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36 くそぅ! ゾンビからは逃げられない!!

 お互いに……始めは恥ずかしくてチラ見する状態になってる。

 お互いに、あんなに待ち望んでたのにね。


「エリュシオン様……お、お元気いっぱいでなによりですっ」


「ダ、ダブルダンジョンの効果がバッチリだね。もう脱走しないようだよ」


 あはは、うふふ、って、謎のキャッキャムーブしつつも……僕のピラミッドはリゼッタにビンビンに反応している。

 僕のチソチソレーダーは感度良好ですっ。


「なんか……破裂しそうになる。ほら、心臓が」


 僕の胸にリゼッタの手を押し当てる。


「私の鼓動もお試しになるでありますか?」


「ンぐっふ、さ、さすがに女の子の胸を無造作にはっ! そ、そうだ、一旦オチツコウ! 洗い終わったんだし、一旦落ち着くために温泉につかろう」


「ふへ……ンッ、気になさらなくても構いませんが。ですが確かに私たちは興奮しすぎておりますな」


 恋人つなぎのまま、僕たちは湯船に向かう。

 僕はリゼッタの胸を。

 リゼッタは僕のピラミッドを。


 お互いが、お互いのユラユラピョンピョン部位をチラ見しちゃってる。

 高性能な僕たちは、そのことにももちろん気付いてるよ……。

 なにこれ!?


 恥ずかしいけど、興味津々で、相手が自分の性的な部分を見て興奮しているのを確認したうえで、それによって自身も興奮するという。

 なにそれ?


 世の中の恋人って、こんな感じの変態性をお互い持ってるものなのかなあ。


「な、なにもかもが初心者なのに……こんなことして大丈夫なんだろうかっ!?」


「だッだいじょぶでしょう! 私たちはお互いを……求めているでありますよね?」


「もちろん! 僕は……僕はリゼッタに出会ってからずっと、考えなかった日はなかったよ」


 ゲームを始める前に、動画でリゼッタを見てからずっとだね。


「私も不敬なのは分かっておりましたが……想いを抑えることかなわず!」


「ンむっ」


 そういえば恋人になったのも、リゼッタのちゅーからだった。


「ンッ、エリュシオン様……」


「リゼッタ」


 僕たちは熱耐性が付くまで、お風呂で触りっこしてしまった。


「い、位置が玄室とはズレてるしっ、ココッ、ココッ」


「ねねね念のため、でありますっ」


 スキル発現で一旦冷静になったので、温泉から出ることにした。

 ほ、本番は……高出力のピラミッドパワーが必要だと思うッ!!

 僕たちは今まで我慢してきたものを吐き出すように、お互いを求めあった。


 このために作ったと言っても過言じゃない──ピラミッドダンジョンの中心で。


 求めあってしまった……凄く、存分に。

 夢中だったから気付かなかったけど、1日経ってたような気もする。

 ゾンビってタフ。


 凄く凄い。


 僕はやっとリゼッタを守れた気がする。

 僕のせいでゾンビになったんだし。


 限定的ではあるけど、僕のダンジョンの中なら、もうなにやったってリゼッタはリゼッタのままでいられるからね!

 これを機にきちんとしよう。


「リゼッタ……その……ぼ、僕、僕……」


 ちゃんとリゼッタを見ながら言う!

 クッ、頑張る僕を見て、リゼッタはお姉さんの顔してるけど!


「僕と結婚して欲しい」


 目が見開かれた。

 うわあ、凄いキレイだ。


「お、お嫁さんになってくれないかな?」


 答えは"濃厚なちゅー"だ。

 このお返しは幸せな気分でいっぱいにさせてくれたね!


 ◆


 結婚の儀式関連を手配しよう。

 さすがにリゼッタも、魔族風な族長の一声で結婚式終了ってイベントは求めてないと思う。だから人族的なの一択になるだろう。


 かといって参列者なんてものはいらないし、そもそもいないからな。

 神様っぽい石像の前で宣言するって感じになるかな。

 教会は……ゴージャスなのか?


 森に隠された小さな教会のほうが神秘的で僕たち好みかも?

