第十四話 アナタの周りにうつるもの
「どうだペラン、記念に魔法光画で「写板」を撮ってみては」
「魔法光画かー」
魔法光画。「写板」と呼ばれる盤面に、その場の風景、人物などを写し描く事ができる機器。この際魔法を使う。
この魔法光画、鮮明に風景等を写し描くことが出来るのだが、誤魔化しが効かない、大量に魔力を使うため技術習得が非常に困難、それゆえ扱える者が少ない、お値段が高い等問題多数ある。そして。
「でもあれお高いしな」
「知り合いで格安で出来るやつが居る」
「トラブル、機器故障、失敗が多いって聞く」
「失敗したら無料にするさ」
1番の問題はその失敗率。その確率なんと驚異の90%。魔法光画が流行らない最大の理由はコレだろう。
「そこまで言うなら」
「連れてくるよ」
トラマは俺の前から立ち去っていった。
「あまり乗り気じゃないのね」
「さすがに90%失敗するんじゃな」
「まーねー」
1時間後、トラマが魔法光画家を連れてきた。
「いつもお世話になっっております、ペラン様。ロックと申します」
「あれ、前にウチの国に来た人か」
「そうだ」
「はい。魔法光画屋を営んでいたんですが儲けが少なく廃業に。良い技術だからと様々な人から目をかけてもらっていたのですが」
「仕方ないな」
機材を用意するロック。
「それでは、撮らせていただきます」
「うむ。格好良く写してくれ」
「それは限界があるわね」
「ちょっと表情がかたいですね。笑顔で」
「こ、こうか?」
(ひきつってるわ)
「それではいきますよー、ハイ」
「ズドーーン」
大きな爆発音が鳴る。これは魔法光画の特徴でもある。どうやら写し終わったようだ。
「なんだー!?」
事情を知らない人は何が起きたかと周りを見渡しているようだが。
「カシャン」
機器の中から写板を取り出すロック。
「トラマ様ちょっと」
「ふむ?」
ロックに呼ばれ側に行くトラマ。何かあったかな?
(やはり駄目か? 写ってはいけないものが入ってしまったか?)
(はい)
(専門用語で心霊写板って言うんだったな。なんだか変なものが写ってしまう現象。失敗の原因はほぼコレ。こんな物客に見せられないからな)
(そうなんですが今回はそれだけでなく)
ロックは写板をトラマに渡した。
(こ、これは!?)
(はい、いつもは写っても人影とか光っている物質とかが少々写る程度なんですが)
(……集合写板みたいになっているな)
(数十体写ってますね)
(フレンドリーにペランに肩に手を回していたり、尻を向けて叩いていたり、なんとも自由な心霊写板だ)
(しかしこれ入りきってないな)
(まだまだたくさんいるかも)
(ちょっと気になる)
(私も)
「どうした?」
「失敗です。久しぶりだから機器が故障していたようで」
「そうか」
「申し訳ありません、これで終わりということでお願いします」
「ふむ」
「それからちょっとこの後試しに色んな場所で撮ってみようと思うので、お気になさらず」
「了解した」
撮るたびに爆音がする。断っておくのは礼儀だよな。
「ズドーン」
「これは」
「やはりかなりの数が。多すぎて人員整理している人影も居るな」
「「順番に並んでくださーい」って声が聞こえてきそうですね」
その後数回爆音が。トラマと一緒に試し撮りしているようだな。
「ズドーン」
「トラマ様、コレも」
「これは凄い」
「ペラン様の背後に人影が見えるんですが、彼らは多数重なっていますね。そしてその数が多すぎて雲を突き抜けています」
「どうなっているんだこれは。あ、下の人影さんはちょっと苦しそう」
「この人達が写っていても生活には全く問題ないんですけどね。気味が悪いってくらいで」
「そうだったな。何件か調べたけど全く問題なかったんだった。正体不明だけど」
「じゃあいいか。よし、このまま故障ってことで」
「了解しました」
トラマがこちらへ。
「直せそういないとさ」
「そいつは残念だ」
「ちなみに最近調子が悪いとかはないよな?」
「無いな、絶好調だ」
「そうか」
「どうかしたか?」
「いや特には、じゃあな」
トラマはまたロックの方へ。
「魔法光画、やっぱり駄目だったわね」
「だな。今度絵でもかいてもらおうか」




