71 努力の行く先(4)
その後、大会は順調に進んだ。
メンテも順調に勝ち上がっていた。
参加者225人の予選から、75人の準々決勝へ。
そこから、25人の準決勝へ。
そして、9人の決勝へ。
決勝では、広い広場の中央に、9人が並ぶ。
もちろんメンテも、その中に入っていた。
一際多くの人々が、広場の中心に向かって騒ついている。
……流石に、ちょっと緊張するな。
隣に立つチュチュが、ふっとメンテに笑いかけた。
「…………」
それに合わせて、笑ってみる。
少し、気が抜けるのを感じた。
「行ってくるよ」
「うん、いってらっしゃい」
学園のメンバーが口々に声を掛ける。
広場の中央には、丸い的が9つ並ぶ。
そのずっと手前に、9人の勇姿が並んだ。
それぞれ手に自慢の弓を持つ。
あの、トーラリスの弓を持つ兵士の青年も、そこに立っていた。
ざっと見たところ、他にトーラリスの弓を持つ者はいないようだった。
どうしても、意識してしまう。
どうしても。
すると、あの青年も、メンテのことを覚えていたのか、メンテと目が合うと、手を振ってきた。
ペコリ、と頭を下げる。
……勝ちたい。
弓を見る。
細かな装飾。
その装飾には、祈りが込められている。
獲物を射るための、祈りが。
「行くよ」
弓に声を掛ける。
的だけに、集中……!
決勝戦では、一人ずつ的を射ていく。
4本が終わった時点で、的に当てた数が多かった者から順位を決めていく。
4本全てを的に当てた者が複数いた場合は、またそこから1本ずつ順番だ。的を外せば脱落。
誰が的を射続けられるかという、ルールは単純な勝負だ。
順番に、矢を放っていく。
メンテの二人前で、初めて的が外された。
「…………」
それに動揺したのか、メンテの直前の少年も、的を外してしまう。
……揺らがないように。
心を静かにして。
的だけを見る。
呼吸を整え。
矢を、放つ……!
バシュッ……、と空気を切る音がして、矢は真っ直ぐに飛んでいく。
そのまま、矢は的の中央へ。
音など聞こえないほど遠くだ。
それを見届け、やっと息を吐く。
よかった。……いい調子だ。
そのまま4本目が終わる頃には、5人が脱落。
残りの4人が4本全てを的に当てた状態となった。
ここから、順番に矢を放っていく。
屈強な男性、メンテに声を掛けた兵士の青年、メンテより若そうな女の子、そしてメンテだ。
5本目はそのまま何事もなく終わり、6本目。
……これ……、集中力やばいな……。
メンテの隣にいた女の子が的を外し、脱落してしまう。
7本目で屈強な男性が。
そこから、トーラリスの弓を持つ兵士の青年と一騎討ちになってしまった。
メンテの額を、汗が流れる。
このエピソードは次回でラストです。
さて、この三角関係はどこに収まるでしょうか。




