魔法連発
「うん?」
今一瞬、誰かに見られてなかったかしら?
「気のせいかしら?」
私の知覚を越えて見られる存在なんて存在する筈ないから、きっと気のせいね。
「それより……つい、やり過ぎてしまったわ」
どうして私は興奮してしまうとやり過ぎてしまうのかしら?
油断がないのは美徳だけど、手加減が出来なくなってしまうのは困りものだわ。
「はぁ……せっかくお気に入りを見つけたのに……」
私のお気に入り達はあのマグマの中に溶けてしまっているのでしょう。
せめて、腕だけでもあれば……
「ふぅ……あったかも知れない未来に想いを馳せるのは止めましょう。地転魔法グランドアップ」
ドゴォオオオオオオオオオオオ!!!!
マルナがそう唱えた瞬間、地獄絵図と化していた辺り一帯がせり上がる。
「無景」
シュ
次に短い詠唱を唱えると、高く聳え立つ土の山が一瞬にして消えた。
「ふぅ~~……こんなに力を使ったのは久しぶりね。今日はゆっくりとお風呂に入りましょう」
元のまっ平な大地を見詰めてそう呟くと、マルナはその場から消えた。
「…………いなくなったか?そんじゃあ、始めますか」
マルナがいなくなった大地に真っ黒な闇の炎が出現すると、腕を型どり大地に手を向けた。
「世界に残ったお前らの恨み。俺と共に晴らそう。―――」
腕が何かを唱えた瞬間、大地が揺れ、地面のそこかしこから黒い靄を纏った不気味な人間が姿を表した。




