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31 異世界で出合った『お米』

 ……待てよ。 

 ……これってもしかして。

「すみません。これって」

 僕は目の前にあるものに衝撃を受け、食堂のおばさんに声をかけた。


「ああ、これ? ()()()? っていうらしいよ」


 オコメ……

 おこめ……

 ()()だよな?


「あまり人気はないんだけどね。どうしても食べたいって人がいるんだよ」

「それって誰――」

「エーデル早く席に行こう」

「ごめんヘルヴィン。すぐ行く」


「あの……おばっ……お姉さん! これ毎日出してくれませんか?」

「やだ〜お姉さんだなんて〜おばって聞こえたけど気のせいよね?」

(この人地獄耳だな……)


「も、もちろん気のせいです!」

「フフッ。そんなこと聞かなくても毎日出るわよ」


 僕は左手でトレイを持ち、右手を挙げてガッツポーズをした。

 お米なんていつぶりだろうか。

 この世界に来て食べられるなんて思いもしなかった。

 でも誰がお米を? 他の転生者か? 


「エーデル、何ニヤニヤしてるの?」

 ロニカはニヤニヤしながら聞いてきた。


「ねえ、これ食べてみて」

 僕は二人にお米を配った。

「うわっ、これ何?」

「いいから食べてみて!」


 ヘルヴィンは表情一切変えずにお米を口に運んだ。ロニカは口をへの字にしながら食べてくれた。

「どう?」

「おいしいよ。少し甘いね」

「でしょ? ロニカはどう?」

「うん……慣れない味だけど、普通に食べれる。甘くて美味しいよ」

「よかった〜」


 ――満足した。

 僕の故郷の味を知ってほしいって思った。

 生まれた時からお米を当たり前に食べる国にいた。なんの違和感もなく食べていたお米をこんなに恋しいと思う日が来るなんて思いもしなかった。


 エーデルはヘルヴィンとロニカに僕を知ってほしいと自然と思うようになっていたのだ。前世で一人も友達がいなかったエーデル(大夢)は、アレクに続き新しくできた二人の友達に少しずつ心を許すようになっていた。


 でもこの世界でお米なんて、何故あるんだろう……


 昼休みの間、二人と会話して幾つかわかったことがある。



 このアステリオスアカデミーは四つの専攻がある。

 ――剣術 

 ――魔術

 ――武闘

 ――製造・研究(魔道具・剣)


 といった四つの専攻だ。

 剣術と魔術は人数が多い為ニクラスあり、成績でクラス分けされている。成績が上のものから一組に割り当てられる。

 

 エーデルとヘルヴィンは剣術の一組。

 ロニカは魔術の二組、バドラとグレンは武闘の一組みだ。

 今年入学した一年は計――百二十人。


 アステリオスアカデミー全校生徒一年から七年まで合計――約八百三十人。

 毎年の入学人数は同じだが、上の学年の中には退学になった者や自主退学をする者も少なからずいる。



 そして僕の神力について――


 ヘルヴィンが言うには「バドラの神力を見ただろう? あれでも一般的に神力が多い方なんだ。だから君が持つ神力は確かに規格外だ。神同等の力がある。力を更に使いこなせるようになれば、神を倒せるほどに強くなるだろうね」

 

(神を倒すだなんて……ヘルヴィンは何を言っているんだ?! そもそもそんなことになる訳がないが、祟られるのはごめんだ!)


 ヘルヴィンの発言がたまに怖く思う時がある。

 僕は今俄かに信じられないことを受け止めようとしている最中で、ヘルヴィンにとってそれは普通ことだ。寧ろそれを上回ったことを平然とした表情で言う。

 

 他人の神力は目に見えるものだ。

 神力は出すときにはオーラのように体に纏う。

 そして神力には色がある。そして色や感覚で相手がどの神力を持ったいるのか、神力を持っている人間なら大体わかる。


 神力は調節し操ることで体から物にまで移動もできる。

 体に纏った神力を剣に移動させたり、腕に集中的に纏わせたり、神力を使うことで本来の拳の力より強い力を上乗せできる。


 そして神力が多ければ多いほど、自由自在に操り、力の使い方が増やせる。

 それには無論技術を鍛えることも必要だ。


 例えば体を神力で防御しながら、剣にも神力を纏わせることで、鎧と強化された剣が出来上がる。

 ただ、生まれ持った才能でそれを出来る者もいれば、出来ずに苦労する者もいる。


 だから皆アステリオスアカデミーに学びに来ている。

 既にそれをアレクに教わったエーデルは側から見れば異端者でもあり、はたまた神なのかと疑われると言う訳だ。


 そして最後に。

 エーデルが知らなかった――神の存在。

ご愛読ありがとうございます!!

長く休んでいて申し訳ございません。


今日はたくさん投稿いたします!

まとめてご覧ください♩


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