戦場
はあ?!と思われるかも知れないが、マルナ一人である。
この意味が分かる者は真の強者と言えよう。
普通であれば、たった一人で数万の軍勢と戦わされるなど死ねと言ってるようなもの。
だが、マルナは一度とは言え国を侵略し建国したと言う実績がある。
たかが数万。敵として数えるまでも無いのだろう。
それを証明するかのように、マルナの目には警戒心と言った者はなく、獲物を見定めるような目をしていた。
(イケメンが沢山いるわね。私のおもちゃが増えるわ)
マルナの妄想を通して目から見える光景はとてもでは無いが人前で話せる物ではなく。
ただ唯一言える事があるとしたら、数百年前よりも欲望に歯止めがなくなった事だけ。
ゆっくりと優雅に進むマルナの姿は遠くに見える軍勢にも見えており、敵側は王一人な事に対してバカが一人でやって来たと声を上げて笑う。
「ふふ」
(ああ……良いわ。勝利を確信した表情。これだけの軍勢に対して私ただ一人。明らかな戦力差に揺るぎない勝ちを確信して笑い声を上げたくなってしまうのも分かるわ。その確信が裏切られた時、どんな絶望の表情を見せるのかとっても楽しみ)
わざわざその光景を見たいが為に、一人で来たというマルナの精神はイカれている。
(はあ❤早く彼等の絶望の表情が見たい。隣で笑い合っていた仲間が次の瞬間には死に絶え、その次の瞬間には自分も死に絶える光景を生み出したい❤)
猟奇的な思考をしながらも、その望みを叶えるべく手を上に掲げる。
「星天魔法スター」
短い文語を口にした瞬間、マルナの真上に巨大な……あまりにも巨大な星が出現した。
突発的に出現した星に敵軍は唖然とした表情を浮かべるが、それもまたマルナの嗜虐心を刺激し恍惚な笑みを浮かべる。
「さあ。私のご褒美を受け取って❤」
マルナは手を振り下ろす。
星は術者の指示に従い敵軍へと向けて落ちる。
ゆっくりと、亀のようにゆっくりと……逃れられない絶望を見せつけるように―――
―――そして星は落ちた
次話はグロ注意です。




