第116話 ゼロの御目見え
どぞどぞ~
翌日は急いで撤収し、朝から王都への帰路に着いた。
途中新街道にあるウチの宿場に寄り昼食。
大人数だから騎士団に先行させて店を確保させた。
まぁ、俺の奢りになったのだがな。
「皆!おつかれだった!休息はちゃんと取れよ?だが、装備の手入れは必ずやっておく様に!
引率してくれた皆に感謝を忘れるな?では解散!」
「「「「「「「「「「ありがとうございました!」」」」」」」」」」
「「「「「「「「「「またお願いします!」」」」」」」」」」
「「「「「「「「「「お疲れ様でした!」」」」」」」」」」
「ギルドの酒場で打ち上げでもするか?」
「「「「「「「「「「賛成!!」」」」」」」」」」
「「「「「「「「「「押忍!!」」」」」」」」」」
「「「「了解です!」」」」
な訳でダンカンも呼んで報告兼飲み会だな。
「お~~う!ご苦労さん!ゴキュ、ゴキュ、プハァ~うめえ!で、問題あったか?」
「無いな。全員無事で解散した。グレゴリーやタムリンの教え方が上手い。安心だな」
「ま、あんなもんじゃろ。子供相手じゃしな。昔は成り立ての子供らが多く死んだ。そんなのは嫌じゃしのお」
「だねぇ。まぁ、見込の有る子も多いよ。メル達のお陰かねぇ。」
「ん?俺が何だ?」
「そりゃあ【魔人】様や【聖女】様への憧れは大きいっすよ!身近に本物が居るんスから
妄想じゃ無くて現実的な目標にはなりますよ」
「そうです。私達だってそうですから。」
「【大魔導】様も凄いです。」
「そうだな。それでこの学校。意義はデカい」
「教える側も遣り甲斐有りますよ?」
「平民は騎士や近衛は無理ですからな。冒険者学校の役割は大きい」
「研修中もゴブリンがでましたね?魔物が増えてる現状で戦力増強にもなります。」
「我等騎士団も限りが有りますからな。子供達の頑張りにも期待したい所では有ります」
「ギルドでも定期討伐数は増えてるからな。嫌な世の中だぜ。
お、そう言やな。新しい都市のギルド長にタムリンの旦那のオーギュストを考えてる。
学校も向こうが開校すりゃタムリンも丁度いいだろ?他の連中も可能な者は移住して貰う。
俺は校長で行く。ここの本部長はナーゲンブルクのギルド長にやって貰う。下話は済んでるからよ」
実りの多い打ち上げだった。
ストラーナのギルド長も決まったし、ダンカンが校長で来てくれる。
ギルドの酒場で行ったのも良かった。
途中から上級冒険者が顔を出して一杯付き合う、現状の報告や要望も意見交換する。
何組か来てはそんな話をしてくれる。
周りで酒盛りしてる連中も、自分達の話に花を咲かせつつ俺達の話も聞いている風だ。
一期生達の仕上がりも中々に評価されている。
そんな酒宴も切り上げ、クワトロ達と雷帝宮に戻り、妻達と触れ合う。
こちらで分裂して仕事を熟す俺達も異常無しだったようだ。
「向こうのメルちゃんも戻ったのね?あの大兎は美味しかったわぁ。定期的に欲しいわねぇ。」
「そう?母さんや妻達が喜んだなら良かったよ。また捕まえて来るさ、父さんにも食べて欲しいしさ」
「いいわね!ゼロも喜ぶわ。お酒は……ワインがいいわね、用意しておきましょうね。」
「はい、シリアお母様。最上級を実家の父に頼んでおきます。」
「ふむ、ストラーナの建設も順調だが、護衛が薄いな。領軍をもう少し回そう。一段落したらドラゴン討伐遠征だな。レスティナの休みに合わせて大森林もだな」
「まぁ、どうされたのですか?」
アーシャが皆を代表で聞いて来たので、レスティナがハーフエルフで実父が大森林の奥地に居る事。
母親の形見を父に渡したい事などを説明してみた。
あそこは人間が立ち入れない領域だから俺が行かなければ難しいんだ。
「そうでしたか……それは確かに行かなければなりませんね。同行はどうされるのですか?」
「うん、折角分裂出来るし暫く旅をしていないからね。陸路でノンビリと思ってる。何人か一緒に行く?ドラゴン討伐はバハムートにも着いて貰うしジェシカは来るだろ?」
「はい!お供致します!」
「何だか楽しそうですね?私もエルフの里には久々に参りたいです。」
すると妻達が、どっちに行く行かないで盛り上がっている。
ま、侍女達も同行するのだろうな。
あれ?妊婦は大丈夫なのか?
