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抜剣少女は魔術教師に恋をする  作者: みこ


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73/110

73 告白すれば?

 弓の大会の日以来、雨の日が続いた。

 雨続きの日は、みんな自然と、食堂にいることが多かった。


 今日は、メンテが作ったロールケーキで、お茶の時間になった。


「おーいしー!!」

 チュチュの大きな瞳がくるりとした。

「うん、これはその辺のカフェにも負けてないよ」

 シエロが、嬉しそうに微笑む。

 普段は生徒達の団欒に入ってこないシエロも、お茶の時間は一緒に居た。


 エマがにこにことケーキを味わってくれている。

 メンテの横では、ケーキを二口ほどで平らげてしまうヴァルが、いよいよ3切れ目に手を伸ばしたところだった。

「ほんと、うまいよ」

 ヴァルも嬉しそうだ。


 チュチュがケーキを頬張りすぎて頬にクリームをつけたところで、シエロがパサッと真っ白なハンカチを出した。

 斜め前に座るチュチュに手を伸ばす。

「ほら、クリーム」

「あ、ありがとう」

「…………」


 チュチュの嬉しそうな照れた顔と、黙ってしまったシエロと。


 ……最近、いい雰囲気だよな。


 先生が、チュチュの嬉しそうな顔を見て黙ってしまうなんて、()()()()()()以外、ないじゃないか。


「…………」

 まったく、イヤなことに気付いてしまったものだ。

 気付きたくなんてないのに。


 その日の夜、チュチュはメンテの部屋に居た。

 リナリから届いた手紙を、一人ずつ回して読んでいるのだ。


「元気そうでよかったよ」

 メンテは、リナリからの手紙を丁寧に折りたたみ、伸びをして言った。

「なんだか司書さんとは違う、大事な仕事も任されてるみたいだし、楽しそうだよね」

 チュチュは、出してもらった紅茶を飲みながら言った。

 手紙を渡しに来ただけだというのに、そのまま居座ってしまったのだ。


 最初こそリナリの話をしていたけれど、話はいつの間にか、チュチュの恋バナへと変わっていた。

「諦めきれなくて……」

 そう、チュチュが悲しそうに言うものだから。


「どうして?」

 少し、きつい声になってしまう。


 昼の二人を思い出す。

 あんなにいい雰囲気で、何を言ってるんだよ。


 どう見ても、お互い好き合ってるのに。


 先生があんなに気遣って、あんなに動揺して……。


 それなのに、なんで、“諦める”なんていう言葉が出てくるのか。


「だって、可能性、これっぽっちもないのに」


 なんで泣きそうなんだ。

 ぼくなんか入り込む余地もないくらい、お互いを見ているのに。


「じゃあさ、」

 チュチュを慰めるように声を出した。

「告白すれば?」


 ここで、背中を押してあげるのもいいだろう。

 そうすれば、チュチュと先生が幸せになるのだし。


「……告白?」


「ほら、これで最後にすればいいんだよ。最後に、気持ちを思いっきりぶつけてさ。そうすれば……」


 そうすれば、二人は幸せになれる。


「きっと、前に進めるよ」


 君が幸せになれるなら、きっとぼくだって嬉しいから。

三角関係がごたごたする感じで!

三角関係はごたごたするものですもんね。

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