東方之日(しゅけべ/セーフーゾクの乱れ)
東方之日 引用2件
太陽 月 セックス 礼の衰え 君臣不道 男女奔淫
東方之日兮
彼姝者子 在我室兮
在我室兮 履我即兮
東の空に、日が昇る。
にもかかわらず、あの美しいお人。
あの方は、この部屋におられる。
このお部屋にて、私の側にある。
東方之月兮
彼姝者子 在我闥兮
在我闥兮 履我發兮
東の空に月がのぼる。
あぁ、かの美しいお人。
あの方は、いまだ邸内におられる。
私を踏み、発されるのだ。
○国風 齊風 東方之日
やだ、しゅけべ……。
○儒家センセー のたまわく
「刺衰也。君臣失道,男女淫奔,不能以禮化也。」
詩経中最もエロい詩である! エロは敵である! 君臣の関係が乱れるから男女の間柄も乱れるのである! 何なのだ「踏みて」「発する」とは! 何を発するのだ! 何を!
■十月之交を引くってことは
漢書36 劉向 注
言君臣失道,是為災異,故令人甚哀也。
劉邦の弟である劉交の子孫が、皇帝の乱政を諫めたときに十月之交という「乱政により国が荒れる」詩を引き合いに出して切々と訴える中に顔師古が「この詩を引いたのにはこう言う意味があるよ」と当詩の詩序にある語を用いておる。これもおそらくは意図的なものであろう。それだけ当詩は儒者的にはどアウトにもほどのある詩だったのであろう。それはいいのだが、それを詠んで邪なしの孔子……。
■えっちなこ
後漢書10.1 和熹鄧皇后 注
姝,美色也。詩曰:「彼姝者子。」
いやまあ「美しい女性」的な意味しかないのであろうがな。しかしこのえっちい詩にある語を和熹鄧皇后、つまり後漢でもトップクラスの女君を称する語に用いるのはなかなかに凄まじいな。
毛詩正義
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