第2巻 第25章 — 七つ目の破片
山田義弘は勝ちますか?
第2巻 第25章 — 七つ目の破片
遠くでサイレンが鳴っていた。だが通りは空っぽだった。風だけが埃と瓦礫を運んでいた。車が一台通り過ぎた。運転手はこちらを見もしなかった。まるで見えていないかのように。
オロチ——よくやった、ヨシヒロ。お前はついに俺の期待に応えたな。
笑いながらオロチは言った。
オロチ——さて、続けようか?
ヨシヒロ——もちろん。
突然、オロチはヨシヒロが作り出した巨大な竜巻に飲み込まれた。
ヨシヒロは手で印を結び、竜巻はさらに激しく回転し始めた。
この竜巻は半径1500メートル以内のすべてを巻き込み始めた。
突然、風と建物の残骸の流れの中に稲妻が走り始めた。
ヨシヒロ——稲妻?だが、どこから?
オロチ——そんなこと、いちいち教えるかよ。
ヨシヒロは急ぎ振り返った。
彼はオロチが電気の火花の中に立っているのを見た。
(ヨシヒロの思考)——『不可能だ。俺は奴の動きをすべて追っていた。奴は竜巻の中にいた。どうやって?……どうやってこれを?目の前のこの怪物は何だ?』
オロチ——俺にはもう一つ能力がある。ノリがお前に話したはずだ。
ヨシヒロ——電気操作。
恐怖の表情でヨシヒロは答えた。
オロチ——その通り。だが一つだけ違うことがある。俺は電気を操るだけでなく、電気の速度で動くこともできる。
オロチはリーダーの速度で移動できる。
リーダーの移動速度はおよそ秒速5万~20万キロ。移動は数十メートルの段階で行われ、段階の間には数十マイクロ秒の停止がある。その際、発光は弱まる。地上までのリーダーの平均速度は約秒速200キロ。
オロチがこの能力を使うと、彼の体の分子は電荷粒子の運動法則と原理に従い始める。
簡単に言えば、高速移動時、オロチは電気そのものになる。
オロチ——奴らはいつも、俺がただ稲妻を操るだけだと思う。まるで俺が手のついた避雷針かのようにな。違う。俺自身が放電だ。俺が電流だ。俺が、点火し殺すあの火花だ。そして俺が動く時……世界は俺にとって止まる。人々は彫像になる。彼らの思考は糖蜜のように粘つく。そして俺は——速い。いつも速い。
この瞬間、彼は人間ではなかった。彼は自然現象だった。
突然、ヨシヒロは約34万5000アンペアの放電を受けた。
ノリと同じ放電である。
(オロチの思考)——『立っている。まだ立っている。体を強化したか。賢い。ノリもそうしただろう、間に合っていれば。だがノリは間に合わなかった。そしてこいつは……こいつは準備していた。残念だ。もっと速かっただろうに。まあいい。俺は急がない。』
(ヨシヒロの思考)——『体が……言うことを聞かない。腕が動かない。脚が他人のもののようだ。指を感じない。ただ痛みだけ。地獄のような、すべてを飲み込む痛み。奴は……奴は力を入れてもいない。なのに俺はもう限界だ。』
もしヨシヒロが体を強化していなければ、彼は以下を負っていただろう:
・恐ろしい火傷:これほどの電流は瞬時に組織を灼熱させる。これは単なる皮膚の火傷ではなく、第4度に至るまでの深部の炭化である。
・爆発的損傷:組織内の水分の瞬間的な蒸発により、内臓の機械的破壊が起こりうる。
・横紋筋融解症:筋肉組織の大規模な破壊によりミオグロビンが血中に放出され、急性腎不全と腎臓の機能不全を急速に引き起こす。
しかしヨシヒロは体を強化していたため、ケラウノパラリシス(雷痺)で済んだ。
ケラウノパラリシス——血管痙攣と神経不安定によって引き起こされる、主に下肢の一時的な筋肉の硬直。
オロチはすぐに強力な連打を加えた。
(ヨシヒロの思考)——『軋み。これは俺の骨か?折れる音が聞こえる。それとも、もう関係ないのか?』
彼は痛みを感じなかった。ただ虚無だけだった。まるで自分の体が他人のものかのように。
ヨシヒロは地面に倒れた。
オロチ——ふむ。お前をどうしてやろうか?
5分後。
オロチ——ああ、思いついた。お前を破片の番人たちへの生贄に捧げてやろう。彼らがお前をどれだけ甚振るか、楽しみだな。
ヨシヒロは血を吐くような、かすかな呻き声を上げた。
ヨシヒロの臓器はほぼすべて潰れ、骨は折れていた。
死に瀕した状態でも、ヨシヒロは恐ろしい苦痛を感じていた。
オロチ——怖がるな。お前の仲間たちはもっと酷い目に遭う。
彼はヨシヒロの耳元でささやいた。
彼は話せなかった。動けなかった。だが聞こえていた。そしてそれは痛みよりも酷かった。
オロチ——さあ、俺の腕の中に来い。忘れられない感覚の場所へ連れて行ってやる。
ヨシヒロを抱きかかえると、彼は七番目の破片が保管されている地下墓地へと運んだ。
地下墓地は古代の城のようなもので、狭い廊下と、壁に松明が灯された小さなレンガ造りの大きな部屋があった。ここは死の匂いがした。そして何か別のもの。何か古いものの匂いがした。
見ろ、ヨシヒロ、これが七番目の破片だ。お前はこれを奪おうとしたが、結局は最も恐ろしい方法で死ぬことになる。番人たちはお前の皮膚を剥ぎ、指をもぎ取り、内臓をまるで組み立て玩具のように引きずり出すだろう。
彼はヨシヒロをそっと床に置いた。その後、部屋の隅に蹴り飛ばした。
オロチ——さて。俺は行く。さらばだ、未来のLEGO人間よ。
廊下を歩きながら、オロチは自分の仕事に満足感を覚え始めた。
(オロチの思考)——『奴はまだ息をしている。まだ見ている。まだ何かできると思っている。愚か者だ。たとえ奇跡的に生き延びても——奴はもう壊れている。体は粉々。魂は破片の中。そして番人たちが……番人たちが仕事を終わらせる。俺は安心して去れる。この少年はもう二度と俺の道に立ちはだからない。』
ヨシヒロは大きな足音を聞いた。だがそれはオロチではなかった。
番人——彼らは死体のような骸骨に似た者たちで、その腹の中には腐った臓器があり、今にも骸骨の枠組みからこぼれ落ちそうだった。彼らは近づいていた。そしてヨシヒロは叫びたかった。だができなかった。ただ見ることしかできなかった。
下衆どもが、遊びに来たか。




