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33話 その先進んだ終着点で②
ついにやってきた中央地区。
建物に爪痕を残すのももう慣れたもの。見た目は派手に、でも威力は爪の先に集中させて。
魔石の消耗は最低限に抑えながら、駆けて回れている。
今回に関しては、痕跡の効力に期待するよりも、誘いだ。
行動日を等間隔に、各地区1回ずつという規則性。
流石に英傑達も感づき、予測してるはずだ。『赤霧の鎧』は、今日この中央地区に現れる事を。
そしてこの中央地区、名が示す通り下層9地区の中央に位置している。地理的にも、機関的にも。
そんな要所は当然、英傑にも守られやすい場所になっている。
特に塔に隣接する、目立つ巨大な建物。話に聞いてただけだが、見ればすぐ分かった。英傑チーム『防衛団一番隊』の拠点であり、英傑の本部でもある場所だ。
だから、今回は戦力的に油断は一切できない。鈍色仮面の制圧地区の時以上に。
もちろんいつも通りの印象付けもやる。けど、そこにリソースは割けない。
そんな復唱の思考が止まない緊張の中。
狙い通り、お目当てが自分の後ろを追い、やってきていた。




