隣人
かつて9年間暮らしたアパート。鉄筋コンクリート造七階建ての七階。南側のベランダの向こうには第一種低層住居専用地域が広がり、東京から新宿から中野から富士山まで全てが見渡せるというなかなかの好条件。
北側には100mほど離れて西武池袋線の線路が通り、その向こう側には練馬の高級住宅街“向山”と、いつも何か別のモノにされるに違いないというウワサだけが独り歩きしがちな遊園地“としまえん”。
基本の間取りが1Kなので、基本の住人は単身者。のハズなのですが、若めの住人が多めなので、夏の夜なんかはいろいろと聴覚的にいろいろとされたり、してたりしてました。
まぁ、それはさておき、ウチの隣の部屋には少し上の世代の女のヒトが住んでました。ごく稀に顔を合わせることがあったものの、挨拶を交わすことすらないようなないようなそんな間柄。たまに中年男子が一緒に入っていって、何事も起きず、と思いきや、とつぜん緊急通報ボタン押しやがって、廊下中に警報音流しやがって、オレの部屋のドアぶったたいて、復帰用にマイナスドライバー貸せとか、もういい加減にしてください的な25時だったりしたことは一回だけありました。
十年ほど前まで、としまえんでは夏休み中の日曜日(土曜日だったかも)に花火をたくさん打ち上げてくれるというイベント(まぁ俗にいう花火大会ってヤツ)をやってました。アパート北側の開放廊下から見ると、まぁ目の前にドーンと広がってくださるわけで、この日ばかりはアパート住人全員とその相方全員が居並び、普段は人気のない廊下も賑やかな小一時間を迎えるわけです。
まぁ、相方いたけど帰ってこないから缶ビール(金麦はまだ無かった)片手に一人で眺めてると、隣の部屋の女性も同じコトしてて、一回は声かけようとしたけど、ためらわれ。来年こそはと思って。翌年も同じ感じで。とうとう花火大会が中止(お膝元の向山住宅から降灰的な苦情が来たらしい)になりました。
以降、結婚して引っ越すまで、ほぼ顔を合わせることもなかった隣人。元気でやってるかな? 大きなお世話か。




