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14 犯人だから現場に戻るべきなのである。

 落ち着くまで待ってから、別ルートでさっきの商店街に戻ってきた。

 街中ゾンビ事件のその後を確認しないと。

 犯人だから現場に戻るべきなのである。


 認識を誤魔化す系の偽装だから平気だとは思うけど、念のために見た目は別の姿にしてるよ。偽装の指輪を交換するだけだしね。

 今はモブ冒険者PART2。


 騒ぎの中心の野次馬の中へ。

 周囲の野次馬を捕まえて、なにがあったかを聞いてみた。これはどういう認識をされてるかの確認だ。


 まとめると──

 街中に魔物が出たという話になっている。

 冒険者と兵士が見回り、騎士は門のほうに駆けて行った。

 機動力を生かして捜索するようだ。

 兵士が聞き取りしている。

 2体いた。

 突然沸いた。

 突然消えた。

 空から降ってきた。

 いやいや、飛んで逃げた。

 べドゥヂボンダバという名を聞いた。

 なぜ名と? もう一体が反応していたから。

 かなり臭い魔物だった。

 ──といった感じ。


 ゾンビというのを把握してる人間は少ないか?

 偽造魔法が効いているのか、それでぼんやりとしあ情報が兵士に伝わっていくようだね。リゼッタと頷き合って現場を離れる。


「大丈夫なようであります」


「ああ。買い物を続けるか」


「はっ」


 買いそびれた調味料や香辛料、生活用品と冒険者用品のセットなどなど。それから布、革、金属や宝石とか、クラフトに使う素材なんかも買っておいた。ここからあそこまで買うっていう、お金の暴力を行使する日が来るとは思わなかったな。


「ダンジョンを作る場所だけどさ」


 買い物終わって空の上。

 秘密の会話にはもってこいの場所だ。


「おお、ついにでありますか!」


「うん。実は神の峡谷に浮かべようかと思ってるんだ」


 ゲームじゃないからイケるはず。

 ルールには縛られないムーブなのさ。


「え!? は、ははぁっ。エリュシオン様に捧げた命! このリゼッタ、どこまでもお供いたします!!」


「捧げなくても大丈夫だって」


 ただの宇宙空間だし、裏世界に作るんだし、ダンジョン制作には関係がないと思うんだ。

 そもそもマップ上に旗を刺して心臓を捧げるだけだし。


 そう、ダンジョン作成の条件は魔王の心臓なのです。

 もいでコアにするんだ。

 だからダンジョンコアを取られると、魔王は死んじゃうのさ。

 

 ちなみにダンジョンを別の場所に移転したいとき、ゲームじゃ課金だったよ。無課金の場合は時間がかかる系。心臓が魔王に戻されたら、野良ダンになる感じ。勇者の精霊の箱庭も同じ感じのはずだ。


「魔界と人界の移動を考えると、表に作る出入口の場所は大事だ」


 表と裏の違いはあるけど、距離が関係しちゃうから気にして作らないと。

 表裏一体なだからさ、裏世界って。


「なので人界側はこの街の近くにしようと思う」


「効率は大事でありますものね!」


 ご飯が美味しい街はかなり大事。

 あと素材的なコストも。

 出入口はダンジョン予定地の神の峡谷に近ければ近いほど、お安く仕上がります。


「魔界側はどうかな」


 大きいダンジョンの入り口近辺なら魔族も多く住んでそうだけど、魔族の文明は衰退って言ってたしなあ。


「もう時代が違いますからね」


「ま、行かないと候補地も決められないか」


 ってことで僕たちは魔界側の出入口候補を探すために、低難易度ダンジョンに突入した。記憶してた場所に目的のダンジョンが存在してたので、ゲームの知識はちゃんと使えると分かった。


 さて、プレイヤー特権は使えるかな?

 僕はファストトラベル機能のダンジョンエレベーターを……。


「どうやって起動するんだろうか? え、と、ちょっと待ってて」


「はっ」


「えーっと? エレベーターオン! 違うか。エレベーターオープン……?」


 ハッ! 今まですっかり忘れてた。


「ステータスオープン──あったあった! お待たせ」


 では改めましてメニュー画面からポチって、地下10階に移動だ。

 足元に現れた魔法陣が光る。

 移動先は人のいない場所に自動で設定されるみたいだ。


 セーフだったけど無造作に起動させちゃったな。


「マップが前と一緒かどうか調べよう」


 地図魔法を起動。


「いかがでしたか? エリュシオン様」


「軽くチェックしてみたけど、深くなってるな。階段がある」


「そういえばあの時代、なぜ簡単に行き来可能な状態にしていたのでしょうか?」


「それが作るときの制約だったんだよ」


「なるほど、私には知るすべのない知識でありましたか」


 魔王だけしか知り得ない情報、ってわけじゃないのであります。

 通行許可のチェックポイントが10層目にあったのは、単純にプレイヤーの交流が盛んだったからなんだよね。


 チェックポイント設置の最低ラインは10層だったし。


 でもほら、現実になったこの世界じゃ魔族と人族は敵対してるから、交流があったなんて言えない。

 元々はゲームだなんて説明できないしさ。


 なのでそういうことにしておいてもらいましょ。


「探しながら攻略して行くしかないか」


「浅い階層ですので戦闘の調整にもならないであります」


「サクッと進もう」


 知らないところもマップ見ながら進めるから、出口まではホントにサクサク進めた。

 ここの魔王がツウロさんじゃなくなってるから魔物も襲ってくるんだろうなあ。だって魔界と人界の移動専用ダンジョンだったし。


 現魔王には悪いけどガチでサクサク処理する。


 そしてサクッと魔界へ到着。

 街があった場所を目指して飛んだんだけど……。


「やはり大自然であります」


「そだね」


 村が比較的近い場所に点在してる場所を発見。

 元々はプレイヤーが多くいた街のあった場所、だな? ここ。

 その周囲に村があるって感じになってしまってるね。


 大自然力、侮りがたしだ。

 森ちからがつよつよで、分かりづらかったよ。

 ということは、大手さんのダンジョンが向こう側だから……。


「街のあった場所に出入口を設置しよう」


「よい場所が空いていましたな!」


「しかりしかりぃ!」


 やはり神の峡谷付近は人気だから、村もできていくってわけだ。


「濃い目の魔力は僕たちにはいいんだけど……楽しく遊ぶなら人界になっちゃうな」


「せいぜい利用してやろうではありませんか!」


 デートするなら人の街という結論が出た。

 魔界からはDP稼ぎ用の人材を、ダンジョンに入れるくらいになりそうだ。励んでもらってDPを落としていってくれぃ。

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