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第二十話 飛躍する生徒、暗躍する組織

 そうして僕は前日、校長に指定された場所に来ていた。そこは広大で、会場はドーム型のような形をしていた。その大きさに思わず

「すごいな。」

といってしまうほどの規模だった。だがすごいなといったのにはまた別の意味があった。それは、あたりにはこの会場を覆い尽くすほどの魔法結界が張られていたことだった。いったいこの魔法は誰がやっているのやら、少し興味が湧いたが今はその好奇心を抑えておくことにし、受付会場へと向かった。



 受付会場にはすでにユイガがいた。きっとこの時を楽しみにしていたのだろう。僕には普段よりもテンションが上っているようにも見えた。するとユイガは僕の方に振り向き近づいてきた。

「全く、何分待たせるんだよ。お陰で俺の堪忍袋のおが切れそうだったぜ。」

「お前キレ症すぎだろ。」

「まあ、そんなことは冗談で、俺はいま来たばっかだぜ。じゃあ。」

ユイガは手をさしのべていった。

「なんか食いに行こうぜ。」

「いやだめだろ。」

そんなこんなで僕たちは受付を済ませるのだった。




 僕たちが茶番をやっていたせいかどうやら受付が遅かったようで、僕たちは352組のうちの301組と書かれた紙をポケット入れた。そしてその後、そんな僕は案内表を見ながら生徒専用の待合室へと足を進めていた。

「一次試験ぶりかしらね。久しぶり。」

すると目の前から声がしたので、顔を上げることにした。すると、そこにいたのはレイナとカナだった。せっかく出会ったのだ。一応組を聞いておいて損はないのかもしれない。そう思ったため、僕は質問することにした。

「レイナたちは何組だったの?」

「私たちの組は86組だったわよ。そっちは?」

「僕たちは301組だったよ。」

すると彼女は、それじゃあ、といって話題を切り捨てた。

「頑張ってね。」

そういって、彼女たちは去っていった。

「86組なら、戦うことはないだろうな。」

そう独り言をつぶやきつつ、僕たちは歩き始めるのだった。



そうして僕たち生徒一同はある場所へと集められていた。人数が第一次試験以降減ったからか、人がやけに少ないようにも感じた。すると校長が目に前に現れた。

「これからお主らには第二次試験を行ってもらうぞ。まずは、抽選からじゃの。」

そういってどこからか箱を持ってきて、勢い良く振る校長に対して、そんな話は聞いていないぞ。という気持ちになっていた。それは他の生徒も同じで、ざわざわと何やら話していた。だがそんなことは気にせずに、校長はその箱に入っていた紙をどんどんと取り出していく。

「一回戦目、246組と12組。」

「二回戦目、22組と54組。」

マジか、終わった、やったぜ。などと一喜一憂している生徒たちを尻目に僕は考え事をしていた。一体僕たちの相手は、誰になるんだろうな。と。

 そしてあれから30分後、約340組が呼ばれた。ちなみに僕の組の番号は、まだ言われていなかった。これは最後に呼ばれる形かな?とそう思っていたが、意外過ぎる組の番号とともに、僕たちの組の番号が呼ばれた。

「百七十二回戦目、86組と301組。」

と。




 そうして俺たちは人気のない地下室に集まっていた。地下室は光がさしておらず、唯一の照明は小さな机に置かれている小さなランプだった。そのせいか、部屋の気温がやけに低いようにも感じた。俺は右足をもう片方の足に乗せるようにして、ソファに腰を掛けつつその話題を切り出す。

「いよいよだな。」

すると仮面をかぶっている男は低い声で笑いながら答える。

「そうだな。」

その笑い声は、どこか高揚しているようにも感じた。俺がそれに微笑していたとき、その隣にいた女こと”ユイ”はあきれたようにこちらを見つめる。

「そんなこと、ここにいる全員、知っているわよ。」

「そうだな。では、問題に移ろう。」

そうして俺はようやく今回行う作戦の内容を伝える。

「目標は最高峰の魔法学校と称された学校、ルードにて生徒を拉致すること。」

「なんでよりによって拉致なのかしらね。爆破や殺人のほうがよっぽどいい気がするんだけど。」

正直俺もその意見に賛成していた。だからこそ、俺はため息をつきながらその質問に答えた。

「仕方ないだろ。あの方曰く、そうしないと駄目な理由がある。だとさ。」

「へぇ〜。まあしょうがないか。あの方の命令は絶対だし。グチグチいってても何も変わらないんだ。こっちとしても、さっさと終わらせておきたいし、動くとするか。」

その男がそう言い終わるのと同時に、俺たちはルードへと足を進めるのだった。


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