code 040:
「今はそのパソコンに侵入にしようとしてる………できた」
そう言って画面にウインドウが出てきて、そこにデスクトップ画面が表示される。
「これがあのパソコンの画面なのか?」
「うん。画面だけをこっちに送るようプログラム送ったから、これで監視できる」
「この画面の記録ってできないのか?」
俺がそういうと、またキーボードを叩く。
するとウインドウの右上に『REC』と、赤い文字が表示された。
「今から記録をはじめたよ」
「分かった。そんじゃ、見てみるか」
ウインドウを最大化して眺めてみる。
ちょうどプログラム中だったのかエディタを開いていた。
書いてある構文を見てみると……たぶんC言語だ。
あとでどんな物か見てみるか。
なんて考えていると、台所の方から。
「なにしてるの?」
という言葉とともに西園が手をハンカチで拭きながら戻ってくる。
「始業式の日の昼に、例によって竜崎の厄介ごとを片付けてたんだけど、」
と、そこまで画面を見ながら説明をしていると、後ろで『ひっ!』という小さな悲鳴。
振り返ってみると、西園の目がキラーンと光って竜崎をにらんでいた。
「また性懲りもなく押し付けてたのね?」
とは、北園の言葉。
「分かりました。自分で解決するよう努力します……」
北園の迫力に押されて、竜崎は小さくなって答えるしかなかったようだ。
と、それはいいとして。
また黒フレームの画面に目を戻して説明を続ける。
「その時の厄介ごとがウイルス駆除だったんだけど、その時に駆除したウイルスに興味もってな。仲村にそのウイルスの発生源を調べてもらってたんだ」
「へ~~。ちなみにそのウイルスの名前は?」
「英語で『FLU』って書いてた。インフルエンザって意味らしい」
「『FLU』…、って今世間で流行してるウイルスじゃない?」
「あ~~……。なんか聞いたことあるな」
そういえばWEBニュースか掲示板でチラッと、ウイルスが大流行してセキュリティー会社が苦戦してるって話を聞いたことがある。
「なんでもウイルスのコードを解析しても、解析できない部分があって、それにどこもつまずいちゃってるみたいよ?」
「あっ、その話なら私も今朝ニュースで読んだよ」
北園の話に仲村が入ってくる。




