遭遇戦
神代……初めてのソロ戦闘
”アア……アア”
ゲームなどで出てくるゴブリンのようか姿……まぁこっちの世界でもゴブリンと言うのだけどね。
緑の肌をしているしなぁ。本当にそっくりだな。
「やるしか……ないよな」
てかなんで鈍器で戦うんだろう。銃とかあれば多少罪悪感は……
”アアアア!”
ゴブリンのようなモンスターが俺をめがけて突っ込んでくる。
「っつ!」
俺は向かって来るゴブリンのようなモンスターの頭をめがけて横にメイスを振る。
しかし、ゴブリンのようなモンスターは上にジャンプして回避した。
”アアアア!”
尖った歯が特徴的な口を開けて……噛みつこうとしてくる。
あれは……痛いじゃすまないような。
―—スキル嘘つきの継承者を使用しますか?
え? わかんないけど使う!
―—了解しました
すると……俺の肩に再び痛む。
やっぱりなんにも起きないのか……ってかMPのバーがそこそこ減ったなぁ。
あー、噛まれたくないな。
ゴブリンのようなモンスターが俺の頭を噛みつく瞬間、俺の右肩から黒くて細い何かが出てきた。
黒い何かはゴブリンのようなモンスターの頭に絡みついて、そのまま投げ飛ばした。
「な、なんだこれ?」
俺の肩から伸びてるし……触手みたいだな。
”アア、アアア”
ゴブリンのようなモンスター……ゴブリンもどきは痛そうにうめき声をあげている。
そして俺を睨みつけ……殺気のようなものを感じる。
”アア、アアアア!”
ゴブリンもどきがまた走って俺の方に向かってくる。
「逃げてくれればいいのにな」
俺はメイスを構えて覚悟を決める。
”アアアア!”
「っつ!」
なんだろう……本気で俺を殺そうとしてるのがわかる。
本当に……やらなきゃやられるってやつか。
「うおお!」
俺はメイスを真上から振り下ろす。
しかし……右に移動されてよけられてしまった。
「っとここだ!」
俺は空振って地面についたメイスを右に向かって薙ぎ払う。
当たったか?
ゴブリンもどきは……どうやら一度後ろに後退して回避したようだ。
くそ……こうなったら、いくんだ! 触手!
俺は動くかわからない黒い触手に命令してみた。
すると触手は……ゴブリンもどきが俺のことを噛む前にしっかりと、人間の心臓がある左の胸を貫いた。
”アア……”
そしてゴブリンもどきは……動かなくなった。
「なんか……わるいことをしたな」
黒い触手はゴブリンもどきの胸から帰ってくる。
血とかは出ていないが……やっぱりよくないな。
「せめてお墓でも作ろうかな」
俺はメイスで穴を掘っていると、
”アア”
”アアアア”
遠くからゴブリンもどきの声が聞こえた。
そしてだんだん近づいてくる。
「やばいかもな。……こいつには悪いけど逃げるか」
俺はメイスを持って声がする反対側に逃げて行った。
「しかしなぁ……この触手いつまで出てるんだろう」
俺の右肩には……黒い何かが生えてきている。
とても細く長さは……そんなに長くないな。
俺の右肩でずっとくねくねしている。
なんだろう、こいつってずっと生えたまんまなのかな。
でもこいつって見た目は細いけど、かなり力はあるみたいなんだよな。
さっきのゴブリンもどきを空中とはいえ投げ飛ばしたしな。
って……あこゴブリンのこと考えたら悲しくなってくるな、もっと楽しいこと考えよう。
「しかしなぁ。後四体か」
まぁ律義に倒す必要はないんだけど。
次はスライムとかそういうやつを倒そう。
俺がそんなことを考えながら歩いていると……ちょうどよくスライムが一体道を横切っていた。
気づいてないなら……奇襲でなんとかなるか。
俺はこっそりスライムの後ろにいって……メイスを振り下ろした。
なんだろう……水風船を割ったような感じがする。
ってか俺、これを最近調味料で使ったんだよな。
「あ、カミシロ!」
すると後ろからフィルに声をかけられた。
「あ、フィル」
「さっきロペさんがお弁当を渡しに来てくれてね。もう一体倒したんでしょ? すごいね」
そういえば昨日の余った炒め物を弁当にしてくれてたな。
「せっかくだし食べようか」
「うん!」
俺はフィルとお昼にすることにした。
俺はフィルから弁当箱を受けとった。
中は昨日の炒め物と白米のような……この世界ではマイと呼ぶみたいだけど。
半分がマイで半分が昨日の炒め物だった。
「ねえカミシロ。その肩についてる奴はなに?」
フィルは俺の肩から出てる黒い触手……触手君と呼ぼう。
触手君を指さしていた。
「これ? 俺もよくわからないんだけど、新しいスキルみたい」
俺がそう説明すると触手君は小躍りするようにくねくねと動いた。
もしかしたら意思疎通ができるのかもしれないな。
「へぇ、カミシロって相変わらず面白いね」
「俺が面白い? そうかな」
俺はバンドやってる割には地味だよねってバンドやってないやつに言われまっくたから新鮮だな。
「だって変なスキルばっかり持ってるし! それにあのギター? だっけ、あれもすごいしね」
「そうか、ありがとう」
「なにがありがとうなのかわからないけど、どういたしまして!」
フィルはそういって二パッと笑った。
やっぱりギターを褒められるのはうれしいな。
「そういえばフィルは何体モンスターを倒したんだ?」
「私は二十三体だよ」
……多いな。
「すごいね」
「今日は頑張ってるからね!」
俺とフィルはそんな他愛のない話をしているうちにお昼を食べ終わってしまった。
「よし! カミシロ! どっちが先に終わるか競争しよ!」
フィルはそう言ってお昼ご飯を食べた後、弁当箱を持って森の奥へと行ってしまった。
「別にやるとは言ってないけど、まぁいいか」
俺は少しゆっくりしてから行くか。
そう思っていると、触手君が俺の弁当の残りに凄く反応していた。
「もしかして……食べたいのか?」
すると触手君は頷くように上下する。
「ならほら」
俺は右肩の近くに弁当箱を近づける。
すると触手君は先端でつつくようにマイを食べ始めた。
「……これってずっとついているのかな」
強いからうれしいけど……つきっぱなしはやだなぁ。
ギターが出てこない事件……
そろそろ何やるか決めるかなぁ




