣を確認するべきだ。
体験の趣旨やスケジュールから外れるが、放置も出来ん。
もしかしたら攫われた者が居るかも知れんしな……
どの道今は1人だからここを動けん。明日だな。
明日、巣の探索と余裕が有れば狩りもさせておきたい。
なぜなら、解体を経験出来るからだ。
今の内に生体感知で確認しておこう。
3キロ程度では無いか。4キロ、4,5キロん?反応有り!
3つ、人間の……女か。詳しく見る為に集中する………30代と10代が2人。
1人は弱っているのか?不味いな。生体感知を通常に戻し考える。
可哀そうだがカトリーヌを起こそう。
霊魂でカトリーヌに接触する。
『あれ?御当主さま!ここは魂の世界?どうしたんですかぁ?』
『起きてくれるか、事情が出来た』
『あ、はい。だいじょぶです』
5分後、ワンピース姿に眠そうなカトリーヌがもそもそ出てきた。
「うにゅ、眠たいれす。何かあったんれすかぁ?」
抱き締めて口付けをする。しっかりと。数分後
「っん……ぁ、えと、うれしい、ですけど。ここは、ちょっと………」
「すまん。目が覚めたか?」
「はい。えっと、もっと、欲しいで、す」
「後でな。実はな、生体感知を広げたら遠くに女の反応が3つ有った。1つが弱っているから朝迄待つと遅いかも知れんのでな。俺は救出に向かうから、冒険者の女子を起こしてくれ。
魔物の反応は近くに無いから大丈夫だ。【治癒】元気でたか?後でご褒美をやるから頑張れ」
「はい。がんばります」
「すまんな。身体は冷やすなよ?」
ショートソードを2本下げて、森を走り抜ける。
魔物は一切遭遇しないし気配も無い。感知通りだな、急ぐか。
―――――――少し開けた場所に襤褸い小屋?が有る。あの中か。
ランタンを持ち、小屋を覗くと裸の女が3人横たわっていた。
1人、10代。怪我をしているのか。命に別状は無いが、足の骨が折れている。
治癒を掛けて治し、他2人も治癒を掛ける。毛布を掛けて、一度外に出てみた。
周囲を見渡すが変化は無い。何か大量発生の原因が分かればいいのだが、手掛かりが見当たらん。
骨が散乱している。動物と人間か。男の骨が多いが女の骨も有る。千切れた衣類の残骸が散乱しているが、他に目立って怪しい事は無い。う~む、何か有る筈なのだが、今は戻るか。
中に戻り、毛布で包んだまま2人を肩に乗せ、怪我をしていた娘は包んだまま抱きあげた。
野営地に戻ると男の冒険者達も起きて、カトリーヌから事情を聞いている所だった。
「お前達、すまんな。起こしたか。悪いが女性陣は彼女達の介抱を頼みたい。テントに来てくれ
「「「はい」」」」
風呂に運んで、後は任せる。ジェシカを優しく起こして説明して手伝って貰う。
外に出て、起きた子供達は寝かせて、野生の狼と草原の風の男連中にワインを渡す。
竈の上に鉄板を置いてウインナーや牛肉を転がす
「すまんな。巣が気になって感知を広げたら、遠いが女の反応が有ったのでな。手遅れも嫌だから救出に向かったのだが………人間の骨も転がってはいたが、あの魔物の数では少な過ぎる。発生原因の手掛かりらしきも見当たらん。最近多いらしいが何か変わった事は無いか?」
「そうなんですよ、多いのは実感してます」
「でも何?ってなると………」
「他所でも多いらしいんすよ」
「急に目撃って言うか増える感じで」
「妙だな。急にか………突然増える。突然………ふむ、もしや”混沌の者”が関っているのか?まさかな」
「混沌の者?なんすか?」
「うむ、突如として異界から現れる異形の化け物だ」
「「「「異界?化け物?」」」」
「そうだ。此処とは違う世界から来るらしい」
「違う、世界、そんな物が………」
「ああ、俺も詳しい事は分からんが、師匠にそう聞いた。突如黒い渦が現れ、そこから出て来る。一匹ごとも強力だな。あの邪竜も由来は異界らしい」
「「「邪竜も!!」」」
「あんなのが出て来たらやべえっすよ!」
「それはない。あそこ迄の存在になるには時間が掛かるようだ」
「お、焼けたぞ。つまもう。ま、今直ぐどうこうって事は無いと思うが探索は必要だろう。一応な」
「そうですね。王都にも近いし」
「出来れば野生の狩りと解体を体験させたい。それと探索だな」
「んじゃ、飲んだら仮眠しますか」
「ああ、付近数キロに魔物は居ない。朝迄ノンビリだ」
テントに戻り女性達に話を聞く。
2人は目が覚めて、怯えも落ち着いたみたいだが、1人はまだらしい。