「母さん?妊婦は大丈夫?」
「私の守護よ?世界が消滅しても平気よ。」
「………え?あ、ああ。ありがとう………」
母さんの孫可愛さは少し行き過ぎの感が有るけど、有り難いのも事実だな。
カトリーヌも邪神に攻撃されても無事だったし、凄いよな。
「カトリーヌも無事だったし今更か」
「はい、旦那様。全然平気で、元気に育ってます!あ、印刷機を増やしてメイド達にも手伝って貰ってるんですけど、取り敢えずの小冊子は完成して、縫い機も量産中です。
アーシャ様の指示通りに”天の羽衣”と”マダムのお店”に協力して貰って主力品の縫製に入って貰ってますから、ここの貴婦人達への先行体験は何時でも出来ます。
私は同行するなら”む~と”と一緒にですかねぇ。」
「「「「「「「「「「出来たのっ!!見せて!」」」」」」」」」」
「あ、はい………これですね。」
「「「「「「「「「「おおぉ~~!!」」」」」」」」」」
「可愛い表装だし見易いわね。”写真”がメインで解説文が小さくなったのね。」
「これ、アーシャ様やジェシカさん!凄いわ!」
「スタイルも凄く良く見えるし、カッコイイ!」
「あ、私も!恥ずかしいです……」
「コレは中々に素晴らしい出来だ。新しい斬新な本だな?」
「「コレよカティ!!」」
「うんうん。初めてにしては良いんじゃないかしら?頑張ったわねカトリーヌ。」
「そうですわねシリア様?この、”写真”と言う物も凄いですわ。世が変わります!」
「慣れてくれば、もっと良い品になるかと思います。この服を着て映る”モデル”も、妻連合や侍女軍団でやっていければって思ってます。他に頼めないので。
特にソフィアさんが凄く映えるんですよねぇ。其々に写り良い商品との相性も課題ですね。」
う~む。やはりカトリーヌの発想や智恵は凄いな。センスも良いし言う事無しだ。
初めてこの様な本を見たが、良いな。妻達も美しく映っているし、保存版にすべきだ。
まぁ、女性しか見ないであろうから、良いのだが……これは男には身内以外見せられんな。
アーシャやエリダが上手く規制するのだろう。
翌朝、朝の鍛錬と風呂を済ませて居間で寛いでいたら、いつの間にか目の前に父さんが立っていた。
「父さん!」
「ゼロ!」
「「「「「「「「「「義父上様!!!」」」」」」」」」」
〈驚かせたか?〉
「もぅ、来るなら言ってよぉ。私はいつでも逢いたいわよぉ。」
「父さんなら何時でもいいよ!時間有るの?朝食どう?いや、折角だから皆を集めようか………」
「メルちゃん?嬉しいのは分かるけど、落ち着いて。家臣達には……そうね、挨拶位ならいいんじゃない?この先の事も有るし。」
「じゃあ、父さんいいの?」
〈うむ。数時間なら問題無い〉
「じゃあさ、謁見の間に全員集めようか?いや、時間が掛かるよな?」
〈それは我がしてやる、問題無い。メルの僕達を集めるのだな?〉
「うん、ありがと父さん!じゃ、移動しよう―――わっ!のわ!」
〈手間が省けただろう。で、どうするのだ?〉
父さんの力で居間に居た全員が謁見の間に瞬時に飛んでたのにも驚いたが、目の前には既に国内に点在する家臣達が集められていた。
「あ、あ~、皆、朝から済まない!強制的になったようだが、あ、父さん座って?……ここに座るは俺の実父だ!これから宜しく頼む!」
「これこれ。皆の衆?私の夫で全てを司る全知全能神の天照大神よ。地上ではメルの父親のゼロとして振る舞うから宜しくねぇ?粗相はダメよ?私がおしおきしちゃうから。」
「ゼロ様、御当主様筆頭家臣のジェームズ・フォン・アルゼンヒュットで御座います。何卒宜しくお願い申し上げます。皆の衆も良いな!!」
「「「「「「「「「「「「「「「「「「宜しくお願い申し上げます!!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」
〈うむ。我からもメル達を頼むぞ〉
「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「はいっ!!!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」
〈ならば皆で朝食か?〉
父さんが呟いた瞬間に全員にテーブルセットと朝食が現れた!
凄ぇんだが、こんな事に力を使っていいの?
