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たぶん9千5百年くらい前の古代オリエントのエリコに転移したけど意外とのんびり暮らしてる件  作者: 水源


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キムベト・クムランの所有権を示すために洞窟脇の崖に目印をかいておこうか

 さて、キルベト・クムランにすでに俺達が住んでいるということを示すために旗を作るつもりだが、布を織るためには機織りのための道具や機械がないととても大変だ。


 なので旗を作るのはエリコに戻ってからにするとして、とりあえずでいいので目印になるものを作っておきたい。


 で、いちばん簡単なのは洞窟や洞穴などの入口脇の崖に何かを書いておくということだな。


 目印をつけるためには崖を掘ってもいいんだが、先土器新石器時代の現状では金属器がないので掘るという作業が大変だと思う。


 で、洞窟の壁に何かを書くということは最も古いものでは4万年以上前から壁画が描かれていて、それには赤などの顔料となる赤土などが使われていたようだ。


 洞窟壁画というと動物の絵などが有名だが、単純な手形なども多いらしいな。


 基本的にその頃の人間は季節ごとに獲物や食料となる植物を追って移動しながらの狩猟採取をしていたはずなので、住む洞窟の取り合いになったりしたこともあるかもしれないが、基本的な人口密度がうすすぎたりするのであまりそういうことは起こらなかったのだろう。


 まあなにせ生まれても半分以上は成人する前に病気などで死んでしまい、成人しても成人として認められる所領の腕前などを示さないと集団から追放されて野垂れ死ぬという時代だしな。


 そして、俺達帰りこの住人であることを示すためによさそうなものとして、現代においてエリコの紋章になっている輪っかの中に六角形を横倒しにして真ん中をくり抜いた"目"のような形をしたものがあるが、とりあえず同じようなものを書いてみることにする。


 いわゆる六芒星や籠目・ダビデの星と呼ばれるものをもう少し複雑にしたものだな。


 そういうわけで俺は暁を取ってきたあと動物を狩って、その肉や骨などと血と脂肪を取り分けた。


 軽く食事をしたあと作業に取り掛かる。


 塗料はベンガラと呼ばれる酸化鉄、要するに錆びた鉄の混じった赤土に先程取り分けた動物の血と脂肪をまぜてゼリー状にし、木の棒の先にそれを塗りつけて書いていく。


 洞窟壁画で使われた塗料には赤の他にマンガン酸化物や木炭を使った黒、黄色土を使った黄色、石灰や貝殻粉、カオリナイトを使った白、セラドナイトを使った緑などがあるが多いのは赤と黒だな。


 理由としては材料が手に入れやすいというのが大きいようだが実際やってみればよく分かる。


 そうやって俺が目印を書いているとアイシャが声をかけてきた。


「とーしゃ、なにやってるのー?」


「ああ、ここはもう俺達が使ってるんだぞっていう目印をかいておこうとしてるんだ」


「よくわからないけど楽しそー。

 あたしもやるー」


「あ、ああ、じゃあてつだってくれるか?」


「あーい」


 そう行ってアイシャは赤いの顔料を手に塗りつけ、ペタリと手形を俺の書いた目印のしたにつけた。


「これであたしもいるってわかる~」


「ああ、なるほど」


 たしかに手形というのは有名人が記録を残したいときなどに現代でも使ったりするな。


「アイシャは賢いな」


 俺がそう言うとアイシャは嬉しそうに笑った。


「あたしかしこーい」


「じゃあ俺もやっておくかな」


 と俺も手形を付けたところアーキルとリーリスがやってきた。


「なにか楽しそうなことをやってるわね」


「ぼくもやりたーい」


「ああ、じゃあみんなでやろうか」


 こうしてエリコの紋章の下に俺達家族の手形が残されたわけだ。


 とはいえそんなに長くは持たないだろうから、時々書き直す必要があるけどな。


 何万年も前のネアンデルタール人やクロマニヨン人などが描いた洞窟壁画が残ってるのは洞窟の奥で風雨や直射日光、寒暖差、動物の糞尿などにさらされない環境だからだ。


「えへへーたのしー」


「たのしー」


 まあ、子どもたちは楽しそうだし定期的に書き直しでも問題はなさそうな気はするがな。

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》現代においてエリコの紋章になっている輪っかの中に六角形を横倒しにして真ん中をくり抜いた"目"のような形をしたものがあるが、とりあえず同じようなものを書いてみることにする。 流石にこれは、文章だけだ…
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