39.でもクレープ食べたかったなぁ
<前回のあらすじを30文字以内で説明せよ。>
翼「ふふふふふふふははははははは」
綺都・美織・命子「「「キモッ。」」」
翼「(^ω^=^ω^)」
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待ちに待った24日の11時。
駅前の時計台の下で綺都は己の腕時計を確認した。
ここに到着して15分程時間が経っているが二人が来る気配は一向に無かった。
まさか集合場所を間違えてしまったのだろうか。
少しだけ不安を募らせた綺都は携帯電話を開いて美織に電話をかけようとしたその時。
「すいませーん遅れました!!」
今回遊びに行こうと提案をした張本人、下級生の女子が髪の毛を揺らしながらこちらへ走ってきた。
ああよかった間違えてはいなかったと安堵した綺都は携帯電話を静かにポケットの中にしまった。
「大丈夫だよ。俺もさっき来たばっかり。」
「それならよかったです……あの、神崎先輩は?」
「まだ来てないっぽいけど……寝坊か?」
「…あの人らしいですね。」
そういいながら彼女はクスリと小さく笑った。
「そういえば名前まだ聞いてなかったね。何て言うの?」
「あ…森中です。森中晴乃です。」
「森中さんね、わかった。」
そう言って綺都が笑いかけて見せると晴乃は恥ずかしそうに目をそらしてしまった。
「あ、私あそこのコンビニで飲み物買ってきますね。」
早足で去っていく彼女を見て思わず首を傾げた。
そんなに馴れ馴れしくはしていなかったと思うが、もしかすると彼女は異性が苦手なのかもしれない。
再び一人になってしまった綺都はため息をついて時計台の柱にもたれかかった。
それにしても遅い、遅すぎる。
まさか事故などに遭っているのではないのだろうか。
さらに大きな不安を募らせた綺都は携帯電話を取り出して今度こそ美織に電話をかけようとした。
その時。
「今ひとりですか?」
突如後ろから聞こえたはなのかかった高い声。
後ろを振り返るとそこにはブレザーを着た二人の女子高生が人当たりの良い笑顔で綺都を見ていた。
「私たち今からクレープ食べに行くんだけど、良かったら一緒に食べませんか??」
「はぁ…」
これだから外出するのは好きではないのだ。
花透と歩いていたら全然声をかけられることは無いのだが、一人でいるとこんな風に女性に声をかけられることがある。
そんなに年上受けする顔をしているのだろうか。
「すいません…お腹すいてないんで。」
「そうですかー…ならメアドとか交換しちゃ駄目かな?」
「……姉さんから知らない人と連絡を交換するのはしちゃ駄目って言われてるので……。」
「姉さん? もしかして中学生なの?」
「はい。…中2ですこう見えても。」
「そうなの!? ごめんねてっきり高校生かと思ってた!」
「大丈夫です馴れてるんで……」
「誰かと待ち合わせしてるの? 彼女?」
「彼女じゃないです友達です。」
「クリスマスにいいねー羨ましい! ウチらなんて1時から課外なんだよー。」
「そうなんですか、頑張って下さい。」
そう言って笑いかけると二人は黄色い歓声を上げて駅の方へと歩いていった。
それと同時に向こうからこちらに走ってくる人影が目に入った。
ヒールの音がするからおそらく女性だろうか。
「……美織ちゃんゴォーールインっ!!」
「…うるさ」
やはりな、と綺都はため息をついた。
美織は息を荒くしながら額の汗をぬぐう。
「30分遅刻だぞ。神崎。」
「悪い悪い!ちょっと服を気合い入れて選んでたらすごい遅くなってしまった! どーよ今日の美織ちゃん!」
そう言って美織はその場で華麗にくるりと回って見せた。
優しいベージュ色のロングコートの下は青いスキニージーンズに首がゴージャスな白のタートルネック。
そして単調な色合いをカバーするかのように翡翠色の首飾りが鮮やかにして大人っぽさを醸し出していた。
確かに制服姿の彼女しか見たことがなかったので新鮮だなと綺都は聞こえない程度に呟いた。
「どう? 可愛い?」
無邪気な子供のように目を輝かせて綺都の顔を覗きこんでくる。
「……可愛いと思うよ、そのネックレス。」
「ネックレスだけかよこの野郎。」
「そんな簡単に可愛いなんて言えるわけないだろ。」
「てことは可愛いと思ったんだ。へー…。」
「……っ」
「ただいま戻りましたー!……神崎先輩!!」
コンビニ袋を手に持って駆け足で来た晴乃に対して綺都は心の中で「ナイス!」とガッツポーズをした。
晴乃は息を切らして頬をリンゴのように赤く染めながら美織の姿を見ていた。
「おはよう! 遅れてしまってすまない少女よ!」
「いえ…おはようございます……!!」
口をあわあわとさせながら晴乃はうつむいた。
彼女の顔はどの角度から見ても真っ赤になっているのがわかった。
「さて、どこに行こうかお二人さん。」
「俺は二人が行きたい所でいいよ。」
「そーいう相手に投げやりばかりする奴はすぐに彼女にフラれるんだぜ?」
「うっせーよ。」
「ねぇ? 少女よ。」
「は、はい! そ…そうですね!!」
噛みながら言うと再び彼女は顔を赤くさせて黙りこんでしまった。
先ほどから目の前にいる美織の姿を見てなんとなくソワソワしている気がする。
そんな彼女を見て綺都は「まさかな…」と自分の心の中で言い聞かせて口に出さないようにした。




