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遭遇戦2

ノルマまで残り2体ですよ!

「さて……そろそろ行きますか」


 俺は弁当箱をフィルが持ってきてくれた風呂敷のようなものに包んで立ち上がった。


「そうだな……フィルとは逆に進んでみるか」


 俺は何となくでフィルと逆の方向に進むことにした。







「お、またスライムだ」


 俺の前をゆっくりと歩くスライムを発見したので俺はばれないように後ろに近づいて……スライムを攻撃した。


「これで三体か……てかこのスライムってどうやって調味料にするんだろう」


 このままスライムだけを倒していたいな。


 俺がそう思った時。



 ”グルルルル!!”


 狼のような見た目をした……たしかアンガー・ウルフだったけな。


 昨日の炒め物の肉なのか。


「なぁ……二体同時に来るのは酷くない?」


 まぁ一気にノルマ達成するけどさぁ。


 ”グルルルル!!”


 アンガー・ウルフ二体が俺に向かって走ってきた。






「触手君! 君は右で!」


 俺は右肩から伸びている嘘つきの継承者(ライアー・セスル)を使用したら生えてきた触手君に右から襲ってくるアンガー・ウルフのことを任せた。


 触手君は頷くようにくねくねと動いた。


 左からくる奴は……俺がやらなきゃな。


 俺はメイスを握りしめる。


 ”グルルルル!!”


 二体のアンガー・ウルフが左右から同時に噛みつこうとしてくる。


「っつ! らぁぁぁぁぁ!」


 俺は両手で握ったメイスを力任せに振る。


 するとたまたまかアンガー・ウルフの頭に直撃する。


 ”グルラ……”


 一体は沈黙した。


「っつ!! 痛ってぇな」


 両手でメイスを振ったせいか、右肩から生えている触手君は右からくるアンガー・ウルフの攻撃を防げなかった。


 俺はすぐに後ろに引いた。


 脇腹に掠っただけとはいえ……めちゃくちゃ痛いな。


 アンガー・ウルフに噛み付かれた右の脇腹から血が出てきた。


 致命傷ではないのだろうが、とりあえず痛い。


 ってか右上のHPのバーが減ってるな。


 ”グルルルル!!”


 アンガー・ウルフは攻撃の手を休めないで俺に突っ込んでくる。


「あああ!」


 俺はメイスを力いっぱい振る。


 しかし脇腹のダメージがでかいのか……態勢を崩してしまう。


 ”グルルルル!!”


 アンガー・ウルフが俺のことを噛みつこうとしてくる。


 その寸でのところで触手君が鞭のようにアンガー・ウルフの顔をひっぱたく。


 おかげで俺は噛みつかれずにすんだ。


「っつ……こんな時にギターとかあればな」


 まぁないものねだりだけど。


 俺は気合を入れなおしてメイスを力強く握る。


「さて、やるか」


 ”グルルルル!!”


 アンガー・ウルフはまた一直線に突っ込んでくる。


「らぁ!」


 メイスを薙ぎ払うように振る。


 しかし、アンガー・ウルフに当たることはなかった。


 それを読んでいたかのように触手君がアンガー・ウルフのことを叩いてひるませる。


「今だ!」


 俺はアンガー・ウルフの頭をメイスで思いっきり叩いた。


 ”グルラ……”


 アンガー・ウルフを何とか倒した。


 するとアンガー・ウルフの体から出ていた黒い靄がやんだ。


「これは……倒した証なのかな」


「ええ。そうですよカミシロ様」


 ロペさんがニッコリと笑って俺の後ろに立っていた。


「ほんと、急に出てきますね」


 てか……傷が痛い。







「おや? 傷を負いましたか」


 ロペさんが俺の傷に気づいてくれた。


 アドレナリンが切れてきたからか、どんどん痛くなってる。


「あれ? カミシロ? って血が出てる!」


「フィルもいつの間に」


「ちょっと待ってて……回復(ヒール)


 フィルがそうつぶやくと、俺の傷口が薄緑に光った。


 そして……少し経ったら光は消えた。


 なんか、まだ痛いけど出血は止まったのかな? そんな感じがする。


「まだうまく使えないけど、痛くない?」


 フィルは俺の所に来て傷口を調べる。


「ああ、大丈夫だから心配しなくてもいいよ」


 ちゃんと右上のバーも回復してるなぁ。


「あんまり怪我とかしちゃだめだよ!」


 フィルが珍しく怒っているような。


 俺も怪我したかったわけじゃないけど。


「そうだな、気を付けないとな」


「それでカミシロ様。その黒いものは?」


 ロペさんは俺の右肩から生えている触手君のことをジッと見ている。


「どうやらこれが嘘つきの奴みたいです」


「今回は触手なんですね。ちなみに私は剣ですよ」


 えー、そっちの方がかっこいいな。


 そういえば、この触手をぼちぼち消したいんだけどな。


 ―—スキル嘘つきの継承者(ライアー・セスル)の使用を中止しますか?


 ―—YES/NO


 うん、YESで。


 すると触手君は俺の右肩から抜け落ちるように消滅してしまった。


「こんな消え方なのか」


「私のもそんな感じですよ」


 ありがとう触手君。


 死んだわけではないんだろうけど。


「さて。カミシロ様が怪我しているみたいですし、今日は帰りましょうか」


「そうだね! 安静にしてないとね」


「うーん、そうだね」


 確かに痛いしな。なんか異世界舐めてたかも。


「それでは……瞬間移動(テレポート)

 

 俺達は眩い光に包まれた。

次はギター出てくるから!



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