それがうらやましくてさ~
電車を乗り継いでママのお墓があるところに着いた。駅員さんとかがいない無人駅で降りる。
畑が広がってて山があって、相変わらずの田舎だなあ。ま、私は、PCが使えてゲームができれば別にどこでもいいけどね。むしろ人が少ない分、こっちの方がいいかも。でも、友達と離れるのはイヤだから引っ越したいとは思わないけどさ。
駅を出て殆ど車が通ってない道路で信号を待って、ちゃんと青になってから山の方に向かって歩き出す。人もほとんど見かけない。静かでのんびりしてる。
だから私とパパもてくてくと散歩みたいにゆっくり歩く。
パパはいつも私の歩くスピードに合わせてくれる。置いてきぼりにしたりしない。何度も私の方を見て、疲れてないか、遅れてないか確かめてくれる。だから私も同じようにするんだ。パパが疲れてないかとか見るんだ。パパが体調悪かったりしたらすぐに分かるよ。
よっしーとかマリーとかが体調悪そうにしてたり落ち込んでたりしても分かるよ。相手のことをちゃんと見るんだって。大切にしたい人のことはちゃんと見るんだってパパが教えてくれる。
だからさ、自分の言ったことで相手がイヤだなと思ってたりしたらすぐ分かるんだ。そしたら次からは気を付けなくちゃって思うんだ。
私は、パパが私のことをちゃんと見てくれてるから、それと同じことをしようとしてるだけなんだ。
よっしーが言ってたよ。
「うちの親って、私のこと見ないでガミガミうるさいだけなんだよね。それってさ、自分が言いたいだけだよね。子供にガミガミ八つ当たりしてストレス発散したいだけなんだ。私のことなんて本当はどうでもいいんだ。
だってそうだよね? 私のこと大事に想ってるんだったらちゃんと見るよね? 見ないってことは私のことを想ってるんじゃなくて、自分のことしか考えてないって意味だよね?
うちの親みたいのが普通なのかなって思ってたけど、みっちゃんやみっちゃんのお父さん見てたら違うんだな~って分かった。見る人はちゃんと見るんだよ。みっちゃんのお父さんはみっちゃんのこと見てる。すっごく大事そうに見てる。
それがうらやましくてさ~」
って。
私にとってはパパが普通だと思ってたんだけど、マリーも同じようなこと言ってたよ。その上で、
「親ってさ、自分が正しいと思ってんの。そんな大した人間でもないクセに自分はエライと思ってんのよ。それがムカツク。
親の方が力は強いし、養ってもらわなきゃ生きてけないのなんて分かってるってーの。小さい頃はそれだけですごいと思ってたよ。それなのにさ、自分はエライんだ尊敬しろとか態度に出すからムカツクんだって分かってないんだよね~」
とかも言ってたな。