今は3人共寝たとの事なので、クリスティとリサは当番で後はここの空き部屋で寝て貰う。
ジェシカにも礼を言って、キスして眠って貰った。
するとカトリーヌが袖を掴んで
「ごほうび………ほしい、です」
約束なので、俺の部屋に連れて行きたっぷりと口付けを交わす。
「もういいか?」
「服、脱がせて。ください」
「いや添い寝までだ。続きは今度な。今は研修中だ」
「――――はぃ。じゃあ!我慢するので、もっと。欲しいです………」
カトリーヌと口付けを交わしながらベッドに寝かせる。
布団の中で抱き合ってキスをする内にカトリーヌは眠ったようだ。頭を撫でて治癒を掛け部屋を出る。
起きてる女性陣に焼き菓子を出して一緒にお茶を飲む。
「君達が居てくれて助かった」
「私達もメル様が居て助かりますわ」
「ええ。凄いマジックアイテムですね。初めてです」
「女性にはなるべくな。1人の時は使ってなかったからな。今回の様に保護した時位だった」
「メル様はお優しいです。彼女達も幸運でしたわ」
「私にも女扱い。嬉しい」
「出来る事はな。ん?リサは女扱いされないのか?」
「まぁ、可愛らしいのに?」
「ウチの男共はアホです。まあ襲われる事も無いからいいですけど」
「そうねぇ、私も何度か寝込みを襲われたから、それを考えれば安心かもね?そうなんですよメル様。女性冒険者は眠る時も注意が必要なのですわ、まったく」
「そうだな。それで今日は急遽男女別に変えた。初めての野営で襲われてもな」
「そう言う気遣いが女には嬉しいです。普段全く無いので」
「俺はどうにも疎くてな。だから気を付けている。クリスティは立派な淑女だが、リサもキャサリンも可愛らしい女性だがな。む?保護した女性は襲われた形跡は?」
「大丈夫でした、珍しい事に。でも恐怖は染み着くでしょうね」
「本当に珍しいです。何だか不思議ですね、不謹慎ですけど」
「男共とも話したが、突如と言う感じが増えてるらしいな」
「そうですね。そんな気はします」
「怖いわ………何か起きるのかしら」
「今回の小規模では無く、大災害が来ても俺が居る。安心しろ、この国は守ってやる」
「「はい」」
「外を巡回してくる」
テントの外に出て、野営地をゆっくりと一回りする。
見落としが無いか気になるしな。
生体感知に引っ掛かった。これは猪かな?
此方に警戒しながら向かってくる。丁度いいな。
野営地の向こう、森の入り口の木の陰に猪が見えた。
瞬時に走り込んで接近し、殴り飛ばす!
ドンッ!ボス、ゴロゴロ
転がった先で痙攣している猪の足を縄で縛って竈の近くに投げておく。
後は30分毎に巡回して休憩を繰り返し、朝6時にテントに戻った。
先ずはカトリーヌを見に自室へ行き、確認。
ジェシカの部屋に行き、額にキスをして出る。
クリスティとリサは交代してケイティとキャサリンに代わっていた。
「おはようございます、魔人様!快適で助かります」
「あ、おはようございます。彼女達は良く眠っています」
「おはよう、すまんな。女性の方が助かるのでな、茶を飲もう」
「私がお入れします。しかし、凄い数でした。オークキングにも驚きましたし」
「あ~私も行きたかったな~」
「流石に危ないだろう」
「そ~ですけど、興奮しません!?」
「でもキャサリン、50位は居たわよ?私達も疲れたわ」
「オークキング見たかったんです。ぶ~」
「ん?ケイティは茶を入れるのが上手いな。茶菓子にも合う」
「あ、有難う御座います。家庭的が良いかと思って、休日は料理とかばっかりしてますね」
「ケイティさんすごい~私は剣ばっかだもん」
「キャサリンだっていつかは嫁ぐでしょ?やった方がいいわよ?」
「いや~ウチは男扱いなんでついつい……たはは。お相手でも居るんですか?」
「いっ、居る訳無いじゃない!ほら、ウチは下級貴族の爵無しだから、平民感覚で生活しないと大変でしょ?」
「そうですよね~貴族も楽じゃないですもんね。お宝とか掘り当てたいな~」
「ん?ケイティ。父上は何を?」
「城の荷駄馬隊で管理の方です」
「………転職する気は無いか?」
「何か御座います?安年金の使い捨てってぼやいてますから」
「有るのだが、話だけでも出来るか?」
「明日、戻ったら聞いてみます。多分乗り気だと。お返事はお屋敷の方にお届けします」
「すまんな」
で、朝8時。誰も起きて来ない。だろうな。
