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異世界で引きこもりたいけど周りの女性が許してくれない件について  作者: 涼月風
第4章

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第80話 ーーー家出幼女悪魔ミミーはーーー

 





 俺は、ミミーがどうやって過ごしていたのかを知る為、冥府を訪れた。

 リーナは、外出中らしい。出迎えてくれたクルミがそう言っていた。


「クルミのお陰で、リーナの部屋、綺麗になったなぁ〜〜」

「サリーナ様は、いつもお忙しいので仕方がありません」

「ところで、ミミーの事を聞きたかったんだけど、わかる悪魔いる?」

「それでしたら、ベルゼブブ家の執事メーガさんが良いと思います」


 冥府の城の隣にあるベルゼブブ家の家にクルミの案内で行く事になった。


「お待ちしておりました。私がベルゼブブ家の執事メーガです」

「俺は、シロウです。メーガさんとは何度かお会いしてますよね。話すのは初めてですけど……」


 ……あの山羊頭の悪魔執事だ……


「シロウ殿の事はもちろん知っております。我が主人ミミー様の契約者なのですから……メメーー」


「ミミーが家出した事をリーナから聞いたのだけど、ミミーは、何の勉強していたのですか?」


「ミミー様は、ベルゼブブ公爵家の最期の血筋であります。ミミー様には公爵家に相応しい立ち振いを教えておりました。もしかして、ミミー様の行方がわかったのですか?メメーー」


「居場所は、わかりましたが、念話も出てくれないんです。このまま連れ帰っても、同じ事の繰り返しになるんじゃないかと思いまして、ミミーの事を教えてもらいに来たのです」


「そうでありましたか……では、私がお話いたしましょう。メメーー。まず、朝起きて、歯を磨いて顔を洗って頂きます。最低でも上の歯を5分下の歯を5分軽く磨きます。洗顔は、悪魔商会特製の魔牛の乳を配合した天然物です。よく泡立ててから、軽く擦るように指導しております。それから……」


「メーガさん、そう言う話じゃなくてですね〜〜」


「では、どういう事を知りたいのですか?メメーー」


 ……面倒くさい山羊悪魔だ……それに、細かすぎる……


「ミミーは公爵家最後の血筋と言いましたけど、他に兄弟とか親戚縁者はいないのですか?」


「先代のゼルゼブブ様は、一千年前勇者と戦い破れ、その魂は消滅しました。ゼルゼブブ様の後を追うように奥様も亡くなりました。その点は、サリーナ様と境遇が似ておりますが、ミミー様には、他に血を分けた兄妹はおりません。その点は、サリーナ様とは違いますが……メメ〜〜」


「そうでしたか……」


 ……ミミー、寂しかったのかも……


「私は、先代のベルゼブブ様の時から仕えております。ミミー様もてっきり、勇者一行にやられてしまったと思っておりましたが、生きて、この冥府に現れてくださったのです。話を聞けば、サリーナ様と同じ封印されていたとか、これは奇跡であります。ですので、ベルゼブブ家の再興の為にもミミー様には、しっかりして頂きませんと〜〜メメ〜〜」


 ……この期待感と重圧感は……俺でも逃げ出したい……


「メーガさんの言う事は分かりました。ですが、ミミーが逃げ出したのも事実です。俺がちゃんとミミーを連れて帰りますので、ミミーの話もきちんと聞いて下さい。その約束が果たせないのならミミーをここに連れて帰る訳には行きません」


