階層攻略 その16
ギルドの受付で、物珍しさだけで受けたクエスト。
この塔を間近で見た時は、期待半分、緊張半分になり、今で迷宮制覇とは違う種類のやり遂げた感がでつつある。
その塔のクエストも、やっとその終着地が見えて来たようだ。
1階の崩れた壁を粉砕するため、洗濯機や台風の様にぬいぬいを中心にくるくる回している様子を(僕らが破壊して)開け放たれた玄関から見つめている。
右回りと左回りをぶつけ合わせ、細かくしていく原理らしいのだけど、怖いのは科学的にでたらめな事でも、想像の力で出来てしまう点なんだよな……。
誰かが人間の想像出来る事は、科学で実現可能だと言ってたらしい。
この世界ではその言葉については、調べる事は出来ないが、魔法ってその原理がわからないだけで、究極の科学なのかもしれない。
それにしても待っている間、シートの上で青い空の下にいると、いろいろな防護魔法がかかった状態だし、ゴロゴロしてるとすぐ眠くなるなぁ……。
「おーい! 瓦礫の除去終わったぞ」
「はーい」
瓦礫の除去が終わると事務組は引き続き、事務作業のメモ書きをファイルにまとめ、ぬいぬいは外で休憩をとる。
肝心の地下への階段は、ウンディーネによるある程度のめぼしがつけられているので、簡単に見つけられるだろう。
塔内へ入るとまだラビとミノタウロスが、2階から下への3段目で見事に破壊されてしまった、2段目で何やら一生懸命話している。
さっきは破壊されてしまった1階についてだったけど、今は今日の晩はキロガルさんと久しぶりに何食べるって話しのようだ。僕ら信用され過ぎていて、管理者の名前について知らなかったふりすればいいのか悩む。
1階にある地下への入り口は、やはり簡単に見つかった。
まずは個人的な事もあるだろうから、先にミノタウロスと、ラビを管理者のもとへと行かせた。
残った僕らの大半は、ミノタウロスとラビについて話していると、ぬいぬいに「よくあの二人の事について、そこまで話してられるなぁ……」と、呆れられる。
丁度その時、ナビがまず一人でやって来て「お義父さんに認めて貰いました! V! V!」
と、現れて女性陣に祝福されていた。
ーーまぁ、祝福するのはわかった。ミノタウロスの不幸をはね除けるには、ナビくらいのパワーが必要だろう。
「おめでとうとうナビ。ところで、あっちの方の話しはどうなった?」
「お義父さんが、ミノちゃんと二人きりにしてくれって言われて、まだ……。でも、ミノちゃんが私が話すからと言ってくれたので大丈夫ですよ」と、言ってた。お義父さんか……。
そして今回の塔の報告書が、ルイスとミッシェルによって大まか内容がまとめられた頃、ミノタウロスが地下から姿をあらわした。
僕らのパーティーからの「「おめでとう」」の声に困惑しつつも彼はーー。
「お待たせしました。管理者が会いたいそうです」と、僕らにたぶん笑顔でそう言った。
代表を決めて、僕らはミノタウロスの後ろをたどり地下へと降りて行く。ずいぶん空調に力をいれたワンルームマンションようなつくりの部屋案内され、その奥の書斎の中に彼はいた。
「我々の管理者キロガルです。先程のお話はもう通してあります」そうミノタウロスは言った。
「お前たちか? さっきからうちの塔を破壊してまわっているのは?」と言ってギロッこちらをにらむ。
そう言われ返す言葉もないが、「すみません結果的に、そうなってしまいました」と、言うしかなかった。謝り過ぎても、こちらの正当があやふやになるし、謝らないのも駄目だろう。
「初めまして」僕らは、そう挨拶をして名前を名乗る。
キロガル貫禄のある親父と言う風貌で、どことなく町工場で、工場長まで勤め上げたような雰囲気があった。
「僕らの所属する組織としては、街の近くに魔物達の住む塔に酷似した塔。しかも魔物達を複数確認しているのであれば、破壊してでも調査せずにいられない状況でした」
「一応、筋は通るな。俺とて、ただ魔物達を飼っているのでない。魔物を無害化させるための研究のためにここで飼っている。その最高傑作が、ミノタウロスだ」
ここでキロガルは、ため息をつく。
「そろそろ何度も力押しで入って来る、冒険者に飽きあきしてきた頃だ。そっちへは自ら出向く。話しは決まった。ミノタウロスいつもの仕事頼む」
そう言われると「はい。わかりました」と、ミノタウロスは上へと消えて行った。
「どうだ? 、ミノタウロスは」
「えっと……良い青年だと思いますが?」
「では、あの娘はどうだ?」
「……そこは、キロガルさんと、ミノタウロスとラビさんの事などで口をだせません」
「……わかった。帰っていい。ギルドには早めに契約書の作成と、中継ぎの者の選定だけはしておいてくれと、伝えておいてくれ。後、玄関横の呼びボタンを押すよに伝えてくれ」と、言われる。
「お邪魔しました」
「ミノタウロスや塔については世話になった。ついでと言ってはなんだが、ナビの事はあまりふれまわらんでやってくれ。頼む」
「わかりました」
キロガルとの話を済ませ、僕たちは階段を上へとのぼる。
1階へ行くとキロガルの言葉を思い出し、走って玄関に行く。
玄関まわりをよく観察すると、塔の素材となんら変わらない素材で、ボタンが作ってあった。
おもいっきり脱力しつつ、鞄の中を漁る。そこには僕が僅かに持っている、残り少ない向こうの世界のアイテムの1つ油性ペンで、ボタンを丸で囲ってから、ミノタウロスとラビに別れをつげて僕らは塔を後にしたのだった。
続く
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また、どこかで!




