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おまけ 私の推しと甘い夜

※甘さ注意!




「緊張しているのか? アメリー」


 シオン様の声が、静寂によく響く。心なしか、いつもよりも何倍も甘い声。私の心臓が撫でられたのではないかと思うくらい、心臓が変な音を立てた。


 今日。私とシオン様は夫婦になった。私は「アメリー・アルカス」になったのだ。幸せな結婚式を過ぎ、そして夜。前々から彼と約束していたように、今晩は初夜である。さっきからずっと、鼓動が早くて落ち着かない。


 私は柔らかな寝巻を着てベットの縁に座り、シオン様は隣に腰を下ろしている。絹のような寝着に身を包んだ彼の姿は、あまりにも絵になる。横顔が完璧。かっこよく美しい。頭の中の私が「尊い!」「直視するんじゃないよ。目が焼けてもしらないからね」など様々に叫んでいる。


「その……シオン様は、遠い存在だと思っていたものですから。その、あなたと、こうして同じ空間にいることが、まだ、現実味がないと言いますか……」


 しどろもどろに話していると、彼は私の手を包み込んだ。


「ああ。私も、これが夢なのではないかと時折考えることがある」


 驚いて彼の顔を見ると、シオン様はそれはそれは色気たっぷりな微笑みを浮かべた。


「やっと、君のすべてを私のものにできるのだからな」


 まずい。顔が熱い。恥ずかしすぎて、このままここから逃げ出したい気持ちになってくる。そう思ったことが微かに伝わってしまったのか、シオン様は私を強く抱き寄せた。


「アメリー。逃げようとするな。君がまだ、私の愛を不安に思うのであれば……今夜、君の認識を上書きするとしよう」


 そして、彼は口を耳元に寄せる。


「私の存在を、君の身体中に刻み付けたい」


(ひええぇぇ! 『煌めく騎士と甘い夜』ではこんなに甘い描写はなかったよ!)


 低くて世界一イケボな声で耳元で囁かれると脳が溶ける。現に、彼と距離を取ろうと思っていたが、体に力が全く入らなかった。


 シオン様は私の顎に手をかけ、ゆっくりと自分の顔を近づける。私は目を瞑り、彼の口づけを受け入れた。優しく、時間をかけた口づけ。なんだか、彼が私の存在を確かめるような行為に思えた。


 唇が離れると、シオン様は私の瞳を覗き込む。


「君の頭の中にある、私以外の存在を今は捨ててくれ。私でない『シオン・アルカス』も、すべて忘れるのだな。君が私以外のことを少しでも考えていると思うだけで……私は自分を抑えられなくなる」


 彼の言葉に私は目をさ迷わせ、小さな声で答えた。


「わ、わかりました……。で、でも、シオン様。その、わたし……は、初めてなんです。全部初めてで、うまく、できないかも」


 ずっと言えていなかった恥ずかしいことを、ついに告白した。私の言葉に、シオン様は目を丸くする。そして、ふっと目元を和らげた。


「もちろん。そうでなくては、許せない」


 彼は私をベッドへと優しく横たわらせ、私の頬を優しく撫でる。


「君は何もしなくていい。私に身を任せてくれたら、それで十分だ。そうだな、欲を言うのであれば……君の可愛い声を、たくさん聞かせてほしい」


 彼は、私の上に身を乗り出した。彼の銀色の髪が、月の光に照らされる。その美しさは、言葉では言い尽くせない。私の心のアルバムに、永遠に保存しておくことにしよう。


「愛している、アメリー」

「……私も、愛しています。シオン様」


 シオン様の頬に手を添えると、彼は怪し気に口角を上げて私の首筋にキスを落とした。その熱い息遣いと触れ合う肌の感覚が私に現実を伝え、体中に熱が集まる。




 ——そしてこの夜。シオン様の熱烈な愛の証明は私を甘美なる幸福へと誘いこんだ。彼の甘く尊い愛で全身を包まれ、私がただのファンではなくなったことを強く実感したのだった。

 以上で完結となります。ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました!

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