しかも、メニューが其々に違う。
一人一人の好みに合わせた物なんだろうなぁ。
と言うか、凄い人数なのだが、壮観だ!ここ迄一人残らず集まった事が無いからな。
ま、領軍や警備隊は無理だ。万単位になってしまうから。
だが騎士団と魔術師団、役職と爵位持ちは集まってるから大丈夫だろう。
「こうやって、夫婦一緒に居られるのは嬉しいわぁ。メルちゃんも喜んでるしね。」
〈そうだな、我もシリアと居るのは嬉しい。息子も大きくなったし、のんびりと過ごしたいモノだ〉
「そうだよ!別荘も有るし、父さん達の部屋も有るんだ!今度、領内の草原と林に男だけの小屋でも作ろうと思ってたんだ!」
〈そうか。家族で穏やかな暮らしがしたいものだ。息子と林の小屋……良いな、楽しそうだ〉
「あら?男だけ?じゃ、女だけも作ろうかしら?」
「はい、お母様。私達も女の秘密基地でお洒落を楽しむと言うのも良いかと思います。」
「あ、宝石部屋みたいな感じですかぁ?」
「ええ、どうかしら?」
「アーシャ様の案に賛成です。どうですか?シリアお母さん。」
「そうねソニア。アーシャとカトリーヌの案で何処か作りましょ?」
「はい。では妻連合の議題にします。」
あれ?女同士で盛り上がってる?ま、いいか。
俺も父さんと仲良く出来るし、ジェームズやデッカーが乗って来て、秘密の小屋のプランが進んだり。
何か、突然朝食パーティーになってしまったが、皆が笑顔だし仲良く出来るならいいか。
ジェームズを筆頭に主だった家臣達が父さんに挨拶に来て、顔を覚えて貰ったり驚いたり様々だ。
ニルヴァーナ領内の連中は日も浅いのもあったりで、母さんの存在にも驚いているのに父さんの出現で魂が抜けそうな連中が続出だったりな。
気持ちは分からんでもないが……ま、上手くやってくれ。
俺達は父さんと一緒に自分達の居間に戻って寛ぐ。
皆は半日潰して、ここで懇親するらしいから、後で父さんが転移させるらしい。
父さんは全て識っているんだろうけど、俺の言葉で話したいから色々説明したんだ。
其々の拠点に父さん達の部屋を作っている事、別荘やストラーナの話。
学校や生徒達との触れ合いに、周辺国家の動き。
フェルーナとベルナーラも祖父に甘えられて喜んでるし、父さんも膝に乗せて嬉しそうだ。
今度来た時は極上美味の肉をつまみながらワインでも飲もうと約束した。
うん、これが普通の親子の語らいだよな?
俺は嬉しい。早く一緒に暮せる様にならないか待ち遠しい。
でだ。ふと思ったんだが、母さんが言ってた事を思い出すと、父さんが戻るのは邪神との戦い前か後かその辺り。
様は数年時間が有る、その後だ。
だから俺達と邪神との戦いに何らかの鍵が有ると言う事だよな?
それともだ。これもふと、思い出したけど、俺のお陰?で居易いと母さんは言ってた。
なので俺、又は俺達の能力向上か強さが上がる事に関係してるって事。だと思う。
なら父さんも一緒なのかも知れんし。
ま、どうにしろもっと強くならんとな。邪神に勝てないのは確かだ。
カトリーヌも明確な目標を持って向上に努めているし、そう言う事かも知れん。
何せカトリーヌは未来の、母さんと同等の力を持つ神の如き自分との記憶を持っているのだ。
〈メル、お前の思う様にしろ。我も親子で人としての暮らしが楽しみだ〉
「そうだね、色々家族で楽しみたいよ」
「旦那様は本当に嬉しそうです。」
「メルちゃんは甘えん坊ねぇ。」
「ああ、子供の頃は父さんと冒険したかったからさ!」
昼になり、謁見の間に行くと皆が動かずここで騒いでいる。
いや、懇親だな。いつの間にか大所帯になってしまって、家臣達同士が一堂に会する事が無いからな。
父さんのお陰で良い機会が出来たよ。
俺も今後は自発的に機会を作るか。舞踏会もその一つだよな。
皆が個別に会食等を開いてくれても良いのだが。
〈皆の衆、動くな〉
父さんが言葉を発した途端に丸テーブルと料理が無数に現れた!
〈昼食後に送ってやる。楽しめ〉
「ゼロ様、有り難く存じます。皆も感謝せよ!」
「「「「「「「「「「「「「「「有難う御座います!!」」」」」」」」」」」」」」」
「「「「「「「「「「感謝致します!!」」」」」」」」」」
「流石は父さん。有り難く頂くけど、これって丁度食べたかったんだよ」
「私もよぉ。ありがとねゼロ。」
〈うむ、造作も無い〉
「「「「「「「「「「義父上様、頂きます。」」」」」」」」」」
昼食も雑談しながらだが、俺は勿論だけど母さんも幸せそうで、俺も嬉しい。
アーシャ達妻連合も父さんに大分慣れて来たようだし安心だな。
娘2人に侍女軍団、デッカー達も打ち解けて来たし、色々と順調だ。
仕事の予定を細かく決めながら、旅とドラゴン討伐訓練、舞踏会、等も組んで行こう。その前に収穫祭か。
目白押しだが充実しているし、婦人会の出店準備も任せているが問題無い様子だ。いや、少し手伝うか?
母さんも居るけど表舞台に立たないからな。セバスも随分やれているし、統括を少しづつ見させよう。
食後は家臣上位者が改めて父さんに挨拶して、父さんの”力”で戻して貰った。
会場の片付けもね?
そうして父さんは銀色の粒子になって消えた。
少し寂しいが、やる事は多い。頑張ろう!
メルの父親、全能神。どうですか?
親子のお話や、其々に焦点を当てたお話も考えています。
考えているだけだったり…(笑)
それにしてもあっつい毎日ですね?
皆様は干からびていませんか?
水分と睡眠は大事です!
コロナも連日大勢の方が罹患されてますが、軽症や無症状が多いのが救いですね。
皆様も体調には気を付けてくださいまし。
あちしはボチボチって感じですね。
もっと進みを良くしたいです!
ご意見ご感想を、お待ちしております。
さら




