第109話 私はカトリーヌ
会議後、貴族の婦人達にドレス等のことで詰め寄られたから、アーシャ達を呼んだのだが…
「あら、皆さんお揃いでお疲れ様でした。ジェームズもフェルナンドも苦労かけますね。」
「「いえ、家臣として当然の事ですので」」
「いや、アーシャの彼女達が攻撃をカトリーヌのバハムートに、何言ってるか分からん」
「「まぁ、旦那様ったら。うふふふ。」」
「どうしたのですか?旦那様。」
「今は私とソニアさんアウラさんカトリーヌが一緒に居たのですが宜しいですか?」
「ああ、構わない。彼女達が皆のドレスや服を密かに欲していたらしくてさ」
「「「「「「「「そうです!」」」」」」」」
「そうでしたの。もう少し待って頂けるかしら?私達妻連合でお店を立ち上げまして、そこで販売を考えておりますの。」
「「「「もう少しっていつですの!」」」」
「「デザインは!?お値段は!?」」
「「お店は何方に!!」」
「えぇ~~っと、お、王都と、ここですわ。取り敢えず。」
「時期は………」
「商品は………」
「王都とバハムートの街に予定していて、様子を見ながら順次、各領内の街に出店を計画中なのです。
糸は勿論、生地もデザインも既存に無い新しい物ばかりで、化粧品や女性の為の工夫された品々が商品として並ぶ予定です。
時期はもう少し、としか言えませんから………そうですね、三週間程待って下さい。大まかな商品を載せた本をお見せしますね?その時に先行体験者として意見等も欲しいので下着の試着をお願いします。どうですか?」
「「「「「「「「是非!待ってるわ!カトリーヌ様!」」」」」」」」
「ふう。一難去ったが」
「カトリーヌ?助かりましが大丈夫なの?」
「本って大変じゃないかしら。」
「そうですわ。只でさえ多忙だったのに。」
「学校も終わるので平気です。それに
前から本。って言うか”印刷”物の事は気になってて、構想は出来ていたんです。
ただ、時期をどうしようか迷っていたんですね。
あ、お母様には承諾済で、私に任せるっておっしゃってたので。」
「印刷って何かしら?」
「うむ。聞き慣れない言葉だな」
「えっとぉ。本の現在って言うか、文字が書かれた物って現存する物含めて全て手書きですよね?それだと重労働だし、大量にってどうしても無理があって高価になります。
そこで考えたのが、”印刷”です。
考案した仕組みを使えば…見て貰った方が早いですね。よいしょっと。
えと、コレなんですけどぉ、この先端に文字が掘って有りますよね?
これ等を並べて~ほら、文章になります。
この繰り返しで一ページ、二ページと増やして本になります。
で、この”インク”をセットして、動かすとこのページが千枚でも一万枚でも労無く刷れます。この”機械”の動力は魔石です。
実はもう一種類有って、此方は転写式なんです。こうやって紙に文字と絵を描きます。
サラサラ~っと。で、この紙に乗せてローラーに通すと…はい、出来上がりです。」
「「「「「「「「「「おお~~!!」」」」」」」」」」
「ただ、転写式はお手軽なんですけど、描いた”インク”と”紙”が特殊で高くなってしまうんですね。
そこが今後の課題かなって。写真機も考えてはいるけど、まだ早いのかなぁ……」
「これは凄いぞ!本が今迄より身近になる!」
「配布物もより早く楽になります!」
「「「「凄いの一言よ!」」」」
「「でかしたわ!カティ!」」
「「「「この発想がどこから出るのでしょう!」」」」
「え?出ませんかぁ?」
「「「「「「「「「「出ないわよ!」」」」」」」」」」
「ああ、お前は特殊だカトリーヌ。だが母さんのお墨付きなら問題無いのだろう。凄いぞ!」
「本当に。これはこれで印刷、だったかしら?これ専門にこなす職にもなるのではないかしら。」
「そうねアーシャさん。そういった職に出来れば世界に文字が増えて識字率も上がるわ。」
「学校の教材に本を配れば効率的だし理解もましますね。」
「特に魔法書は少なく貴重なので、本が増えるのは期待が大きいです。」
「是非!カトリーヌさんに魔法書を纏めて貰わないと!後世に残すべき知識です!」
「魔法書は少しずつ纏めているんです。其々の属性と六大属性=六芒星魔法。原初魔法、魔法そのものの成り立ちと根源についてですね。
この”印刷”を考えたのは、私やフローネさんソニアさんは良く本を読むので、何とかしたかったんです。
それと私達のお店の品を紹介する配布物。って言うか小冊子に纏めて購入して貰うんです。遠くの人だと直ぐお店に来るって難しいと思うし、開店前に貴族女性と冒険者女性に見て貰って反応を見るのに一役買えるかなって思って。どうでしょう?」
「良い考えだと思うわ。私も宣伝をどうしようか考えていたから解決出来そうね。」