生徒の解散は2時頃だった。強烈な体験もしているしな。
冒険者も深夜まで戦闘して、寝たと思ったらまた起きてじゃ、疲れが取れんか。
テントに入り、ケイティと食事を作る事にした。
スープとサンドイッチだ。ここだけで11人分か。
調理室を出るとジェシカも起きて来たので、4人で朝食を済ませる。
ケイティは言うだけ有って手慣れていたな。
竈の鉄板で輪切りの牛肉を焼く。
丸パンを切り野菜を乗せて焼けた肉を乗せ、ソースを掛けてパンで挟む。
紙で包んで出来上がり。60個作る。多いな………南瓜を煮込みスープを鍋に作る。
子供達と冒険者の朝飯だ。サービス良すぎかもな。
ケイティとジェシカが出て来て手伝ってくれた。助かる。
「2人共すまんな」
「メル様の為ですから当然ですわ」
「魔人様を手伝うのは当たり前ですから」
「そろそろ起きそうなんでな」
とか言いながら作っていると、女子達と冒険者達が出始めた。
「「「先生おはようございます」
「「おはようございまーす」」
「「「いいにお~い!!あ、おはようございます!」」」
「おはよう、顔を洗って手伝ってくれ」
「あ、は~い!」
「おはようございます。あ、すんません!自分やりますよ!」
「いや、寝坊助を起こしてくれ」
「了解ですっ!」
「おら~~野郎共!起っきろ~!!」
15分後には全員で食べていた。
「うわ~凄く美味しい!」
「南瓜のスープも甘くていいわ!」
「あそこに猪が縛ってあるわ」
「お前達の解体訓練用だ。さっさと食べて身支度整えろよ?今日は狩りと解体だ」
カトリーヌもテントで食事を済ませて出てきたので、身支度させる。
全員が整えて集まる。
「今から狩りだが、全員。ってのは獲物的にも狩猟的にも向かない。
だから”野生の狼”と”草原の風”に2班づつ頼む。2回で8班、残りは俺達が。
で、ここに残る者が出る訳だが、この猪の解体を一緒にやって貰う。
狩りが終われば獲物の解体と晩飯の調理だ。少なければ魚も獲れ。
俺が川で洗う場所を指定したのもその為だ。ああしていれば魚が浅瀬に寄って来る。
では、まずは2班づつな、頼むぞ」
「「「「はい!」」」」「「「「うっす!!」」」」
「よし、まだコイツは生きてる。誰かとどめを刺すんだ。何人でも良いぞ?」
「わ………わたし。やり、やります」
カトリーヌが震えて出て来た。感心だ。
「私も、頑張ります」
「刺します!」
エイミィを先頭に4人の女子が出た。俺の意図が分かったようだ。
「よし、じゃあ短剣を持って刺すんだ。首か胴だ」
「たあ~」ブギィィ~
「えい」ブギギ!
「やあ」ブゴゴ~
「きゃあ!」ブグッ
「うわぁ~」ゴフッ
「良くやった。狩った命に感謝するんだ。俺達は動物も植物も奪った命を糧にして、自分の命を繋いでいるのだ。感謝を忘れるなよ?」
「「「「「はい!」」」」」
「いきなりは無理だから手本を見せる。手順や遣り方を覚えろ。
本来は血抜きと剥がしだが、時間が掛かるから一遍にやってしまうか。こん棒などで首を砕け、それからグラグラの位置に刃を入れて切って行く。俺は一撃で飛ばすんだが、お前達は無理だからな。で、尾と爪は飛ばせ。このフックの様な物が有れば吊るすのに便利だ――――――――」
女子はかなり辛そうだが、慣れて貰わないとな。
男子もちょっと引いている。初めては仕方無いか。
カトリーヌは意外に平気そうだな?
バラバラになった肉を見てなんとも言えない表情だな。自分達もやるのだぞ?
2回目が出て行って1回目の組の成果は小鹿と兎が2匹だった。
バラした肉を調理する。焼肉用と鍋用だ野菜も物資の中から選ばせて準備させる。
鍋は早目に作り始めても問題無いしな。
で、静かに川の洗い場にした浅瀬に近寄る。
中々大きな魚が川底の残飯を餌に寄って来ている。網棒を取り出し、一気に掬う!
6匹入って跳ねている。
「ほら、こんな具合だ。釣りでも突いても良いがな」
10人位に釣りや網漁をやらせておく。
竈に戻り、魚を捌かせて昼の足しにする。肉ばかりも嫌な者も居るだろう。
昼になり、全員戻ったので食事にしよう。
ジェシカも出て来て、調理を手伝ってくれる。
何とか笑顔が戻って食事を楽しんでいるようだな?焼肉班は盛り上がっている。
パンと果実水も配り、野営の食事には充実しているだろう。普段は干し肉と堅パンにワインが多いから。
午後は探索もしたい。狩りが中途でも切り上げるべきだろうな。




