バブみと妹
「葉菜ちゃんのこともギュ~ッてしてもいいですか?」
そんな中、琴音さんは提案をしてくる。
妹にも魔の手が!? いや、魔の乳が!?
「ふえぇっ!? えっ、えっとっ、そのっ………………は、はいっ……い、いいです……しても」
まさか自分が指名されるとは思っていなかったのだろう。葉菜は驚愕の表情を浮かべる。
でも、俺たちの立場で拒否なんてできるわけない。迷いつつも許可していた。
「それでは、さっそく♪」
琴音さんはニコニコしながら葉菜に近づき、思いっきり抱きしめた。
「わぷぷっ……」
もろに顔を琴音さんの巨乳に埋める格好になる葉菜。
さっきは俺がああいう状態だったんだな……。
客観的に見ると、とてもすごいことになっていたのがわかる。
「あぁあ♪ 満たされますぅ♪」
琴音さん大満足。ほんと、琴音さんはスキンシップが大好きだな。
俺たち兄妹は、すっかり琴音さんのぬいぐるみ扱いになっている。
「……以前は愁いに浸っていたお嬢様が、こうして笑顔を見せてくださる……。メイド長として、こんなに嬉しいことはございません」
感慨深げにつぶやく凪咲さん。
俺たち波畑兄妹の尊い犠牲によって、琴音さんは救われたようだ。
俺たちも救われ、琴音さんも救われる。
まさにWIN-WINの関係。
というか、俺たちのほうが大幅に得しているけど……。
「ふぅう♪ 満足ですっ♪ 葉菜ちゃん、ありがとうございます♪」
ようやくのことで我が妹は解放された。
「わぷぅぅ……♪ おっぱい……♪ やぁらかいよぉ……♪」
葉菜は、すっかりメロメロになっていた。
琴音さんのおっぱいを堪能したようだ。
両親が蒸発してしまったので葉菜には母性が足りていない。
なので、これでいいのかもしれない。これで不足していたバブみを補給できる。
琴音さんも満足してるし、これからは葉菜にも俺の勤めを分担させよう。
「おふたりに出会うことができて本当によかったです♪」
琴音さんのお肌はツヤツヤだ。
一方、俺たちは兄妹揃って消耗しているが……。
そのあと、しばらく温泉に浸かったところで――。
「……あの、もしよろしければですが……今夜、泊まっていってくださらないでしょうか?」
琴音さんの口から思わぬ提案が出た。
「えっ?」
これまで宿泊を伴う勤めはなかったので驚いてしまう。
「あ、無理にとは申しませんが……」
そうは言うものの、琴音さんの悲しげな表情を見ると断りにくい。
そして、俺たちには特に断る理由もない。
「……お、俺は……構いませんが」
「は、葉菜も……だ、大丈夫です」
でも、ただでさえ過剰なスキンシップがお泊まりによってどこまでエスカレートするのか……。
想像するだけで恐ろしい。
「ふわぁ♪ よかったです♪」
花咲くような笑みを見せられると、こちらまで嬉しくなってしまう。
「よかったですね、お嬢様」
そして、凪咲さんも静かに微笑む。
ほんと、主従一体といった感じだ。
「でも、一度帰っていいですか? 着替えとか持ってこないと……」
「はい♪ それではお風呂のあとにお車で向かいましょう♪」
俺たちの住むボロ家にあの黒塗りの高級車で行くのか……。
「い、いえ、歩いて戻りますよ……」
「いえいえ♪ 遠慮なさらないでください♪」
琴音さんの笑顔は強い。
この笑顔を向けられると、頷くことしかできなくなるのだ。
「そ、それじゃ……お言葉に甘えさせていただきます」
こうして、初めてのお泊りが決まったのであった――。
葉菜「……た、楽しんでいただけたら評価してもらえると、嬉しいですっ……」