「小冊子。いいわね?いいと思う。」
「でも字はいいけど、服や小物をどうやって紙に?」
「それなんですけど、暫くは絵での紹介に詳細説明文って感じかなと。
写真機が実用すればそれを載せるんですけど、まだ悩んでいるんです。」
「写真機とは何だ?」
「「カティ!!カメラね!?」」
「ん~っと、言葉では難しいですけど……機械を使って景色や人、の姿形を像として切り取る。って感じでしょうか?例えば今、この皆で居る姿。瞬間を切り取って、紙に残すんです。
実際にやってみましょうか?試作機はこの一台しか無いので”台紙”も数が無いんですけど。
じゃあ、皆さんで並んで下さい。あ、二列かな?ソファーに座る人と後ろに立つ人で。
そうです。そんな感じです。いいですかぁ?私も入って、うんしょ。線を伸ばして………
いいですか?じっとしてください。せ~の!(カチン)これでいいです。
で、この台紙を薬液に付けて乾かすと………出来ました。皆さんで見てくださいね~」
「「「「「「「「「「なんじゃこりゃ~~!!」」」」」」」」」」
「どうなってるの!」
「空間を切り取ったのか!」
「た、魂が………」
「新たな魔法!!!」
「え、え、私がここで、私達があっちで」
「何!?何なの!?どうなってるの!?」
「カトリーヌちゃんが。神になってしまったわ…」
「私ってこんな顔!!」
「私が二人・二人・二人…」
「うんうん。写真よアルテ!」
「遂にこの発想が来たわね。で、どうするの?」
「悩んでいるんです。暫くはいいと思うんです。便利だし。
でも、必ず悪用する人が出て来ますから。でも対処が不可能だし。」
「暫くはカトリーヌの魔法。で通せば良いのでは無いか?
それなら他に望まれても無理だと言える。後に同じ発想の持ち主が現れればそれこそ止め様が無い。
時期を見て世に普及させるか、封印するかは母さんと相談すればいいと思うが」
「………そうですね、そうします。こうなってくると縫い機を急がなきゃ。」
「カトリーヌ?ぬいき?とは何?」
「はい。魔石の力で自動で動く、縫う機械です。大量に生産するのは勿論
試作やちょっとした縫物でも簡単に出来る様にです。」
「「おお~ミシンね。」」
「?それは便利で捗りそうね。」
「談義も尽きないだろうが、風呂に行かないか?」
「「「「「「「「「「はいっ!旦那様。」」」」」」」」」」
う~ん。可愛い妻達と気持ちのいい風呂!最高だ~
これを毎日維持管理してくれる使用人達にも感謝だな。
そう、感謝の心を忘れちゃいかんな、うん。
「やはり風呂はいい、命の洗濯とは名言だな。バスメイドや下男にも感謝だ。
カトリーヌのおかげで雑排水の再利用が可能になって、水の使用にも壁が低くなったし
街の民達もその内毎日使える様になる。素晴らしい事だ」
「そうですね、旦那様。民の生活が少しでも豊かに、便利に清潔に。喜ばしい事です。」
「カトリーヌちゃんは本当に凄い娘ねぇ。」
「そうねアルテ。カティの智恵と努力には頭が下がるわ~」
そのカトリーヌは、ソニアやエイミィ、ジェシカ達とキャッキャッと騒いでいる。
明るくなって充実した毎日。災厄には苦労したが何とか乗り越え………
あれからカトリーヌの種族が”現世の命”から変わっていない。
どうなっているのだ?と言うか何者なのだ?
それにあの光。彼女。
あれは恐らくだが”違うカトリーヌ”だと思う。
だが、纏う聖力が母さん並みだった。
「カトリーヌ?ちょっといいか?」
「ふぁい。なんですかぁ?」
湯の中をジャブジャブと近付いて来たカトリーヌを見る。
ステータスを確認したが、やはり種族以外に変化も変調も無い。
「最近、いや、あれ以降変わった事は無いのか?」
「ふぇ?何も無いですよぅ?どうしたんですかぁ?」
「う、うむ。まあ、何だ。無いならいいが………」
「………カトリーヌ。多分、旦那様は貴女が心配なのよ。
貴女と雷帝竜様が邪神に貫かれてから、何て言うか、少し、変わったって言うのか。
皆も本当は気になっていると思うの。”あの光の筋”と”あの女性”が。
ガイアさんとアルテさんはご存じなの?」
「「「「「「「「「「気になってます!!」」」」」」」」」」
「だって心配だったんだもの。長い戦闘だったし。」
「邪神に何かされたんじゃないかって。」
「理解不能な存在だから影響が。」
「お母様の緘口令で聞きそびれちゃって。」
「何が起きたのかさっぱりなので心配なんですよ?」
「そうだな。種族と言い、変化がな。ガイアとアルテは?」
「カティが半魔人に覚醒する以外は知りません。でも………」
「何と無く、察しは付いているわ。」
「でも、言えない。そうなのですね?」
「「ええ。ごめんなさいね。」」
「皆さん、有難う御座います。私はちゃんと覚えてますよ。”わたし”の事。
