絶叫系彼女
そこのお前。
そうだ、お前だ。
この話が読みたいか?
なら、
前回の誤字を見つけてきな。
作者は直し方がわからなくて困っている。
クックックッ。
by 宮義 麗央
今日は某遊園地に遊びに来てる。
俺達の他には二人。
俺の親友でベビーフェイスなプレイボーイの敦士【あつし】。
ちなみにコイツもサディストだ。
何で俺の周りはコンバットな奴らが集結するんだろう。
それから敦士の第一秘書も同席。
いや、同席じゃなくてきっと強制連行だ。
俺が嫌がる日菜を勝負で負かして連れてきたように。
ふっふっふ……
そこのお前。
そうだ、お前だ。
どうして俺が興奮してるか解るか?
解らない?
なら、玄米フレークを犬食いしな。
勿論、牛乳はたっぷり目だ。
いいねぇ。じゃあ教えてやる。
敦士が仕入れた情報だが、日菜は絶叫系がダメらしい。
更にオイシイことに、高所恐怖症という絶妙なスパイスつき。
た……たまらん。
この間の三角巾事件のお礼だ。
今日こそ手の上でいじくり回してくれる!
敦士が口を開いた。
「どこ行くー?」
奴もノリノリだな。第一秘書の弱みでも握ってるんだろうか。
俺は返す。
「やっぱり絶叫系だろ? なぁ……日菜」
笑いが止まらねえ。実に愉快だ。
あの日菜が今日は普通の女の子と化してる。
絶叫系って言っただけで、すっげぇ戸惑ってるぜ。
クックックッ。
そうだ、もっと怯えな!
そして俺に跪け!
パンツの件は申し訳ありませんでしたと!!
あぁ、気持ちよすぎて倒れそうだ。
これで少しは俺の気持ちがわかるだろ、日菜!
あの全治一ヶ月の絶叫系アトラクションの恐怖が!
ふっふっふ、アッハッハ!!
「麗央ーっ! 置いてくよー!!」
さぁ、共に行こう。お前の地獄へ。
そして俺の楽園へ。
ーーーー
プシュー。
さぁ、地獄への始発列車が到着したぞ。
日菜は俺の隣で、すっかり怯えきってる。
なんて可愛いんだ。いつもこうなら最高の彼女なんだけどな。
まあいい。
列車に乗ろう。
この安全ベルトがなければもっと興奮できるんだが。
ガゴン!
俺達が運ばれていく。
まだゆっくりだ。
どんどん坂を上昇してる。
日菜は…
顔青いなぁー、クックックッ!
硬直してやがる。
そうだ、もっとビビれ!
俺にごめんなさいと泣き叫んで謝りな!
……おっと、列車が頂点に達し
ゴオオオオオォォォ!!
「ギャアァァァ〜!」
「うおぉぉー!」
日菜の断末魔の叫びが聞こえるが、喜んでる場合じゃない!
息が、息苦しい!
臓物ズレるってこれッ!!
誰だこんな人格破壊マシーンを開発したのはぁ!
日菜っ!日菜は!
ゥワッ!
こっちも色んな意味で絶叫だ!
お前デコ広いぞ!
取れそう!
なんか取れそう!!
バシッ!
ぶっ!
か、顔に何か…
ああああ、本物だぁ!!
スーパーキャッチしちゃったよ!!
困る!!
誰に、一体誰に返せばいいんだコレッ!!
いいや、ヅラ片手に乗ってしまえ!
ゴオオオオオォォォ〜!
「……ぉ!麗央!!」
何だよ敦士! 俺は今色々と忙しい……って、
ウワッ!
日菜が失神してるっ!
待て待て待て待て!俺は片手が塞がって…
ええぃ!
もうヅラ放棄!
大空を飛んで行け!
左手でレバー掴んで右手で一応日菜をおさえ……
ゴオオオオオォォォ!!
うわぁぁぁ、急カーブ!!
もういい!
日菜! 短い間あり……さようなら!!
落ちるなら勝手にどうぞ!
ゴオオオオオォォォ!
イヤァァァァァ!!早く停車してぇー!
ーーーー
プシュー……
地獄だった。俺にとっても。
とにかく俺は、失神して落ちてくれなかった日菜をベンチまで抱える。
何やってんだろ……ホント。
敦士達までノビた日菜の看病に付き合わせるのは悪いな。
「お前らは遊んで来いよ、俺は日菜についてるから」
本当は、この場に危険物を置き去りにして家路に着きたい。
でも……
一応、この危険物は俺の所有物だからさ。
責任持たないと。
「じゃあ回ってくるよ。日菜が起きたらメールして」
「ああ」
俺はマジマジと彼女の寝顔を見つめてみる。
実は見たことないんだよ。
俺達、まだだから。
一回それっぽくなったことがあったんだけど、どっちが上かで喧嘩してやれなかった……。
笑うな。
ゴキブリ差し上げるぞ。
可愛い寝顔だ。
このまま首輪つけてやりたいくらいだ。
いつになったら俺らは恋人らしくなれるんだろう。
今は毎日喧嘩や争いばっかりで、正直、別れたい。
このサディストの血さえなければ、とっくに日菜を手放してるだろう。
日菜も俺と同じこと考えてんのかな……?
俺らが一緒にいる意味って、……もしかして無いんじゃないか?
だって、そうだろ。
俺達を繋ぐものは、
意地しかないんだから。
前回の誤字を訂正しました。
お騒がせして申し訳ありませんでした。




