65、モフモフが大好きなため ウォーターコースター
滝の後ろに隠したのは、天井までは10メートル以上のドーム状の広い天然洞窟だった。
ここはネコハウスを設置する絶好の場所だった。
空腹感に襲われたメアリーたちは部屋に入ると、直ちに料理を取り出し、幸せなランチタイムを楽しんでいる。
食事が終わると、メアリーはスキルのことを皆に教える。
「えっと、さっきのは精霊武装っているスキルだった。スキルと装備の効果が全て無くなる。そして代わりに[AGI]と[INT]を50増えて、六つの専用スキルが使えるようなる。更に、装備系以外の被動スキルが影響を受けないよ」
「なるほど、だから戦う前に召喚獣を全て元に戻したよね」
「うん…それはこのスキルのデメリットだ……そして、HPがゼロになったらすぐHP1の瀕死状態で元の姿に戻った」
ライナーは聞きながら、さっきの戦いを思い出すと問いかける。
「メアリー、さっきボスの攻撃を回避した動きはなんだ?50だけの[AGI]なら決してあんなスピードのパンチを避けられないと思うぞ!」
「あぁ、それは[ウンディーネの加護]っていうスキルの効果だった。川や湖などのフィールドに移動できるようになって、全ステータスポイントが五倍に増える。そして、HPとMPが10秒1割のスピードで自動回復するよ!」
「うわぁ!めちゃ強いじゃねぇ?つまり、メアリーは水に入ると、すぐ無敵になるよね!」
メアリーの強さと変さについて、皆はとうに理解していった。
しかし、敵じゃなく本当に良かったという考え方を持つのは初めてだった。
アヤメはメアリーを覆う青いオーラと鎧に目を凝らすと尋ねる。
「メアリーちゃん、元の姿に戻られないのじゃ?」
「できるよ。でも、このスキルは1日1回しか使えないもの……フェルたちはもう召喚できないもの、午後の探索のため、この状態のままでいいと思って」
「わかったのじゃ!さてと、そろそろ探索に出発するのじゃ!」
適当の休憩を取ると、メアリーたちは三組に分けって、隠しクエストを探しに行った。
精霊の力を存分に発揮するため、メアリーとネフェは川の下流にあって湖と湿原を目的地として向かって行く。
さっきの言った通り、この辺りの地形は歩くことが困難なごつごつとした岩であった。
メアリーは精霊の力でなだらかな川で難なく進められるが、ネフェは30分程歩くともう一歩も動けないほど疲れてしまう。
「もう…ダメだ、少しい休ませてくれ……」
「もう――っ!ただ30分だけよ!道はまだまだ長いのに!」
ネフェは岩に座って、川伝いの道に眺めると、溜息を吐く。
「はぁぁ…フェルちゃんがここにいると、こんな道きっとササっと乗り越えるぜ!」
「ネフェだら、いつもうちのフェルに頼るのはダメよ~」
「メアリーは水面で移動できるっていいな。羨ましい!」
メアリーは向こう側に眺めて、何か考えがあったように小悪魔の笑みを浮かべる。
「走りたくないなら、私に任せて!いい考えがあるもの~」
ネフェはワクワクして、耳を傾ける。
「ヤッホー―っ!」
穏やかな川の流れは満潮の海のように激しくなる。
メアリーはその大波に乗って、サーフィンのように下流の湖へ高速滑走する。
これは変身したメアリーのスキル[ビックウェィヴ]の効果、高波を呼び出し、波で敵を呑み込むことなのだ。
ところで、一歩も踏み出したくないのを宣言していたネフェというと。
メアリーにお姫抱っこされて、まるでジェットコースターに乗って子供のようにウキウキして声高く叫ぶ。
「おおお!すっごい速かったぜ!流石メアリー~!」
「ほほ~ これほどの程度で驚くなんて困るよ」
「えっ!?」
「スピードはもっと上げるよ。欲しい?」
「当たり前だぜ!早く、やれ、やれ!」
「オーケー!ビックウェィヴフルパワー!!」
流れている水勢がまるでダムの放水のように一気に数倍激しくなる。
氾濫した河川のように、激流が川に棲息して魚や亀などのモンスター、そして岸辺の小岩さえも全て下流へ押し流す。
「おおおお!ウォーターコースターだぜ!」
「モンスターが来るよ、槍を渡せて!」
「はいよ!」
実は、ネフェはモンスターなどの姿が全く見えなかった。
しかし、メアリーたちのパーティーに守らなければいけないルールがある。
それは、メアリーの目を決して疑わないことだったのだ。
ちなみに、メアリー本人が全く知らなかったのだ。
メアリーはネフェから槍を受けて、構えて取る。
「しっかり掴まえて、アクアカッター!」
振り出された青い気刃が青い弦月のように波を切り裂き、前に飛び出す。
ほぼ同時に、前方数メートルのところで、三体の鋭い牙を剥きだしてワニが水面の下から浮かび上がる。
「ザクシュ────っ!!!」
斬撃の音が響くと、ワニたちが直ちに横斬られて光となって始末された。
「おおおお!あんな濁った水の中でも見えてきたのか?」
「それは勿論よ!今の[DEX]はいくつぐらいだともうかしら?」
「えっと、まさかもう四桁…超えた?」
「はぁ?私の目はそんなに弱かったと思うかしら?[ウンディーネの加護]のスキル効果を加わって、もう3000超えたよ!すごいでしょう?」
「……」
「ネフェ?」
「もう……何も言いたくない!!!」
「えええ——————っ!」
こうして、メアリーたちは激しい波に乗って、下流に向かって行く。
ちなみに、途中で休憩エリアの入口を通った時。
タワーをクリアしたばかりのプレイヤーたちはその洪水を目撃して、ワニのような大口を開けて呆れたような表情になったのだ。
お読みいただきありがとうございます。
この度、自分の拙作をお読み頂き、誠にありがとうございます。
『面白い』『続きが気になる』と思われましたら、是非ブックマークの登録をお願いします。
拙作を評価していただけるととても励みになりますので、大変嬉しいです。




