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蒼い花の瞳

イトゥサの瞳と関連のある話しです。

 ハジェーラがマーシャへのプレゼントを持って部屋へ行くと丁度遠乗りから帰ってきたイトゥサと出会った。

深く頭を下げるイトゥサをハジェーラはふと目を止めたが部屋の扉が開きシャナルが出てくるとハジェーラは入れ替わりに部屋に入っていった。

「マーシャ、アジャンテから預かっていたプレゼントだ。」ハジェーラは息子から預かっていたマーシャへのプレゼントを懐から出した。それは見事な貝細工の髪飾りだった。

「アジャンテ兄様マーシャが欲しい物覚えてたのね!」

マーシャはハジェーラから受け取り微笑んだ。

「アジャンテもセシリアもマーシャに会いたがってた。アジャンテが仔馬をもらったから今度ゆっくり遊びにおいで。」

「ありがとうハジェ伯父様!アジャンテ兄様にもセシリア伯母様にもありがとうと伝えてね。」


マーシャの側に控えていたトゥルサは一束の蒼い花を抱えていた、それに目を止めたハジェーラはイトゥサを思い出した。

「そういえば、蒼い目をした子供がいたが・・・」

「ウルラの乙女で拾われてきた子供です。」

「イトゥサって言うの!記憶喪失なのよ。隣りの部屋にいるわ!」

マーシャはハジェの手を引いて隣りの部屋の戸をノックして入っていった。


「イトゥサ、ハジェ伯父様よ。ご挨拶して!」

字の練習を机に向かっていたイトゥサは椅子から立ち上がると膝を折って臣下の礼をした。

「初めましてイトゥサと申します。」

「ウルラの乙女の子だと聞いた。アレクスに拾われて良かったな。」

イトゥサはハジェを見つめニコリと微笑んだ。


 イトゥサの部屋を出てトゥルサと出会ったハジェーラは、少し考えながらトゥルサに問うた。

「本当にウルラの乙女で拾われてきた子供か?」

「イトゥサがどうかしましたか?」

「アレクスの隠し子ではないよな。」


ハジェーラはアレクスの執務室へ入ってランドゥルイと話していたアレクスに疑問をぶつけた。

「おまえがウルラの乙女で拾った子供は、本当にお前とは関係ないんだな?」

「ハジェーラは何を言ってる?俺の最愛はオリビアしかいない。知ってるだろう!?」

ハジェーラもアレクスがオリビア一筋なのは充分知っていた。ただ、アレクスが子供の頃の姿に似通ったイトゥサが他人とは思えなかったのだ。

「アレクスが酒に弱ければあり得たかもしれないな。」

長兄ランドゥルイは鼻で笑いながら言った。

それもあり得ない。この三兄弟にとって酒は水みたいな物なのだ。

もしランドゥルイがイトゥサをひとめ見たならば、その蒼い目をしたひとを思い出したかもしれないが慌ただしくランドゥルイとハジェーラは城を後にした。

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