外伝:姫内とカナリア
姫内、異世界転生!
「は、初めまして」
凄い……機械なのかな? でも機械にしては凄い錆びてるな。
「自分はカナリアと言います。あなたは?」
「私は、姫内って言う」
「ヒメウチ? 人族では主流なのですか?」
人族? 人間のことか。まぁ日本では主流なのかな。
「あ、それよりここはどこなの?」
日本で思い出したけど、ここはどこなんだろう。
東京ではないだろうしな。
「ここは聖王領のパルナという所ですよ」
聖王領……全く聞き覚えのない場所だな。
それにパルナって……海外にありそうな地名だな。
「そうなのか」
「それでは次は私の質問です。……あなたはどうやってここにやってきたのですか?」
カナリアが睨みつけるように私のことを見る。
もしかしてここは立ち入り禁止なのか。
「信じて貰えないかもしれないけど……知らないうちにここにいた」
こういう時は真実を言おう。
変に嘘をつくよりマシだろう。
「知らないうちに、ですか」
うーん。
言い訳にしては……無理があるよな。
まぁ言い訳ではないのだけど。
「……面白いですね。面白いので信じます」
カナリアは……ニコッと笑った。
これを……信じるのか。
「まぁ私は兵隊ではないので、聖王軍に報告したりしませんよ」
聖王軍……軍隊か。
本当に日本ではないのかもしれないな。
「あ、そんなに身構えないでください。……せっかくなのでちょっと話しませんか? 話し相手がいなくて退屈していたので」
話し相手がいないのか。
私と似ているな。
「いいぞ」
「本当ですか! 断られたらどうしようかと思いました」
あぁ、凄い分かるな。
「話すと言っても……なにか話題でもあるのか?」
「そうですね……まずは自己紹介でもしましょうか」
そこから、私とカナリアの会話が始まった。
「まず、自分はカナリアと言います。種族は機天使です」
「機天使?」
「はい。自分みたいに体が機械の種族のことです」
種族か。
私は人間でいいのかな?
「私は姫内 花です。種族? は人間かな?」
「ではヒメウチさん……何を話しましょうか」
そうだな。
次は私から話しかけなくては行けないな。
「カナリア、ちょっと聞きたいことがあるのだけど」
「なんですか?」
私はカナリアにこのパルナという場所について聞いた。
「つまりパルナとは聖王領で……戦争に反対する人達の集まりなのか」
カナリアは一つ一つ丁寧に教えてくれた。
そして私は……ここが異世界だと気づいた。
そう言えば私って自転車に轢かれたのを覚えてるし。
創造者ってやつがなんかそんなことを言っていたような気がするし。
「しかし、なぜヒメウチさんがここにいたのか何となくわかりましたよ。……不思議なこともあるんですね」
さて、私はどうしようか。
あいにくバックは私の手元にないからお金がないしな。
「ヒメウチさん。一つ提案があるんですが」
「なに?」
「もしよろしければ、私達の村に来ませんか?」
パルナという所は魔王軍というのと戦争するのが嫌という人達の集落ってカナリアは言っていたな。
村……か。
ずっと東京で暮らしていたしな。
第二の人生は田舎暮らしというのもいいだろう。
「私が行っても大丈夫なのか?」
「多分問題ないですよ」
どうせ宿無しなのだから……行くだけ行ってみようかな。
「なら、行こうかな」
「なら早速行きましょう」
そして私はカナリアに連れられて……パルナの村に行くのだった。




