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D-Life!!  作者: てぇぽん。
入学編
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静謐 Ⅳ (樹side)

今回は樹視点の話です。

「やりたいと言うなら止めはしないが、やるからには相応の努力をして結果を出すこと。これが私からの条件だ。」


 これが父から言われた言葉でした。父は入学に関して最初は反対していましたが、ダーツという競技の奥深さに魅力を感じていたのかもしれません。その為僕はダーツをやりたい、と意志を伝えてこの学園に編入することを決めました。幸い学力には自信があったので、無事編入できました。


 ですが僕にはまだまだ覚悟が足りなかったようで、この学園には凄腕の猛者たちがわんさかいました。数回ダーツの講義、そして上位クラスとの合同練習もありましたが、上位クラスはやはり上手い人たちが多いです。しかも、今、目の前でダーツを投げている友人達はそれを遥かに上回る腕を持っています。


 今まで、勉学だけに傾倒してきた僕には唯一、学業だけは誰にも負けない自信がありました。そこで身につけた強みは―――


「危ないー!」

「もう少しでしたが…負けました。」

「それにしてもすごいスタミナだな!一旦休んでいい?」

「じゃあしばらくCOUNT(カウント) UP(アップ)やってますね!」


 僕の強みはスタミナ、集中力です。学業に明け暮れていた今までで培ったものです。そして今は、翔くんや虹渡くん、透くんに追いつけるように努力しなければなりません。勿論一朝一夕で上手くなるとは思っていませんが、やった努力の分だけ伸びると信じてダーツを投げ続けています。


 罰ゲームを逃れた翔くんと僕は早速ダーツを投げることにしました。ルールを翔くんから教えてもらい、ハンデをもらいつつ、一緒に練習しています。とりあえず今は中心のBULLを安定して投げられるようにするため、01ゲームに力を入れています。

 今のところはまだ負けることが多いのですが、時々勝てる時もあります。勝った時の嬉しさは形容しがたいほどで、ダーツがとても楽しく感じられるのです。

 COUNT UPとは、8ROUND投げ、その上で合計点を出すゲームです。01ゲームの逆と考えると分かりやすいですね。とにかくBULLを狙い続けるため、とても練習に役立つのです。透くんや虹渡くんが戻ってくるまで、ひたすらダーツを投げ続けました。


「どうすればまっすぐにダーツって飛ばせるんですかね…みなさん本当に綺麗に飛ばしますよね。」

「えっとね…まず構え方というか、それの修正から始めようか。まずスタンスについて。多分樹の場合はクローズドスタンスに近いミドルスタンスだと思うんだけど、その角度って誰かから教わった?」

「いや、クラスで結構この角度で投げている方々が多くて…」

「あぁぁそうだよね。周りは気になっちゃうと思うんだけど、自分が腕をまっすぐに振りやすい角度が投げるべき角度なんだ。その方が無駄な力が入り難くて投げやすくなるんだよ。俺は完全に我流だから、もっとわかりやすい説明が欲しい時は透に聞いてみるといいよ。」


 翔くんや透くんは似たようなスタンスだったので、それが1番いいのかと思っていたのですが…

 でもそのアドバイスのおかげで脱力しつつ投げられるようになりました。肘が安定したので投げやすいです。立ち方だけでこんなに変わるとは…ダーツは奥深いです。代わりに今まで投げてた時と感覚は違うのでBULLに安定して入らなくなってしまいました。練習しないといけませんね…


 正直、こんなに親切で、腕のいい人たちのあるチームに入っていいものかとても心配です。

 でも、学園内ではチームを組む上で除け者にされがちな一般編入生に対してここまで優しい人はそうそういないと思います。

 勿論、トーナメントへの出場と、上位になった際の成績ポイントの付与など、諸々考えればその利害の中で誘ってくる人はいたかもしれません。でも、練習相手としては全く相手にならない私のことを受け入れる人は早々いないはずです。しかし、ダーツのアドバイスやチームへの熱心な勧誘など、ここまでやってくれるチームは正直ないと思います。ここまでも数チーム、誘ってくれるチームがありましたがここまで強く誘ってくれるチームはありませんでした。


 そして翔くんたちも、どうやって編入生をチームに入れるか悩んでいるところなのでしょう。もし僕が受け入れればすぐチーム戦に向けた練習ができるのではないでしょうか。


 ひとしきりダーツを投げ終えて自宅へ戻り、明日以降の講義への予習を済ませて寝る支度を済ませたところで考えてみました。


 僕は誰もいない静かな空間で物を考えたり、読書をしたりすることが好きです。この静けさがなんとなく気分を落ち着かせてくれて、冷静な思考が出来るからです。


 正直チームに加わりたいという気持ちが、かなり強くなっているのも事実です。

 でもチームに加わるからには、これからももっと練習しないといけませんし、もっと上手くならないといけません。その時に、彼等がいてくれるのが僕にとってどれだけ心強いでしょうか。


「覚悟を決めないといけませんね…!」


 自分なりに考えた結果を、彼らに伝えてみようと思います。


 僕は、ダーツが、したい。

いかがでしたでしょうか。


ブックマークや感想コメント、評価など、よろしくお願いします。


次回から本格的に学園生活の方も書いていきます!ダーツばかりでなく、色々とキャラクターの面白い一面を出せていきたいと思ってます。お楽しみに!

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