第1巻 第3章 — 力、秘められた潜在能力
吉広さんの考えはとても面白いですね。
第1巻 第3章 — 力、秘められた潜在能力
カスミ——ヨシヒロ、これがメニューよ。選んで。
ヨシヒロはメニューを受け取った。目が泳いだ。焼き魚、蒸しご飯、味噌汁、寿司、ラーメン、焼きそば……そしてデザート。あんパン、どら焼き、団子、羊羹、饅頭、キャラメルプリン。
ヨシヒロ——すごい量だ……よだれが出る。
カスミ——でしょ。私にとっては組織で一番いい場所よ。
ヨシヒロ——そんなに食べるのが好きなのか?
カスミ——誤解しないでよ、別に食いしん坊ってわけじゃないの。ただ、私の力は血を操ることだから。だからタンパク質、炭水化物、ビタミンとか、そういうのを維持しないといけないの。
ヨシヒロ——自分の血を操れるのか!?
カスミ——自分のだけじゃないわ。すべての生き物の血を操れるの。
彼女は笑ってそう言った。だがその笑顔には、ヨシヒロが背筋を寒くする何かがあった。
ヨシヒロ——怖いな……つまり、あんたが一番強いのか?
カスミ——もちろん違うわ。自分の血なら長時間使える。でも他人に使うと、燃え尽きは相手の力次第。相手が弱ければ力は燃え尽きない。でもすごく強ければ、能力はすぐに燃え尽きる。
ヨシヒロ——面白いな。で、俺の能力は?
カスミ——それは明日わかるわ。
ヨシヒロ——ところで、ノリの力は?
カスミ——彼の力は——重力の絶対制御。
ヨシヒロ——重力?ああ、そうか。俺をベッドごと浮かせたもんな。
カスミ——私も彼の能力を全部知ってるわけじゃないの。本人がそのうち話してくれると思う。
ヨシヒロ——カスミ、力とレベルについて全体的に教えてくれ。
カスミ——もう知ってると思うけど、すべての生き物には「存在エネルギー」っていうエネルギーがあるの。みんな流れてる量が違う。そしてその量が隠蔽者の能力の強さを決めるの。中には、力が強すぎるのにエネルギーがあんまり多くない場合もある。そういう隠蔽者は、間違った使い方をすると力がすぐ燃え尽きるの。
ヨシヒロ——それがノリのケースか?
カスミ——そう。彼の力は重力。東京全体を引きちぎって宇宙の彼方に飛ばすことだってできる。でもそれをやったら、すぐに能力が燃え尽きる。だから彼はとても経済的に力を使うことを覚えたの。だから最強の隠蔽者の一人になったのよ。
ヨシヒロ——すげえ。そんなに強いのか。
カスミ——信じて。もっと強いのもいるわ。力も強力で、さらにエネルギーもとんでもない量のやつらが。
ヨシヒロ——怖いな。
カスミ——ええ。私も驚くわ、力の差ってどれだけあるのかって。
彼女は身を震わせた。
カスミ——ところで、その話のせいで、あんたが何を取ったか見てなかったわ。
ヨシヒロ——俺は味噌汁にした。
カスミ——わかった。じゃあ行きましょ、あんたの部屋を案内する。
ヨシヒロ——行こう。
ヨシヒロが立ち上がろうとした瞬間、彼の目の前に大きな胸があった。
?——カスミ!
怒号が響いた。
カスミ——あ、こんにちは、ヨシコ!
ヨシコ——あの殺した排斥者の報告書、なぜ持ってこなかったの?
カスミ——あ、忘れてた。
頭をかきながら、カスミは言った。
ヨシコ——で、あんたが例の、進化10段階の刀で手を切った新入り?
ヨシヒロ——ああ、その通りだ。
ヨシコ——ヨシヒロ、だったかしら?
ヨシヒロ——ああ、そうだ。
ヨシコ——あら、よかった。私はヨシコ・ヨシカワ。隠蔽者、B1級よ。
ヨシヒロ——よろしく。
ヨシコ——こちらこそ。ところでカスミ、もう彼の部屋は案内した?
カスミ——ちょうどこれから。
ヨシコ——わかった。邪魔しないわ。またね、ヨシヒロ!
ヨシヒロ——ああ、また!
カスミ——じゃあ、行く?
ヨシヒロ——ああ。
部屋に向かう間、ヨシヒロは一つの考えを頭から追い出せなかった。それは能力の話でもない。ノリの話でもない。明日の話でもない。
ヨシコの胸の話だった。
カスミ——ヨシヒロ、ここがあなたの部屋よ。
ヨシヒロ——……
彼は聞いていなかった。どこか遠くにいた。
カスミ——ヨシヒロ、おーい!
ヨシヒロ——あ、ああ。ここにいる。
カスミ——もう、かわいいんだから。ほら、ここがあなたの部屋。17号室。何かあったら、私の部屋は隣だから。20号室に住んでるの。
ヨシヒロ——わかった。ありがとう。
カスミ——退屈しないでね。
ヨシヒロは部屋に入った。広かった。窓際にベッド、机、クローゼット。普通だけど、自分の場所だった。
ヨシヒロ——広いな。さて……これで俺の新しい人生が始まったわけだ。
彼はベッドに倒れ込んだ。そして目を閉じる前に、こう思った——『明日、俺が何者かがわかる』。
吉広の強さってどれくらいなんだろう?




