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ドラゴ・ニック  作者: なんたい生物
序章三部作第二章氷魔乱舞
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間話4監視する者たち

深い森の奥――。

月明かりがわずかに差し込む枝葉の隙間を、二つの影が音もなく動いていた。


その正体は、天竜界の七英天竜の一人、灼熱の天竜・ザグリエルと、閃光の天竜・ラファエル。

彼女たちは、黒ドラたちの後を密かに追っていた。


その隣で、ザグリエルがじれったそうに森の葉をかき分ける。

「ねぇ、まどろっこしいよ! いそのこと、私たちが先に氷魔竜を倒しちゃった方が良くない? あの二人を見守るより、私たちが一発ドカンとやった方が手際いいって!」


その言葉を聞いた瞬間、ラファエルの眉がピクリと跳ねた。

彼女は無言でザグリエルの額を、指先でピシッと小突く。


「……はぁ? あんた、バカなの?」


「いたっ……! な、何するのさ!」


「私たちに下された命令は“監視”よ。黒ドラくんの中に眠る力を見極めるのが最優先。ここで勝手に動いたら、それは明確な任務放棄。軍規違反で処罰されるのはあんたよ? 私は知らないからね」


「うぇ……そ、そうだった。ガブリエルさんに叱られるのは……さすがに勘弁だなぁ……」


ザグリエルは頭をさすりながら、しょんぼりとうなだれた。


「それにね、ザグリエル。あんた、さっきなんて言った?」

ラファエルは冷ややかな、けれどどこか真剣な眼差しを相棒に向ける。

「あんたの憧れる『ヒーロー』って、影でこっそり手柄を掠め取るような、姑息な存在だったかしら?」


ザグリエルの体が、びくりと震える。

「……そんなの、格好悪い。ヒーローはいつだって、正々堂々としてなきゃ……」


「そう。誇り(プライド)のない力は、ただの暴力よ。……私たちは私たちの仕事を全うしましょう」


月光の下、二人の天竜は再び静かに、闇の中へと溶け込んでいった。

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