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神様の居るトコロ  作者: 光坂影介
4.世界渡りの意識と救いを与える歌姫 第六章
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4.世界渡りの意識と救いを与える歌姫 第六章 02

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PN光坂影治


「ーーさん、もしかしてなんですけど、Cielを奪おうとしたのってーーさんですか?」


「その可能性も視野に入れたらどうなりますか?」


「はあ~、そんなはずはないと思いますが、そんな天文学的数字の確率のために答えます。


 好きに決まっているではないですか!?


どんなことをしていたってそれはあなただ。


それを許すってことではないですよ。


それでも、あなたはそれをよくないことだと思い、悩んでいる。


そこまで含めてあなたなんですよ。


それにーーさん、実際にはまだ何もしていないってことではないですか!?」


「それを! それをあなたが言うんですか!?」


「えっ?」


「あなただって、あなただって私の隣にたどりつくと言っておきながら、まだ何も――」


「何もしていませんか? 本当に?


 小説を更新もしています。ーーさんのオフィシャルクラブに入りました。


 Twitterのリプも遅れることはあっても、欠かしたことはありません。


 ラジオ番組へのメールも毎週、送っています」


「それは全部、私に対してーー」


「そう、あなたのためだけに、あなたの隣にだけたどりつくための行為だ」


「!?」


「格好良くなる。かわいくなる。お金を稼ぐ。きれいになる。きちんとする。


たしかにそれも――いや、それが大切だと思うのもわかります。


でも、それは特定の誰かの隣にたどりつくための行為ではない。


全ての異性の気を引くための行為だ。


言ってしまえば、モテるための行為だ。


わかりませんか? 私は異性が好きなのではなく、あなたが好きなんです。


これは確かに私の悪いところでもある。


私はあなたの隣にだけ辿り着きたくて、努力を怠っている。


そう見えるかもしれません」


「そうですよ!? そんな理屈、おかしいです!」


「でも、あなたのことをまだ詳しくしらない面があるから。


あなたはかっこいい人が好きなんですか? そうなったところでかわいい人が好きだったら逆効果だ。


お金を稼ぐときちんとするは特殊な人でないと反対意見は――でますね。


きちんとするはともかく、


お金を稼ぐ人が好きなのか、家庭的な人好きなのか。


そこはある意味、逆効果かもしれません」


「私はそんなのどっちだっていい!どうしてそこまで私が好きなんですか!?」


「えっ!?」


Cielは察した。察した上で先にその質問に答えなくてはと思った。


「正直に言いましょう。理由はあなたの中に何かを見たからです。


それが嘘偽りのない本当のことです。


確かに女性として惹かれたからも、あります。


確かに風呂に入っているときにあなたが出ている普通の動画を観て、女性として見てしまった部分もあります。


でも、一番は本当にあなたの中に何かを見たからです。


それが何かわからなくて、好きだと言えない時期があったのもあなたは知っているはずだ。


それでも、私は、私が送ってしまった私を10年も維持したのだとか病的なことも思いました。


でも、それも私の中の私の理想としてあろうとしている姿を10年も維持しているからだという言い方もできます。


その病的なことが本当だった場合、本当に理屈抜きで、あなたでないと私の病気は治せないのですよ!?


そして、違ったとしても、私の理想との離れを私の病気だとするなら、あなたの隣に辿り着いて、あなたと一緒に理想を目指すことは病気の快復につながるはずです」


「なら、私はそれをこれからも――


「私が送った私である必要はない!」


「えっ」


「何度でも言いましょう。私が送った私である必要はない。


あなたはそれを10年維持したのですから、もうあなたの中にはその姿は確かにある。


だから、その姿でいてくれるだけでーーいや、その姿があなたの中にあるだけでいい。


私がそれに寄り添い、ともにいれば、おそらく私の病気は治る。


詳しくは病名を言わないといけないので、言えませんが、


病名からしてその可能性は充分ある。


まあ、私は普通に仕事ができるほど、軽い病状だから、それ治るのかもしれませんが」


「もう一つは?」


「あなたがすごく楽しそうにしているからです。


こんな楽しそうな人と一緒にいられれば、私はたとえ薬を飲んでいたとしても、感情を忘れずにいられるかもしれない。


実際に私は恋を忘れずにいられている。だから、私はあなたが好きです」


「わかりました。充分です。


あなたの告白を受理します。


私の隣に本当に辿り着けたら考えます」


「わかりました。ありがとうございます。


私はあなたを好きになってよかった」


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