だから似ちゃうんだよね
「あ~、楽しかった」
家族三人でのパーティは十分ほどで終わった。だって、改めて特別なことをする必要ないもん。私達はいつだって毎日が特別だから。私と、ママと、パパとの毎日がね。
すぐさまパンツ一丁になって、だら~んとする。どうしようもないくらいだらしないかもしれないけど、これが私達だもん。
部屋に寝転がりながらお腹をさする。びっくりするくらいポッコリしてる。
パパは残ったケーキとピザとお寿司を食べてる。もしかしたらピザは要らないくらいだったかも。みんながお菓子いっぱい持ってきて食べたし。食べ切れなくて持ち帰ったくらいだし。
「う~い、やらなきゃ~」
食べ過ぎで起き上がるのも大変だけど居間に戻ってノートPCを開く。でも苦しい。
「食べ過ぎで晩ごはんとかムリ~」
あと二時間くらいでまた晩ごはんだって。これはムリでしょ~。
「こら~、ちょっとは手伝え~!」
パパがそんなこと言ってきた。でも応えは、
「え~? メンドクサ~イ」
だけどね。
分かってる。私が大人になって子供ができたりしたら、今度は私がその子に向かって『こら~、ちょっとは手伝え~!』って言うことになるんだろうなってさ。
でも、パパも子供の頃は家のことなんて何もしなかったって言ってた。だから今はパパがするんだ。そして次はきっと私がすることになる。パパはそれでいいって言ってくれてる。
結婚するかどうかは分からないけど、大丈夫。パパがもし子供みたいになっちゃったら、私が面倒見てあげる。パパは『別に美智果の世話になる気とかないから』なんて言ってるけど、イヤだよ。パパは私のパパだもん。他の誰かのじゃないもん。
私はパパが大好き。ママの次に好き。だからずっと、私はパパの子供でいたい。大人になってもし家を出ることになっても、パパの子供なんだよ。こんなにいっぱいいっぱい大事にしてくれてるパパのね。
パパは私をペットとかロボットとか人形とか思ってない。私を私として大事にしてくれてるんだ。だから私もパパを大事にしたいんだ。
他の人や家がどうしてるかなんて知らないし、関係ないよ。私とパパの話だもん。
私も十二歳。二十歳まではあと八年か。なんかまだまだ遠い未来みたいな気がするけど、いつか来るんだよね。
ママ……ママがパパにしてあげられなかったこと、私がするよ。だから心配しないでね。
小学生の時からこんなこと考えてるとか変かもしれないけどさ、だって仕方ないじゃん。私、パパの子供なんだから。いっつもいっつも私のこといっぱいいっぱい考えてくれてるパパの子供なんだもん。
だから似ちゃうんだよね。