混乱するかも知れませんけど、言える範囲ギリギリで伝えます。
私とむ~とが貫かれて、即死では無いけど瀕死でした。
だから直ぐに第四形態を開放しようとしてたんです。そしたら」
「彼女が降りて来た」
”こくん”
「あの間、私達はお話してたのです。
彼女は………こことは違う世界、違う時間軸の未来のわたしなんです。」
「「「「「「「「「「ええぇぇ~~!!」」」」」」」」」」
「「やっぱりねぇ」」
「未来!?違う世界だと!それは、いや、続けてくれ」
「はい。第四形態を開放すれば、邪神を追い払う位なら出来たとは思います。
でも”わたし”は、ここやその又違う世界の私が不憫で思わず助けに入ったの。
本来の目的は違います。私に”私達”の記憶を渡す為です。」
「記憶?それは重要と言う事よね?」
「そこにどんな意味が有るんだ?」
「それはまだ言えません。
ただ、その記憶が蘇った為に全てが分かってしまったんです。
この世界。ゼロ様とシリア様の目的。邪神。そして私達。
あ、のぼせちゃいますから、上がってからにしますかぁ?」
カトリーヌの提案で一旦風呂から出て、寝支度を済ませて俺の居間に集まった。
当然、其々が好きな酒を片手にな。
「えっとぉ、何処迄だったかな?あ、
多分なんですけど、シリアお母様は邪神と戦う前に旦那様をW・M・Sへ連れて行くと思うんですね。
そこで全てをお話してくれると思うんです。
だから………私の事もその時でないと言えないんです。
私の記憶はゼロ様とシリアお母様にも関係するので………
ここから先は、どれか一つでも話すと全てに繋がって行くんです。
それを話すとゼロ様が選んだ結果から動いてしまう可能性が高いので
ゼロ様の御手を煩わせる事は出来ないんです。
ガイアさんとアルテさん、他の神僕の方達もシリアお母様から伝えられて、世界を導くお手伝いをしてたと思います。」
「「そんな事迄知ってるの!?」」
「でも、そのお話。と言うか世界に、私は居なかったと思います。
いえ、意図的に伝えられて無いって事でしょうか。
アルテさんの推測の”秘匿された過去”の世界の更に過去。遥か未来に私が居るから、
結果的に話せなかったんだと思います。
ただ、、私はわたしです。カトリーヌなんです。だから、安心してください。
それから、これだけは。
ここに居る妻連合は全員、邪神との戦いに参加します。」
「「「「「「「「「「「「はあぁ~~~?」」」」」」」」」」」」
「アーシャ様やガイアさんは分かるわよ?」
「アウラさんとソニアさんも。」
「なんで」
「役に立たない」
「私達まで」
「参戦なの?」
「足手纏い」
「じゃないかしら?」
「それはお母様の御意思。と言う事?」
「それとも父さんか?」
「両方、と言えますけど、多分、わたしです。ごめんなさい。
でも、理由は言えません。対邪神戦迄は。
その時に皆さんも全てを理解する筈です。自分が、自分達が何なのか。
この世界と私達を。」
「そぅ。仕方無いわね。では時が満ちるのを待つしか無いわね。
ですが、自己鍛錬は欠かせませんし、目の前の仕事も熟さなくてはね。
皆さんも聞きたい事は有るでしょうけど、カトリーヌはギリギリ話せる処迄を話たのですから
これ以上はダメですよ?困らせる事になりますから。」
「すみませんですぅ。」
「カトリーヌ?私達にも役割が有るって事なのね?」
「そうです。」
「荒事って未経験だけど、剣でも振ってみようかしら?」
「私は槍かしら?」
「モーニングスターって振ってみたかったのです。」
「じゃ、私は女王様の鞭なのかしら?」
「では、奥様の様に両手にバトルアックスで挑みます。」
「え?ミレーヌは危ないから。」
「そんな!私にも役割下さいませ!」
「「「「「「「「「「侍女軍団にも!」」」」」」」」」」
「みんな~無茶だよ~」
暖かくなったり、寒くなったり…
持病が悪化しそうで怖いあちしです。
皆様も体調にはお気をつけくださいね?
先日。夜遅くに買い物から帰って来た時の事です。
自室があるマンション(小さい)
の近く迄帰って来た時なんですが、ふと。
あれ?後ろの男性ずっと着いて来てる?
怖くなってゆっくり歩きながら様子を窺っていたのだけど
向こうもゆっくりになって…
もうマンションの入り口。どうしよ…本気で怖いんですけど。
私が入ると。な、なんと!
男性も入って来るのです!!
やべ~!ダッシュで階段を上がり自室の鍵を開け中に滑りこんで
そ~っと、窺っていたら…
上の階の住人さんでした(笑)
ただ、最近変な人が多いのか?
近所の路地に警察官の人がチラホラ立ってるんです。
世の中物騒ですから皆様も用心して下さいね?
御意見・御感想、お待ちしております。
さら




