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17日目 その犠牲の上に成り立つ歴史
女の風呂は長い。
それはアカリとて例外ではない。
「今日こそ言わせてもらうけどさ」
「お風呂のことでしょ?」
「そう、よくわかってるじゃないか。僕の言いたいことが」
すでにアカリはパジャマを抱えて風呂に行く気である。
「いつもお風呂掃除してくれてありがとう。はい終わり」
「違う、違うよ! そうじゃないよ!」
「じゃあなに?」
「お風呂の順番、逆にしない? 大雑把だけど、僕の入浴時間は二十分弱だけど、アカリは三十分以上入ってるんだから、どんどん遅くなるんだよ」
「それは申し訳ないと思ってる振りはするけど、お兄ちゃんは綺麗な私と汚い私、どっちがいい?」
「綺麗なアカリに決まっているさ」
そもそも汚いアカリってなんだ?
「じゃあ、綺麗な僕と汚い僕、どっちがいいのさ」
「お兄ちゃんはいくら綺麗にしても一定以上にはならないんだから関係ないでしょ。それにさ、お兄ちゃんの後じゃ湯船汚れる」
「僕を父さんと一緒にしないでよ!」
「将来、お兄ちゃんもそう言われるようになるんだよ」
「将来どころか今、目の前で言われたよ。衝撃が超越した!」
「仕方ないなぁ……。私が入った後の湯船のお湯、飲んでもいいから。じゃ」
そう言い残して風呂に行ってしまった。
「それで僕がどう納得すると思ってるの!」




