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【web版】八歳から始まる神々の使徒の転生生活  作者: えぞぎんぎつね
二章

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49 ウィルの秘密とアルティ

前回のおはなし:アルティを自室に連れていった。


ついに「最強の魔導士。ひざに矢をうけて~」の4巻とコミカライズ1巻が発売になりました!

どうか、よろしくお願いします。

「ここは俺に任せて先に行けと~」の2巻も発売中です!

 アルティはお茶のカップをテーブルに置いて言う。


「なぜそう思われるのですか?」

「顔を見ればわかる」

「それほど自分がわかりやすい顔をしているとは思いませんでした」


 それからアルティは深呼吸をした。


「それは……、もちろん気になっていることはあります」

「だろうな」


 俺はアルティの足に嬉しそうに頭突きしているシロを抱きあげた。

 そして自分のひざの上にのせて優しく撫でる。


「獣の眷族との戦闘に入る直前のことだな?」

「はい。ですが、まだ言うべきではないと判断されるのであれば聞きたいとは思いません」


 俺はティーナとロゼッタを逃がした後、ゼノビアに通話の腕輪で連絡を取った。

 その際、ゼノビアのことを呼び捨てにした。


 その上、直前にはティーナとロゼッタの前でテイネブリスの名を口にしている。

 非常にうかつだったと言えるだろう。

 反省しなければなるまい。

 これだけ情報があれば、アルティなら俺の正体に薄々気づいてもおかしくはない。


「そうだな。アルティには話してもいいだろう」


 ゼノビアから、アルティにいつ、何を話すかは一任されている。

 俺は俺の責任で、アルティに情報開示する範囲を考えた。


 下手に隠すのはよくないかもしれない。

 アルティからの信用を失うのは何より避けたい。


「信じられないかもしれないが……。俺はゼノビアの師匠にあたる」

「……師匠ですか?」

「とはいっても、前世の話だが」

「つまりウィルの前世がエデルファスさまということですか?」

「そうなる。信じなくてもよいが、口外はしないでくれ」


 アルティは震える手でお茶の入ったカップをとり、一口だけ飲んだ。


「驚きましたが、納得しました。信じます」

「そうか。ありがとう」


 非常にまれだが、転生する奴は俺以外にもいる。

 前世の記憶を思い出すものも、さらにごくまれだが存在する。

 だが、それは数百年に一人とかそういうレベルの珍しさだ。


 普通は「俺は前世の記憶を取り戻した!」と言おうものなら、鼻で笑われるものだ。

 だが、アルティは信じてくれた。

 これは俺自身への信頼というよりも、師であるゼノビアに対する信頼だろう。


「ちなみに、このシロやフルフル。そしてここにいないルンルンは神獣だ」

「そうでしたか。ただ者ではない獣たちだとは思っていましたが、神獣なら納得です」


 それから神の世界で修業したことと、神々の使徒であることも伝える。

 死後から生まれ変わるまでの経緯を簡単に説明していく。

「ウィル。一つお尋ねしても?」

「何でも聞いてくれ」

「神にならず、なぜ転生されたのですか?」

「……テイネブリスを倒すためだ」


 そして、俺はアルティに頭を下げた。


「アルティ。いつかはっきりとは分からないが数十年以内にテイネブリスは復活する」

「はい」

「その際、一緒に戦ってはくれないだろうか」

「私でよいのですか?」

「ああ。もちろんだ」

「……光栄です。全力を尽くします」

「ありがとう。すごく嬉しい」


 アルティという同志を得ることが出来た。

 今後のテイネブリス戦にとって、とても大きな出来事だ。


「ぴぎぃ!」


 新たな仲間を歓迎するように、フルフルがアルティに飛びついた。

 フルフルは俺のひざの上から、机の上を通ってアルティのひざへと移動する。

 そしてプルプルし始めた。


「フルフル。よろしくお願いしますね」

「ぴいぎ」


 そしてシロもアルティの方に駆けて行く。

 机の下を通って、アルティの座っている長椅子の上に乗る。


「めえ!」

 そして、そのままアルティの肩の上によじ登る。


「シロもよろしくお願いしますね」

「めえぇ」

 シロは肩の上から、さらに頭の上に登ろうとしていた。


「シロ、ほどほどにしておきなさい。アルティ、シロがすまない」

「いえ、気にしないでください」

 アルティはシロを肩から降ろして胸に抱いた。


「めえ」

 シロは大人しく抱かれている。抱っこされるのが好きなのかもしれない。

 今度から俺もことあるごとに抱っこしてやろう。


 そんなことを考えながらお茶を飲む。すると、大事なことを思い出した。


「そうだ。アルティには剣を作ってあげる約束だったな」

「はい。ですが、この前いただいた剣はとても使いやすくて気に入っています」


 だから新しい剣は必要ないということだろう。

 アルティがいま腰に差している剣は、俺が獣の眷族戦の前に魔法で生成したものだ。


「気に入ってくれて嬉しいんだが、それは急ごしらえで作ったものだ。耐久性に難がある」

「そうなのですか。あまりそうは見えないのですが……」

「アルティほどの剣士にそう言ってもらえると、俺も嬉しい」


 アルティは剣士として一流だ。そのお眼鏡にかなったのならきちんと作れたということだ。


「俺自身の訓練も兼ねているんだ。ぜひ作らせてくれ」

「ありがとうございます」


 その後、アルティの部屋へと移動して、これまで使っていた剣などを見せてもらう。

 アルティの腕の長さや背の高さなども測って、最適な重さ、長さなどを推測する。


「最後に模擬戦闘でもしてみるか」

「お願いします」


 俺とアルティは中庭へと移動して、模擬戦闘を行ったのだった。

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