表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
2/2

# 第二話 ## 「エルフ少女、人生初のかき氷を食べる」

# 第二話


## 「エルフ少女、人生初のかき氷を食べる」


翌朝。


悠人は市場の隅で腕を組んでいた。


「問題は……どうやって作るかだな。」


かき氷を売ると言ったものの、道具がない。


氷を削る機械もない。


お金もない。


異世界に来て二日目の少年にあるのは、知識だけだった。


---


「おはようございます!」


元気な声が聞こえる。


ルナだった。


今日も銀髪が朝日に輝いている。


「おう。」


「本当にやるんですね?」


「もちろん。」


「かきごおり屋さん!」


ルナはなぜか楽しそうだった。


---


二人は昨日の老人を探した。


市場の奥。


魔法で氷を作っていた老人だ。


「じいさん!」


「誰がじいさんじゃ。」


老人は眉をひそめる。


「ワシにはエルドという立派な名前がある。」


「ごめん。」


「まあよい。」


---


悠人は頭を下げた。


「氷を分けてください!」


「断る。」


即答だった。


---


「早っ!」


「氷は貴重品じゃ。」


「ですよね……」


---


するとルナが前に出た。


「エルドさん。」


「なんじゃ。」


「お願いです。」


ぺこり。


深く頭を下げる。


---


老人は困った顔をした。


「お前さんには弱いんじゃよ……」


どうやら知り合いらしい。


---


結局。


小さな氷の塊をもらうことができた。


「ありがとう!」


「失敗したら返せ。」


「無理だろ。」


---


広場の隅。


悠人はナイフを取り出した。


氷を削る。


ガリ。


ガリ。


ガリ。


---


ルナが不安そうに見ている。


「それで何になるんです?」


「見てろ。」


---


氷が山のように積み上がる。


そこへ市場で買った果実を絞る。


赤い果汁。


甘い香り。


---


ルナの鼻がぴくりと動いた。


「いい匂い……」


---


完成。


異世界初のかき氷だった。


「できた。」


悠人は胸を張る。


---


ルナは首を傾げる。


「これが……かきごおり?」


「そう。」


「雪みたい。」


「食べてみろ。」


---


木のスプーンを渡す。


ルナは恐る恐る一口。


---


シャリ。


---


その瞬間。


目が丸くなった。


---


「え?」


もう一口。


シャリ。


---


「えええっ!?」


---


三口目。


シャリシャリ。


---


「冷たい!」


---


四口目。


---


「甘い!」


---


五口目。


---


「おいしい!!」


---


ルナは立ち上がった。


「なにこれ!?」


「かき氷。」


「すごい!」


「だろ?」


---


ルナは夢中で食べる。


止まらない。


止まらない。


本当に止まらない。


---


そして。


事件が起きた。


---


「いたっ!」


頭を押さえる。


---


「どうした!?」


「頭がキーンってしました!」


---


悠人は大笑いした。


「それがかき氷だ!」


「痛いです!」


「みんなそうなる!」


---


ルナは涙目だった。


それでも笑っている。


---


「それでもおいしいです!」


「だろ?」


---


すると。


近くにいた子供が見ていた。


「なあ、それ何?」


---


続いて母親。


「見たことない食べ物ね。」


---


さらに商人。


「冷たいのか?」


---


気付けば。


人が集まっていた。


---


ルナは興奮して叫ぶ。


「みなさん!」


「?」


「これ、すっごくおいしいですよ!」


---


悠人は思った。


(宣伝うまいな。)


---


そして。


集まった人々が最初の客になる。


まだ二人は知らない。


この小さな一杯が、


王国中を巻き込む大ブームの始まりだということを。


---


### 第二話 終わり


### 次回予告


**第三話「初めてのお客さんと銀貨一枚」**


「うまい!」


「もう一杯くれ!」


「これ、本当に売れるぞ!」


悠人とルナ、異世界初のかき氷屋開店!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