 立派な教会で2人だけってのも変……だしな。

 よし。


「リゼッタにお昼ご飯頼んでいい?」


「は。……なにか図りごとでありますかな? エリュシオン様」


 バレているッ!


「実はねっ。たくらんでいるのさ」


「普段でしたら一緒に作ろうと、おっしゃいますからな! ふふ、では確かに承りました」


 そ、それは確かにそうだ……。

 まあノってくれたのでヨシってことで、今のうちに作っちゃおう。場所は滝の辺りでいいかな?


 隠れ家カフェの反対側に設置することにした。

 森デートのあとに結婚を宣言する!

 指輪も!


「こっちだよ、リゼッタ」


「ははっ!」


 気配を感じてるのか、リゼッタもちょっと硬いね。

 ははっ、じゃないと思うけど、僕だって変なことを言いかねないくらい緊張してるからな。


「お、おちおちオチツコ」


「でででありますナッ」


「ふはっ、なんかこないだからさあ、一旦落ち着こうみたいなことばっか言ってる気がしない?」


「ふふふ、確かに。私たち、興奮しっぱなしでしたから」


「今までだってずっと一緒だったんだ。これからだってずっと一緒にいようねっていう宣言みたいなものだよな」


「はい。私にはもったいない、夢のような未来に到達しました」


「僕だって」


 もう死んだっていいっていう現実に、死人スタートしちゃったからなあ。

 謎。

 でも最高。


「ここ、ここに立って欲しい」


 新しく作った教会を興味深そうに見てるので、石像の前に来て欲しいと頼む。


「はい、ただいま!」


「リゼッタに出会ってから、僕の人生は凄く楽しいものに変わったんだ。だから……その、これからはリゼッタとその楽しさを共有していきたい。ずっとね。

 僕と……僕と結婚してください」


 僕はリゼッタの手を取り、指輪を付ける。

 誓いの指輪。

 作法は知らないので……自分のは自分で付けた。


 た、たぶん男女どっちも付けるよね?

 あれ? もしかして男のは女の子に渡しておくのか?

 いや、もう遅い。


 やっちゃったことは変えられないっ。


「もちろんであります! 私の人生はエリュシオン様ありきのもの。これまでもそうでしたし、これからだって変わることはあり得ませぬ。

 生涯お供すると誓いましょうぞッ!!」


 やった!!


「ふふっ、ありがと! リゼッタに相応しい夫になるように頑張る」


「私もエリュシオン様の妻に相応しくありたいです」


 リゼッタはニコニコって側にいてくれるだけで、僕は頑張れるよ。

 僕はリゼッタを引き寄せ、ちゅーを……──


 ──バァンッ!

 と教会のドアが開いた?


「な、なんだ!?」


「チョーッと待って欲しいんだけどっ!」


 は?


「ぼ、僕!?」


「エリュシオン様がお2人!?」


「お前から分かたれた我が名はソチ! 魔人ソチ、ただいま参上っ!!」


 リゼッタはもらうとか言い出したぞ、あっちの僕。

 ソチ?

 僕から分かれた……ソチ?


「え? もしかして、さまようチソチソ!?!?」


 そ……ちん……といいたいのか!?


「まさか!? 生きていたのでありますか!?」


「い、いや、確かに元気いっぱいで去って行ったけど……」


 腐り落ちたチソチソだぞ……。

 復活すんなよ、そんなのからっ!


「はははは、今日のところは顔見せだが、明日からは背中に気を付けるんだな! 僕は家出四天王の頭脳担当ね! 覚えとけよなっ!」


 はーっはっはとか高笑いしながら去って行った、僕っぽい進化型チソチソ……。

 ピラミッドの神秘なのか!?

 ロクでもねぇ……。


「な、なにがしたかったのでしょう?」


「分かんない」


 分かんないけど……脱走した僕のパーツはちゃんと処分しないとヤベェってのは、わかった。

 家出四天王とか言ってるから、他には腸から成長したのもいるっぽいし。


「どこまでも邪魔してくるね……ゾンビ成分」


「でありますなあ」


 ゾンビ探知機作んなきゃだ。

 新婚初夜に。

 くそぅ! ゾンビからは逃げられない!!

これにて完結です。

ここまで読んでくださいまして、ありがとうございました!!

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