―3話
3話でーす!
響希が紙の上に十円玉を置く。その上に私たちは人差し指を置く。窓から風が少し吹き込んだ。
「コックリさん、コックリさん、おいでください」
私たちは声を揃えていうと十円玉は少しずつすすす…と音をたてて動き出した。最初は誰かが動かしているのかと思ったら、陽加は怖いものが嫌いだし、多分その場のノリでやりたいと言ったのだろう。顔が真っ青になっている。響希は寧ろ、わくわくしている。オカルト現象が好きな響希が動かす訳がない。もちろん、私も動かしていない。
そしてだんだん怖くなってきたころに十円玉は“はい”の方に到着した。
そしてひとりずつ質問をする。
まずは響希からだ。
「この中に、彼氏がいるひとはいますか?」
すると十円玉は右に動き出し、“い”で止まると次は左に動き“る”で止まった。
全員びっくりしている。勿論、私ではない。
次の質問は陽加だ。
「…私は、嫌われてますか?」
その声は微かに震えていた。私と響希はその質問にびっくりしたが。
もちろん“いいえ”だった。寧ろ、陽加は好かれている方だ。陽加は安堵の表情だった。
最後は私。
生ぬるい空気を吸って言葉を発した。
「陽加の…七瀬陽加の彼氏と、雨宮響希の好きなひとを教えてください」
二人とも、びっくりしてるよね。でも、知ってるんだ。二人の秘密。
十円玉は順番に
“ひ び き は あ ず ま よ う へ い”
“は る か は の だ え い き“
と動いた。本当なのか二人の顔を見ると響希は目が点、陽加は真っ青だ。
「…コックリさん、コックリさん、お戻りください」
私が声を出すと二人も揃えてきた。
やがて十円玉は鳥居に戻った。そしてみんな同時に手を離す。
「結衣、何であんなこと聞いたの!?」
「結衣…まぁ教えるつもりだったけど」
「さぁ、何でだろう」
「ふざけないでよ」
「ふざけてない、理由は…ね…」
「言わなくていい」
誰かわからない声が窓から聞こえた。
多分次回完結……?笑
読んでくださってありがとうございます!




