表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
赤ちゃんと高校生男子の日常。  作者: 夜凪


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
27/35

27

お母さんに比べて、お父さんの存在ってなんか軽いと思いませんか?

泣きじゃくってたハルと姉貴が落ち着いて、隣の和室に消えていった。

久しぶりに授乳するそうで、……そっか、混合だったんだなぁ〜なんて……。

うん。なんだろう。なんか、照れるよな。

しょうがないだろ。純な高校生なんだから。

ミルクあげてた身としてはなんか変な感じなんだよ!!

あ、でも、あれって精神安定の作用もあるって書いてあったし、赤ちゃんには大切……

うん、動揺しすぎだ。落ち着け、俺。



母さんと父さんは、「今夜はご馳走だ〜」と浮かれて買い出しに出かけ、結果、リビングには高城さんと俺だけが残された。


「そういえば、ハルの力を封印できるかって話でしたけど」

向かい合って、ふと思い出すままに質問すると困った顔をされた。

「ソレなんだけど、これだけ小さいと難しいんだよね。封印の方法って、基本は暗示なんだけど、言葉も覚束ない子にはかかりにくくってさ。一番効果的って言われてる方法はチョット使いたくないし……」


「………ちなみにその方法って?」

何となく、聞か無い方が良い気はするけど、とりあえず………。

「………力を使う時に特殊な波動が出るんだけど、それを読み取った瞬間電撃を流す道具があってね。使おうとする力の強さに比例して流れる電撃の強さも強くなる。静電気位から気絶するくらいまで」

「うん。止めましょう」


速攻で拒否を示した俺に高城さんが笑った。

だって、あんな小さな子に電撃って……。

ありえないでしょ。

「まぁ、暫くは僕も日本に居れるし、様子を見るよ。どれ位の力があるかも確かめないとだしね」

優し気な微笑みを浮かべ、カップを手に取る様子を眺めつつ、そういえば、もうひとつ確認したかった事を思い出す。


「高城さんって、どんな力が使えるんですか?」

「僕?僕は大した事はできないよ?超能力的なのは、ハルの方が上手なくらい、かな?ただ、それに相乗するように、さっき見せた魔法陣みたいなのを使うから、いろいろと便利に使われるんだけどね」


小首を傾げつつこぼされた言葉の端々に突っ込みたいけど我慢する。

やぶ蛇になりそうな気配がプンプンする。

魔法陣?使われる?

……俺は何も気づかなかった、っと。



「あ〜う〜」

ハルが和室からハイハイしてきた。

「ゆ〜」

迷わず俺のところまで来ると、抱っこをねだるようにバンザイする。

「お腹ふくれたか?ママはどした?」

「あう?」

抱き上げて尋ねれば、くびをかしげられた。


「うん。見事に撃沈してるね」

ハルの代わりに和室をのぞいた高城さんが苦笑とともに教えてくれる。

「子供って添い寝してるとなぜか、こっちまで眠くなってきますよね」

何か睡眠誘発剤的なものを発してるんじゃわないかと思うくらいで、ハルの寝かしつけをすると8割の確率で一緒に寝てしまう。

おかげで、最近の俺は9時5時の早寝早起きで非常に健康的だ。


「ゆ〜」

遊んで、と言うようにハルが俺のほほをペチペチとたたく。

「良いな〜。ハル〜、父さんにも抱っこおいで〜」高城さんがコッチに向かって両手を伸ばすのを、ハルはジッと見つめた後プイッと視線をそらした。


「や〜。ゆ〜」

ギュッとしがみついてクビを横に振る。

高城さんがショックを受けていた。

「なんだよ。この間まで、仲良しだっただろう?」

ツンツンと背中を突かれても、ハルは頑なに顔を向けようとしなかった。


「ママにはデレたくせに、僕にはなんで冷たいんだ?」

「姉貴が自分を置いていった原因だと思われてるとか?」

推測を何気なく口にすれば、頭を抱え込んでしまった。

「間違いじゃ無い。間違ってはいないけど、………なんか理不尽な気がするのはなんでだろう?」


「ハル、ボールで遊ぶか?それとも絵本がいいか?」

なんか目が座ってるし、怖いからチョット離れようと、ハルを抱っこしたままリビングに作られたハルスペースへ移動する。

「ブッブ」

ハルはいそいそとおもちゃ箱の中から、赤い車を取り出した。




夜は、なぜだか宴会になった。

ついでに大成と、大成の姉ちゃんも呼んだら、姉貴が泣くまで説教されてた。

……いいぞ、もっとやれ。


その後、大人組は酒が入り大騒ぎになってきた為、ハルと大成を連れて部屋に避難した。

ハルが来てから、荷物や服を取りに来るくらいですっかり足が遠のいていた自室は、なんだか変な感じだった。

うとうとしているハルをそっとベッドに置くと、なんだかため息が出た。


「お姉さん達、暫くはココにいるのか?」

「ん……。もうすぐ、ハルの誕生日だし、そこまでは居るみたい。高城さんもここから仕事場に行くってさ」

下から取ってきたお菓子を齧りながら、ハルの寝顔を眺める。

来た当初のしかめっ面の寝顔が、嘘みたいに穏やかだ。


「このまま、居候しちゃえば良いのにな」

「数日ならともかく、高城さんがしんどいだろ、それは」

同じ事を考えたけど、高城さんの気持ちを考えたら、言えないよな。

今時マスオさんは流行らない。


「ハルの為なら両親揃ってるのがベストだろ。それに、もうすぐ学校も始まるし」

「あ〜、確かに。この調子だと、学校まで付いてきそうだしな」

笑う大成に合わせて笑いながらも、胸に巣くった寂しさが抜けない。

別にこの後ずっと会えなくなるわけじゃ無いのにな。



「明日さ、ハルのプレゼント探しに行くの付き合って」

大成に向かってそういえば、何か微妙な顔をした後、クシャクシャと慰めるように髪をかき回された。

………そんなに変な顔してたか?









読んでくださり、ありがとうございます。



ハル君との別れが近づいて、さみしくなってる幸人は隙だらけ(本人自覚なし)

免疫あるはずの大成君でも絆されそうになるくらいには……。

微妙な間は、隆太や兄貴に合わせたらヤバいかな〜とか考えてたりします。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