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D-Life!!  作者: てぇぽん。
入学編
20/85

日常 Ⅲ

日常編の続きです。

 敵情視察を決めて数日。放課後、俺と透は早くにダーツバーに集まり、試合をしていた。


 こうやって2人で練習ができるのは久しぶりだ。


「……………翔は投げる時にどこに腕を引いてる?」

「あー…意識したことないかも。」

「……………翔のフォームなら右目の真下に手を引いた方がまっすぐ飛ぶかも。投げづらかったら調整してみてよ。」

「ありがとー透!」


 フォームの修正、癖を見抜くことができるのは透が実力者であることを暗に示している。自身が腕を磨いてくる過程で感じたこと、その疑問点や修正点を言葉にして伝えることは簡単なことではない。しかし最近の透はかなりフランクに、いろんなことを教えてくれる。


「んー…じゃあさ、BULLでは腕当たらないけど、俺のシャフト長いから…20とか上狙う時に顔に当たりそうになるんだよね…どうすればいいんだろう?」

「……………翔ってターゲットを変えて狙う時にどう調整してる感じなの?」

「うーん…腕あげてみて狙う感じ…??かな。俺自身も感覚的なもので良くわかってないんだ。」

「……………慣れてたらそれでもいいんだけど、翔の実力はまだ伸ばせると思うんだよね…肩より上の関節の角度は出来る限り保って狙いを上げ下げする方がいいよ。腰を起点にして、肩以上の関節は極力変えない方がいいかもしれないね。」

「なるほど…」


 ダーツは基本的には4つのパーツに分かれている。まずダーツを持つ部分、金属製のものがほとんどだが、その部分をバレルと言う。そしてボードに刺すための先の尖った部分をチップ、ティップと言う。そしてバレルの後ろ側、羽とバレルを繋ぐのがシャフト。そして後ろの羽の部分がフライトだ。


 フォームの修正をしようと思うとまたしっかり投げ込んで感覚を確かめないとな…


「……………ちょっと試合しようよ。」

「よっしゃ!」


 そんな会話をしながら試合形式で練習したり、1人でそれぞれ投げ込んだり。そうしているうちに…


 ―――出会いは突然にやってきた。


「キャー!(すばる)さまー!」

「今日も素敵…!」

「こっち向いてくださーい!」


「まあまあ、僕は1人しかいないんだから…順番でね。」


「「「キャァァァーー!!!!!」」」


 …とんでもない奴がやってきたな。


 昴と呼ばれた男子生徒はファンの人と試合をしていく。ファンの大部分は彼を眺めるために来ているようだが、試合を望む女子生徒も何人かいた。


 しかし試合の前後での握手や、LEGを跨ぐときのグータッチなど、ボディタッチがあるだけでファンにとっては鼻血ものらしい。へたり込む人も出るほどだ。


 整った顔に金色の髪。そして何よりも衝撃的なのは服装だ。白で統一されたタキシードを着て、胸ポケットにはバラが刺さっている。相当なおぼっちゃまなのだろう。身につけているもの一つ一つから高級感が漂う。更にホストとも見まごうほどの派手な格好とその言動ときたもんだ。流石に俺も頭が痛くなってきた。


「………………もしかして、翔が言ってたあの人?」

「そうだ…入試でも戦った手強いプレイヤー。」


「おっと、僕のことを知っているのかい?」

「……………!!」


噂をすれば何とやらだ。地獄耳め…


「僕はBクラスの西園寺(さいおんじ) (すばる)。君たちも優勝候補の一角らしいじゃないか。君たちと戦うのを楽しみにしているよ…それまでにせいぜい力をつけておくんだね!」


 嫌味ったらしいがその風体とファンたちの目から言い返せなかった。まあ言い返したところでお互い怪我をするだけだ。不毛な争いには首を突っ込まない主義だ。


「……………変わった人だね。」

「まあ単に変わってるだけの痛い奴でもない。俺が入試の時に肉薄してきたうちの1人。」

「……………!翔が負けそうになるなんて相当な相手なんだね…」


 心配しているが透の実力なら簡単に勝ててしまうだろう。


「彼の強さはその言動から生まれる相手の動揺、あとはCRICKETの粘り強さだ。」

「……………どういうこと?」

「CRICKETは基本的にはエリアをOPENして加点して、相手より得点が高くなった時にCLOSEするのが普通でしょ?

 でも彼の場合は全く違う。彼の場合は得点の状況によらず大抵まずエリアを閉めようとしてくるんだ。でもそれで閉まってしまうとエリアのOPENを急ぐ羽目になる。そこでうまくOPENできなかったりすると…」

「……………その隙をついて同じNUMBERを開けて大きく加点して相手を追い込む…か。」


 相手の手の内を知っている分対策はしやすい。明日の午後に早速練習試合がある。しかしそこでいきなり当たるようなことがなければいいが…正直実力不足は薄々感じている。


「そうだ。さっき西園寺くんはBクラスって言ってたよね?翔に肉薄する実力があるなら簡単にAクラス行けたんじゃないの?」

「そう言われればそうだな。どうしてだろう…入試は試合形式の実技試験と…面接があったと思うんだけど…」

「……………!」

「どうした?」


「……………()()、だよね?」

「あ…」


 あの言動…実力…全てを考えたところで点と点がつながった。

 西園寺くんに深い同情の念を抱かざるを得なかった。

いかがでしたでしょうか?日常編がもう少し続いた後に練習試合の部分もお送りしたいと思います!


昴…とんでもないキャラが出てきましたね。これからもお楽しみに。


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