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決断の時

「私・・・私は・・・」


だがその空気を察したのか、天之御は


「直ぐに結論を出す必要は無いよ。焦ると碌な事にならないから今日一日考えて。祖これだけの資料となると一日じゃ全部確認するのは無理だろうし」


と言い、直ぐに答えを告げそうだったスターに釘を刺す。天之御は分かっていた。スターの心がかなり弱っている事、そして弱った状況では普段では流されないような施行にも流されてしまいやすくなる事を。それ故に釘を刺したのだ。


「・・・はい、そうさせて頂きます」


天之御に対する敬語にも最早スターは違和感を感じなくなっていた。慣れという物ではない、もっと別の何かを感じるからだ。その後、双方は時間の許す限りスターの父が集めていたブントに関する資料を読み漁った。


「そろそろ戻ろうか、皆にもこの事実を伝えなきゃいけないし」

「はい、そうしましょう」


天之御の言葉に即答するスター、その躊躇い無き言葉はブエルス陥落前・・・いやこれまでのスターからは考えられない物であった。天之御の瞬間移動術でその場を後にし、魔王の城へと戻るとスターは天之御に促され朝と同じ部屋に向かい、同じ寝具で眠りにつく。だがその直前、その内心は


「俺のするべき事・・・俺のするべき事は!!」


と決意に固まっていた。その決意は翌日目覚めた後も変わる事は無く、それはぞの決意は紛れもなく自分自身で決めた事である事を自覚させる。その決意を胸に天之御飲まつ部屋に向かうスター、扉を開けるとそこには待っていたかのように配下の三人も待機していた。


「答えを聞かせてくれるんだね」


天之御の言葉に首を縦に振るスター、そのままその口で


「正直に言ってしまえば、何が正しいのかなんてまだ、いえ、これから先も分からないのかもしれません。でも、だからこそ今私が出来る事をします。私は・・・」


その次の瞬間、スターの口から出た言葉は・・・


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