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## 第一話 ### 「エルフの少女とかき氷の夢」

# 『異世界で、かき氷屋を開いたら、お金持ちになりました。』


## 第一話


### 「エルフの少女とかき氷の夢」


---


「はぁ~……うまい。」


氷室悠人、17歳。


夏休み初日。


コンビニで買ったいちごのかき氷を食べながら帰宅していた。


シャリ、シャリ。


口の中に広がる冷たさ。


「やっぱ夏はこれだな。」


悠人は満足そうに笑う。


そしていつもの口癖。


**「まあ、なんとかなるか!」**


宿題もある。


進路も決まっていない。


彼女もいない。


でも。


今はかき氷がうまいから良し。


そんな気楽な少年だった。


---


その時。


空が光った。


眩しい。


とてつもなく眩しい。


「え?」


次の瞬間。


世界がひっくり返った。


---


気が付くと。


森の中だった。


「……どこ?」


木。


草。


鳥。


知らない景色。


スマホを見る。


圏外。


「いやいやいや。」


悠人は周囲を見渡す。


「誘拐?」


違う。


そんなレベルではない。


明らかに知らない場所だった。


---


数時間後。


歩き続けた悠人は大きな街へたどり着いた。


石造りの城壁。


剣を持った兵士。


馬車。


そして。


耳の長い人々。


「……エルフ?」


思わず声が出た。


ゲームや漫画でしか見たことがない。


本物だった。


---


街へ入った瞬間。


一人の少女とぶつかった。


ドン。


「あっ!」


「うわっ!」


二人同時に転ぶ。


少女は慌てて立ち上がった。


銀色の長い髪。


透き通るような白い肌。


緑色の瞳。


そして長い耳。


まさにエルフだった。


---


「ご、ごめんなさい!」


少女が頭を下げる。


「いや、大丈夫。」


悠人は思わず見とれた。


美人だった。


かなり。


いや、ものすごく。


---


少女は不思議そうに聞いた。


「あなた、この街の人じゃないですよね?」


「分かる?」


「服が変です。」


即答だった。


「ひどい!」


少女は笑った。


「ふふっ。」


その笑顔は太陽みたいだった。


---


「私はルナです。」


少女が胸に手を当てる。


「エルフです。」


「やっぱりエルフなんだ……」


「やっぱり?」


「いや、なんでもない。」


---


ルナは首を傾げる。


「あなたのお名前は?」


「氷室悠人。」


「ヒムロ?」


「うん。」


「変わった名前ですね。」


「お互い様だろ。」


二人は笑った。


---


しかし。


問題があった。


暑い。


とにかく暑い。


異世界の日差しは強烈だった。


悠人は汗だくになる。


「暑すぎる……」


「今日は特に暑いですね。」


ルナも額の汗をぬぐう。


---


悠人はふと思った。


「冷たいものとかないの?」


「冷たいもの?」


「アイスとか。」


「アイス?」


「かき氷とか。」


「かきごおり?」


ルナは聞いたこともない顔をした。


---


悠人は驚く。


「知らないの?」


「初めて聞きました。」


「マジか。」


「美味しいんですか?」


「めちゃくちゃ美味い。」


「へぇ。」


ルナの目が輝く。


好奇心旺盛らしい。


そして彼女の口癖。


**「それ、面白そう!」**


---


その時だった。


市場の奥で老人が魔法を使った。


青白い光。


すると。


水が凍った。


カチカチ。


氷になった。


---


悠人の目が見開く。


「氷!?」


ルナが驚く。


「そんなに珍しいですか?」


「珍しいなんてもんじゃない!」


「?」


---


悠人の頭の中で。


何かが繋がった。


氷。


果物。


砂糖。


かき氷。


---


(待てよ……)


(この世界……誰もかき氷知らない?)


(しかも氷は珍しい?)


(これ……)


---


悠人は立ち上がった。


そして笑った。


久しぶりにワクワクした。


異世界に来た不安より。


新しい挑戦への興奮が勝っていた。


---


「ルナ。」


「はい?」


「商売しよう。」


「え?」


「絶対儲かる。」


「何をです?」


---


悠人は胸を張った。


自信満々に宣言する。


「かき氷屋だ!」


---


ルナはぽかんとした。


数秒後。


満面の笑みになる。


「それ、面白そう!」


---


こうして。


異世界の少年と。


エルフの少女は出会った。


まだ誰も知らない。


二人の小さなかき氷屋が。


数年後。


王国中の貴族や王族が通う大人気店になることを――。


---


## 第一話 終わり


### 次回


**第二話「エルフ少女、人生初のかき氷を食べる」**


ルナ

「頭がキーンってしました!」


悠人

「それがかき氷だ!」


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