表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40/41

ポヨポヨを抜けて

サンドイッチでお腹を満たしボク達は休憩を終えた。

お昼を食べてきてはいるものの、あんだけ動くとお腹も減ってくるよね。


「さて、戻された分を巻き返さんとのう」


「よし行こっか」


「頑張ルゾー」


心機一転、先に進み出す。

道中色々なポヨポヨは出てくるけどもジャイアントが出てくる気配は無かった。

数もまばらで複数出るときもあれば単体で出てきたりもする。


特に苦戦を強いられる事もなく順調に歩みを進める。


順調過ぎて少し気も抜けて来た頃、それは唐突に始まった。


「……何か多くない?」


「多いな、明らかに」


「いっパい~」


前方からポヨポヨの集団がやって来た。

まあそこまでは普通なんだけど……


それが次から次へと現れてくる。

気がつけば周囲にまでポヨポヨが集まって来た、何これ!!


「こいつはいかんな……」


向かってくるポヨポヨ達をハンマーで吹き飛ばしながらフーワが呟く。


「多すギー」


ライムもナイフで切り刻んでいくけど、減るどころかドンドン増えていく一方だ。


「ど、どうしよう?」


ボクもファイヤーで燃やすけど、辺り一面ポヨポヨで溢れている。

このままだと物量で押しきられちゃうよ。


「後手に回っていてはこちらが不利じゃ、ここは無理矢理前に進むぞい!!」


二本のハンマーを振り回し進み始めるフーワ、それしかないか。


「分かった!!」


「うーイ」


ボクとライムも続いて前進していく。

前方をフーワ、側面をライムが崩し、ボクは後方へファイヤーを打ち込んでいく。


ポヨポヨ自体は弱いんですぐ倒せるんだけど、倒しても倒しても押し寄せてくる。

まるでポヨポヨの波だ。


落としたアイテムを拾う余裕もありゃしない、片っ端から排除して少しでも前に進む。

後先考えずに魔法を撃ってるので魔力が底を尽きそうになる。

隙を見計らって魔力ポーションを飲んでいく。


……これポーション足りるかな。


前進を始めてどのくらい経っただろうか。

相も変わらず押し寄せるポヨポヨ達に変化が見られた。

違う色のポヨポヨが混じりだしてる。


「ねえ、何か混じってない?」


「ああ、こりゃ不味いぞ、ラーヴァが紛れこんどる」


「炎吐いてキター」


飛んで来た炎をライムがナイフで叩き落とす。

只でさえ面倒なこの状況で遠距離攻撃まで飛んでくるなんて勘弁してほしい。


「……いかんな、こんなもんまであるのか」


前を突き進むフーワが呟く。


「どうしたの?」


「側面と後方にストーンウォールを張ろうとしてるんじゃが、どうやらここでは使えんらしい、発動せんのじゃ」


なんと、魔法封じとは。

ファイヤーは使えてるから限定的なのかな。


「じゃあひたすら倒すしかないってことだね」


「楽はさせて貰えんらしいの」


「ドンドン片付けヨウ」


数は少ないものの厄介なラーヴァは率先して倒し、着実に歩みを進める。


それからどれくらい経ったか、絶え間なく続くポヨポヨの襲撃にうんざりし始めた頃、唐突に道が開け広場に出た。

奥には階段らしきものが見える、あそこで終わりかな?


「やった、ゴールだ!!」


「……いや待て、喜ぶのはまだ早いようじゃぞ」


フーワが足を止める。


「あれを見てみい」


フーワが指を指した方を見やると、前方に沢山の魔方陣が光っていた。

そしてそこから色とりどりのポヨポヨ達が無数に出現した。


「どうやらこれを抜けんといかんようじゃな」


「うェーだっルー」


「うわぁ……何この数……」


今ませ見てきたポヨポヨ種が大量に混ざっている。

ゴールデンやジャイアントは居ないけど。


「どうせこれで最後じゃろ、気張って行くぞい!!」


フーワが真っ先に突っ込んでいく。

ライムも続いてナイフで凪ぎ払い、ボクは後ろから追ってきたポヨポヨ達を倒していく。


飛んでくる炎に氷、毒やら酸を何とか回避し、手当たり次第倒していく。


「全く、どんだけ湧いてくるんじゃか!!」


「おりゃオリャー」


叩き潰され切り刻まれ、次から次へと倒されていくポヨポヨ達。

後ろから来なくなったのでボクも魔方陣から出てくるポヨポヨを退治し始める。


果たしてそれからどれだけの数を倒したのか。

数えるのも馬鹿らしいくらい殲滅し、気がついたら魔方陣は輝きを失い、ポヨポヨも出てこなくなった。


「お、終わった……のかな……」


「みたい……じゃのぅ」


「疲れター」


ヘトヘトになって地面に座り込むボクとフーワ。

ライムは大の字になってドサッと寝頃込んだ。


「も、もう来ないよね?」


「……のようじゃの」


フーワが周囲を見るが新しくやって来る気配もない。


「もうムーリー」


はぁ……ここまで物量に任せてくるとは。

いくらポヨポヨでも限度ってもんがある、またこんな事になったら面倒だね。


「はぁ~疲れたわい……下に降りたら一回帰るとするか……」


「は~い」


「う~ィ」


何とか身体を起こし、ボク達は落ちてる大量のアイテムを回収して、

階段を降りて行った。


いやはや、今のままだとこの先思いやられるなぁ……戦力が厳しいや。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