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崔浩先生の「元ネタとしての『詩経』」講座  作者: ヘツポツ斎
国風 齊風

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甫田(千里の道も一歩から/斉襄公はクソ)

甫田ほでん 引用7件

田畑の耕作 地道な積み重ね 時の流れ 斉襄公批判 



無田甫田むでんほでん 維莠驕驕いゆうきゅうきゅう

無思遠人むしえんじん 勞心忉忉ろうしんとうとう

 田畑を無駄に広げるな。

 ハグサが生えて手におえぬ。

 遠くの人に思い悩むな。

 ただ心が痛むだけ。


無田甫田むでんほでん 維莠桀桀いゆうけつけつ

無思遠人むしえんじん 勞心怛怛ろうしんたつたつ

 田畑を無駄に広げるな。

 ハグサがはびこり始末に負えぬ。

 遠くの人に思い悩むな。

 ただ心が悩むだけ。


婉兮孌兮えんけいれんけい 總角丱兮そうかくかんけい

未幾見兮みいくけんけい 突而弁兮とつじべんけい

 かわいいあの子はあげまきを結っていた。

 しばらく見ぬ間に、もう立派な若者。



○国風 齊風 甫田

遠きをなすにはまず近きをもってせよ、であるな。日々は確実に積み上がり、紅顔の少年もやがては青年となる。確実に、一つ一つを積み上げること。遠き先はそれでも見るべきとも思うのだが(例えば当作は詩経全作に接することを重視しておる)、それでも、目の前のひとつをおろそかにせず、確実に触れていくことが大事なのだとも感じている。その先にあるのは、史書中の豊穣なる文章表現への理解の深まりである。

とは申せ、振り返るだに散漫な接触になっている詩も少なからぬ。進み続けることは最低限としつつも、過去の接触がハグサまみれになっておらぬかは点検してゆきたいものである。



○儒家センセー のたまわく

「大夫刺襄公也。無禮義而求大功,不修德而求諸侯,志大心勞,所以求者非其道也。」

斉の襄公が地に足つかぬ、誇大妄想的な政策を取ろうとしたことを批判した詩である! 民を省みることもなく外征&外征を繰り返し、終いには殺されるのだから救われぬ!



■朕不徳やねん

後漢書3 章帝

朕之不德,上累三光,震慄忉忉 ,痛心疾首。


後漢の名君のひとりとされる章帝であるが、旱魃等の天災には悩まされていた。これも旱魃を受けての詔勅である。朕の不徳が旱魃を引き起こしてしまい、歴代帝王よりの懿徳を引継いだものとして心苦しい、とするときに当詩の引用が含まれる。ここには断片的に「改めてみなで地道な農務に励みましょう」という思いも込められている、のやも知れぬ。



■エロスはやっぱりわりと悪

当詩に載る「婉」「孌」は繋げて用いられ、愛着、寵愛、偏愛などの語として用いられておる。とは言え後漢書では皇帝への思慕として用いられる格調高き語のようであるが、見てみると後漢書のみやや違った方向で用いられているのが見える。これは後漢におけるなにかを見るべきか、あるいは范曄の表現スタイルになにかを見るべきなのかな。このあたりも覚えていれば後日追ってみたいものである。


・漢書100.2 敍傳下

孝哀彬彬,克㩜威神,彫落洪支,底剭鼎臣。婉孌董公,惟亮天功,大過之困,實橈實凶。・後漢書22 評

贊曰:帝績思乂,庸功是存。有來羣后,捷我戎軒。婉孌龍姿,儷景同飜。

・後漢書54 楊震

惟陛下絕婉孌之私,割不忍之心,留神萬機,誡慎拜爵,減省獻御,損節徵發。

・晋書31 序

婉孌含辭,作南國之奇態。

・晋書31 左貴嬪

昔伯瑜之婉孌兮,每綵衣以娛親。

・魏書94 序

王者殷鑒,宜改往轍,而後庭婉孌遊宴之地,椒壼留連,終見任使。



毛詩正義

https://zh.wikisource.org/wiki/%E6%AF%9B%E8%A9%A9%E6%AD%A3%E7%BE%A9/%E5%8D%B7%E4%BA%94#%E3%80%8A%E7%94%AB%E7%94%B0%E3%80%8B

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