「それは、もちろんです。きちんとミミー様の話をお聞き致しましょう、メー」


 俺は、執事メーガさんと約束を交わし、冥府を離れた。




 ◇◇◇



 ミリエナ国の宿に着いた俺は、ミミーを自由にさせてあげたい気持ちが強かった。あの山羊悪魔の重圧には、幼いミミーには、耐えられない事だったろう。


 その時、念話が入った。


『シロウ様、シロウ様』


 アンリエット王女だ。


『アンリエット様、この間は失礼しました』

『シロウ様の方は、落ち着きましたか?』

『お陰様で危機は脱しました。ご配慮頂き有難う御座います』

『それなら良かったですわ。先程、城の衛兵がシロウ様を王都で見かけたと話しておりましたものですから……」

『はい。今、王都の宿屋におります。ちょっと知り合いの子が家出をしたので探しに来たのです』

『まぁ、大変じゃありませんか? 私も一緒に探します!』

『えっ!?…王女様に手伝ってもらうほどの事でもありませんし……』

『何を言っているのですか? その子に何かあったら大変な事ですよ。今から私のところに来て下さい』

『もう、陽も暮れますし……王宮も閉鎖されてしまう時間ですし……』

『シロウ様の扉で、私の部屋に来て下さい。お待ちしてます。ガチャ』

『アンリエット様、アンリエット様!』

 ……[念話終]……


 もう、勝手に言うだけ言って切るんだから〜〜……

 なんで俺の周りにいる女性は、一方的に事を進めるんだろう?……


 俺は、仕方なく、アンリエット王女の居室にドアを開いた。




 ◇




 ドアを開くと、そこには、スカートをたくし上げズボンに履き替えているアンリエット王女がいた……


「あっ!」

「えっ!?」


『貴様ーー!何を見ているーー!』


 もちろん、メイド1号もそこにいた。俺は、思いっきり殴られた……


「女性に誘われたら、殿方は、女性が身支度を整える時間を考慮して訪問されるべきです!このゴミ虫はそんな事もわからないのですか!」


 ……そんな事、わかる訳ないだろう?俺、男だし……あぁ〜〜足が痛い……


 俺は、正座をさせられ、メイド1号の説教をかれこれ1時間は聞いている。

 アンリエット王女は、顔を赤くして、ソファーに腰掛けている。

 その時、王女の部屋のドアをノックする音がした。誰か来たみたいだ……。


「姉様、シロウさん来てるんですってーー?」


 カトリーヌ第2王女だ。それに、メイド2号もいる……。


「さっき、ソランジュから念話くれたんだ。シロウさんが姉様を覗いたって!」

「誤解ですから〜〜今回は、裸じゃありませんでしたし……あっ!」


 アンリエット王女の顔がさらに赤くなる。それにつれて、メイド1号の顔も別の意味で赤くなっていた。


「ふふ〜〜ん。そうなんだ。これが初めてじゃないんだ〜〜」


 カトリーヌ王女の言葉にメイド2号は、頭の中でいけない妄想をしているのか顔が青くなっている……。


 ……どうにかしてよーー!このメイド赤鬼と青鬼を〜〜……


 俺の前に立ち塞がるメイド達の威圧で気が遠くなりそうだ。


「家出少女を探しに行くんですって〜〜私も行くね」

「えっ!? そんな事できませんよ。王女2人もこの王宮からいなくなったら大変な騒ぎになりますよーー!」

「大丈夫よ。ロリンジュの幻術があるから〜〜」


 ……そういえば、ゼウス神から、加護をもらったんだった……


「姉様も行きましょう。準備は良いのでしょう?さぁ、早く、早く」


 カトリーヌ王女に引っ張られてアンリエット王女も気を取り直したようだ。メイド2号の幻術魔法が展開される。あたかも、王女達がここにいるように他の者には見えるらしい。


「じゃあ、行きましょう」


 積極的なカトリーヌ王女に促されて、俺は、ミミーのいる場所の近くにドアを開いた。



 ◇◇◇



 ドアの向こうは、綺麗な砂浜だった。ちょうど陽が沈むタイミングだったらしく夕陽が海を赤く染めている。


「わぁ〜〜綺麗ですわ〜〜」

「すごーい。こんな綺麗なとこあるんだね〜〜」

「見事です。これは、賞賛に値します」

「こんなとこで……いけない……まだ、早いわ……でも……」


 ……この王家、大丈夫か?……


 ここは、リーナ達と前に来た事ある上級悪魔レヴィアタンがいる入江の近くの浜辺だ。


 ……サツキとも来た事があったっけ……


 ミミーは、レヴィアタンの入江にいる。多分、レヴィアタンも一緒だ。


「この先に、探している子がいるんですけど、皆さんには話しておきたい事があって……」


 ……いきなりレヴィアタンと会ったら、戦闘が始まるかもしれない。特にメイド達が……


 俺は、みんなに経緯を話した。もちろん、ミミーが悪魔である事もだ。

 神様と出会っているこのメンツなら隠しておくより話して理解を得た方が良いと思った。


「そうでしたの……わかりますわ。ミミーちゃんの気持ち……」


 アンリエット王女は、そう言葉にした。


「そうよね〜〜私もわかるわ。ミミーちゃんの気持ちが……」


 カトリーヌ王女も思い当たる事があるらしい。


「ミミーは、悪魔ですが、とても優しい子です。それに近くにいるレヴィアタンも話せばわかってくれると思います。ですので、驚かないで下さいね」


『はい。わかりました』


 俺達は、ミミーがいる入江に向かうのだった。






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