89日目 色々明らかになります
中二病――ではなく、中学2年生のマサヤは制服に身を包み、アカリと並んで一緒に登校する。
「私さ、実は小学生に思われてたんじゃないかって思うんだけど、どうなんだろう」
「アカリは中1だよ!」
「BLに目覚める片鱗があったのは6歳です。明確になったのはガンダム00のティエリアとロックオンです」
「兄も知らない衝撃の事実だ」
「お兄ちゃんを私より下だと核心したのは2歳の時です」
「ま、それはなんとなくわかってた」
一緒にお菓子を食べていれば、ちんたら食べているマサヤの分を横から奪うし、嫌いな食べ物は無言でマサヤに寄越すし、それとは逆に好きな物はマサヤより先に食べるし。
「ついでに言うと、僕とアカリはそんなに仲悪くないんだよ。毎日一緒に学校来てるし」
「それはお兄ちゃんが寂しい人だから、仕方なく……そう、仕方なく!」
「妹はツンデレです」
「デレてない!」
アカリは躊躇なくマサヤの爪先を踏み潰す。
「くぉぉぉぉ!」
痛みに苦しんで足を止めるマサヤを置いてアカリが先を行くと、
「あ、マサヤくん。おはよう」
「!!!!!?」
誰もが陰鬱になる朝っぱらから、そんな澄み切った声で、兄のマサヤを呼ぶ声の主、いやその生命体の存在を確認すべく、アカリは振り返った。
そこには例に漏れず美少女がいた。
それはもうラノベや少年漫画ならメインヒロインを張れるぐらいの美少女だ!
「なにこの抽象的すぎる前衛的な表現」
「雑って言うんだよ」
「ん? なに?」
美少女の正体は如何に!?




