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第2部:プロローグ

「......アヤ。 もし次があるのなら、また私が見つけてもいいだろうか。 今度はもう少し、スマートに君を口説いてみせるから」


「ふふ、またそんなことを。 ......ええ、私を見つけてくださいね。 またステイルを好きにさせてくださいね。」


 夕日が空を真っ赤な薔薇色に染め上げた、あの日、私たちは約束し、そのまま深い深い眠りについた。



◇◇◇



(テル)! 明希! おはよー! 今日も幼稚園楽しみだねー」


 そう満面の笑みで話しかけてくるのは桜井(サクライ)綾音(アヤネ)。アヤナーラと瓜二つの女の子。


「おはよー、綾音。 今日も可愛いな。」


 そう言って彼女の頭を撫でているのは、梅野(ウメノ)明希(アキ)。前々世では神崎彰人、前世ではアルベルト・アースパーニャだったその人だ。


「おいっ! 俺の綾音に触るなっ!」


 すかさず明希の手を振り払う俺は、桃園寺(トウエンジ)(テル)。前世ではステイル・フォン・ヴァレンシュタットを生きた記憶がある。


 俺たちは二人とも前世の記憶がある。というか、明希に関しては前々世の記憶もある。

 なぜお互いそれを知っていたかというと……

 

「見て! 見て! 可愛いお城作れたよー!」


 砂場で遊ぶ綾音を見ると、かつてのヴァレンシュタットの城のようにも見える立派な城を一人で作り上げていた。


「「おー! 本当すごいな。 『アヤナーラ』 『綾乃』」」


「「……はっ?!」」


 俺たちは目を見開き、次の瞬間には激しく火花を散らしていた。……お前、今なんて呼んだ……?


 ……なのに。


「……アヤナーラ? 綾乃? 誰? それ?」


 綾音は訳がわからないと、こてんと首を傾げた。


 そして、俺たちは顔を見合わせ絶望した。

 綾音には、前々世や前世の記憶が一切無いんだと……。

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